紙の本
面白かった
2016/10/24 17:38
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投稿者:ちゃみこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
落ち着いた雰囲気の大人の小説を楽しめた。現在とは違う、昔の慎み深い言葉や行動様式も味わい深い。時空を超えて舞台の一つである過去の奈良に旅行に行ったような気分になれたのも幸せだった。
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真実が明らかになっていく。
でも、もしかしたら知らない方がいい事もあるのかもしれない。
切ないラストに 私だったらこんな風に受け入れる事が出来るだろうか?と思った。
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10年以上前に仕事を教えてもらった大好きな先輩がとても特徴のある字を書く人で、古いファイルをめくっているときにその人の字を偶然見つけて感激したことがある。意図したわけではないけれど、この物語の主人公も文字で自分の存在をほのめかすことになり、そこからストーリーが展開する。やっぱり品のよい美しい日本を感じる話でした。田村正和主演のドラマも、まあ、悪くなかったけど、刑事物語にしてしまった時点で少し下世話になったような。でも、久美子役の女優さんは小説の雰囲気に限りなく近くて、清楚で可憐で素敵だった。
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ドラマ見た時もだけど、やっぱり最後のシーンには泣けました…
特に久美子が自己紹介した後の野上さんの一言
「……いい名前ですね」
久美子が生まれたばかりで、勁一郎と節子が幸せそうに我が子に名前を付けた時が思い浮かんで余計に泣けました。
この後添田が到着してから野上さんに会えたのか、野上さんは無事にフランスへ帰れたのか…まだ謎は残っていますが、親子が再会できただけでそれだけで十分だと思いました。
球形の荒野…それは野上さんから見た地球だったんですね。
この作品が私の初松本清張作品で良かったです。
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ミステリー的なオチがあるのかと思ったのでちょっと拍子抜け。
清朝らしいといえばらしいかもしれない。
先は読みやすいが終わり方は想像と違った。
でも引き込まれる話で面白かったと思う。
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戦時中の日本外交に端を発する壮大なスケールの作品。
話の繋げ方に少々の強引さは否めないが、日本の美しい風景と、戦争中の不幸な出来事を絶妙に絡み合わせて書く手法はさすが。
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流石の松本清張。今読んでも古い感じはしない。中盤の引き込まれ具合が良いだけに、最後の落ちはもう一つ。
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連合国の諜報機関との接触により日本を終戦に導いた外交官。しかし、祖国日本の国籍を失い、死亡したことに。最後のシーンは、感動的。また、巻末の半藤一利の解説が秀逸。
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これは、やっぱり面白かった。解説が、半藤一利さんというのも贅沢。終戦間際の様々な駆け引き。現代史の勉強にもなる。
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スイスの病院で亡くなったはずの外交官が、亡霊となって日本に戻ってきた。
それを予感した新聞記者が、少しずつ真実に迫っていく下巻。
全ての謎が世に明らかにならなくとも、満足できる結末は非常に切なく、また親の愛というものを改めて考えさせてくれます。
私がこれまでに読んだ清張作品とは趣が違いましたが、読んでよかったと思いました。
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最後まで失速せずに大きな余韻を残して物語は閉じました。
日本のために生き、国籍を捨て、この地球において堂々と喜びの人生を生きることができない(地球=球形の荒野)元外交官の悲哀を感じたし、それでも国を思う気持ちと、官僚はしっかりしていても政治家がダメという構図は今も変わっていない哀しさを感じました。
三浦半島の観音崎で海を観ながら父娘が『七つの子』を歌うシーンで物語は閉じるのだけど、奈良や京都から始まったストーリーは九州や横浜など日本各地の風景を多く取り上げて、この国の自然や文化の豊かさと人間の愚かさをうまく対比させているように思いました。
良いお話だったよ。
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「野上さんの行動は、旧い日本精神では解釈できない。こりゃア後世の批評に俟つほかはないね」滝の台詞から。
正義と正義がぶつかり合い、人間が犠牲になるのが戦争だなと次ぐ付く想った。
画家の死因がぼやっとしてるけど、そこは松本清張大作家がよくやっちゃうミスとして、許そ。(笑)
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『球形の荒野』
2023年5月14日読了
これもよかった。
第二次世界大戦の自国スパイという大きな題材にも関わらず、
その焦点は常に家族にある。
奈良・京都の古都の匂いも本作に趣を与えていた。
スケールの大きな問題をあえて身近な疑惑と取り合わせることで、
感情移入でき彼らのもどかしさを共有することができた。
最後、「カラスの子」を口ずさむシーンはうるっと来るものがあった。
もう二度と会えないだろう子との再会の喜びと淋しさ。
自らの本性を明かすことができないもどかしさ。
子は子で勘付くところもあるが、それが一体なぜなのかはわからない。その悲しみ。
様々な事件が起こりハラハラさせられたからこそ、
ラストの穏やかなシーンが心に残る。