紙の本
森鴎外や尾崎幸雄も登場
2024/04/27 15:56
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本SF精神史はわかるにしてもサブタイトルに「幕末・明治」とあるのに首をひねった人がいるかもしれない。森鴎外や尾崎幸雄といった、SF史に登場するとは思えないような人物たちも関わるものなのである。
電子書籍
日本SF史通覧、待望の電書籍化
2018/12/31 11:11
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投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFがまだ架空史と呼ばれていた幕末の近世から、平成の現代にいたるまでの日本のSFの流れが分かります。紙の書籍も味がありますが、SF史らしく電子書籍でスマートに楽しむのも一興です。
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「存在しない理想を描くことで、それが欠落している現実を告発する」という日本SFらしさのルーツが、幕末の「政治小説」にあるというのが驚きであり、納得。本書の締めくくりの言葉がとてもカッコイイ。
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[ 内容 ]
日本SFの誕生から百五十年、“未来”はどのように思い描かれ、“もうひとつの世界”はいかに空想されてきたか―。
幕末期の架空史から、明治の未来小説・冒険小説、大正・昭和初期の探偵小説・科学小説、そして戦後の現代SF第一世代まで、近代日本が培ってきたSF的想像力の系譜を、現在につながる生命あるものとして描くと同時に、文学史・社会史のなかにSF的作品を位置づけ直す野心作。
[ 目次 ]
序章 近代日本SF史―「想像/創造」力再生の試み
第1章 幕末・維新SF事始―日本SFは百五十歳を超えている
第2章 広がる世界、異界への回路
第3章 覇権的カタルシスへの願望―国権小説と架空史小説
第4章 啓蒙と発明のベル・エポック
第5章 新世紀前後―未来戦記と滅亡テーマ
第6章 三大冒険雑誌とその時代
第7章 大正期未来予測とロボットたち
第8章 「新青年」時代から戦時下冒険小説へ―海野十三の可能性
第9章 科学小説・空想科学小説からSFへ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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川出書房新社ホームページ紹介文から。
【内容紹介】
日本SFの誕生から150年、〈未来〉はどのように思い描かれ、〈もうひとつの世界〉はいかに空想されてきたか――。近代日本が培ってきた、多様なるSF的想像力の系譜をたどる。
【受賞】
第41回星雲賞受賞、第31回日本SF大賞受賞、朝日、読売
全国学校図書館協議会選定図書
【著者】
1962年、茨城県生まれ。評論家。歯学博士。歯科医の傍ら、近代日本の文化史・思想史から、文芸評論や現代社会論まで、幅広く執筆活動を行っている。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309624075
購入済・未読
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「SF史」ではなく、「SF精神史」というのがミソ。故に狭義の「SF」にとらわれず、明治期の「政治小説」などの分析に多くを割く。
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戦前を中核とするSF作品の潮流を解説したもの。大きく二パターンがある。①科学技術やその産物が現実からの逸脱しているありようを描くもの。その進歩のありようが、現状の延長線上にある場合(例、潜水艦・飛行機や気球タイプの宇宙船)、あるいは、完全なファンタジー(例 幽体離脱による他星系探訪)とがある。他方、SF作品(浦島太郎の竜宮城のような世界観)にて、著者の考える社会的理想卿を仮託したパターンがある。当時なら、男女同権・憲法秩序のある社会などがこれにあたる。なお、海野十三には注目(手塚治虫の根本かも)!
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幕末(⁉︎)から昭和50年までの日本SFの歴史。
なんと安政4年発表の「西征快心編」を日本SFの嚆矢として、昭和48年発表の「日本沈没」で日本SFは普遍となった、そうだ。それ以前の「果てしなき流れの果てに」は日本SFの大傑作だと思うのだが、スルーされている。明治時代が少し長く大正時代から戦前も長い。知らない作品ばかりだからね。
SFって時代の流れと共に陳腐化するから難しい。
まぁ面白く読めました。