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シアター! 1 みんなのレビュー

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みんなのレビュー1,043件

みんなの評価4.0

評価内訳

1,033 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

演劇で真剣に生きる

2009/12/16 08:12

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 借金300万円を抱え解散の危機を迎える小劇団「シアターフラッグ」。劇団を主宰する春川巧は、子供の頃からずっと世話になりっぱなしの兄である、春川司に借金を頼みに行く。司が出した借金の条件は、二年間のうちに劇団の収益のみで借金を返済すること。
 声優である羽田千歳を迎え、お金の稼げる劇団を目指すことになったシアターフラッグは、鉄血宰相・司の下で経営再建(構築?)に乗り出していく。

 作者が仕事の関係で知り合った人から、次の仕事のネタを拾っていく。物事が上手く回る時は、こういう良いサイクルが発生するのだろう。その結果生まれたものが面白いならば、さらに文句はない。
 演劇の内容自体というよりも、劇団が生息する業界、劇団内部の人間関係や演劇に真剣に向かい合う人々の姿を描いた作品だと思う。劇団の常識を一般社会の常識で塗り替えていくのだけれど、全てにそれを押し付けていくのではなくて、演劇の世界と経済の世界の境界線をきっちりと引いて、そこを踏み外さない。司の理解の良さとバランス感覚が巧みだ。

 演劇さえやれていれば幸せというか、演劇にひたって夢を見ていられれば良いと考えていた人たちが、劇団解散の危機をきっかけに演劇で生きていくための術を知る。あるいは自分のいる場所を作っていく。その出発点の物語。

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紙の本

崖っぷち劇団に開幕のベルが鳴るまで

2010/01/02 17:50

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る


いやはや、お見逸れ致しました有川浩先生!実に面白かったです!!
【シアターフラッグ】と言う名の小劇団が、趣味のサークル的活動から一歩を踏み出して、

自分たちの造り出す芝居でお金を稼げる位になろう!と方向転換した時に起きたのは、
劇団員の半分が脱退する騒ぎと、それまでの制作から突き付けられた、

『立て替えていた赤字・300万円返却して下さい、
でないと訴えても良いですよ』的な最終通告の2つ。「劇団潰れちゃうよ…」

弱り果てた主宰者巧が泣きついたのは、兄の司。兄は『いっそ潰したらどうだ?』等と、
弟及び演劇界に蔓延る社会常識の無さ、甘さについて糾弾した後、

『期限2年、その間に劇団が上げる収益だけで300万円返済してみせろ!』要求します。
騒然とする劇団員達。それもそのはずで、2年の間に、

自分達を値段の付く商品にしろと命令されたと同じ様な訳ですから。
改めて自分達にとっての劇団【シアターフラッグ】とは何か?

これからの劇団はどうなるのか?について思いを巡らせるメンバー達。
そもそも、今回主宰である巧が劇団の方針転換を決意したのは、プロの声優である羽田千歳が、

自分達の舞台に感動し入団して来たから。とは言うものの、
団員の全員が方針の転換に心から賛成していた訳ではなく、内心、

千歳が入団したばっかりに巧が下手な野望を持ち始めた、自分は楽しく芝居が出来れば、
それで良かったのに…。と思っている人間もいて。あぁ、そういう風に後先の事を考えずに、

青春の延長戦みたいな日々を過ごしていたいって気持ちわかるなぁ、なんて大いに共感しました。
でも、現実を生きる上で、社会の中夢を見るって事は時として、シビアな現実と化したりもする訳で。

なので最初、巧の兄司が違和感を覚える演劇界の常識こそ、
世間では非常識であることが厳しくチェックされる箇所は読んでいて少々辛かった。

けれど、司が1番の巧ファンであることが透けて見える描写が続き、俄然この【鉄血宰相】
の仇名で呼ばれる男の存在が、頼もしく心強い物へと変わった。

美しい兄弟愛、だからこそ、胸に秘め自ら悪役を買う。中々やれるもんじゃないと思います。
それに同調するかの如く進化と深化をしていく劇団【シアターフラッグ】の面々。

メンバー各人のキャラクターの描き分け方も適材適所って感じで、その関係には隠し味として、
互いに対する恋心もまぶされていて…。いつの間にか、読んでいる自分が、

気付かない内に劇団の裏方として、公演に向けて活気付く劇団の様子を
応援している様な熱い想いまで沸いて来ます!!

さぁ、貴方も【シアターフラッグ】の素敵な面々と一緒に
ハラハラ・ドキドキ、してみませんか?もうすぐ、幕が開きますよ!!

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紙の本

危機的な演劇運営に立ち向かうお話

2018/07/05 20:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

小さいけど、ストーリーや演出に定評のあるとある劇団シアターフラッグにふと300万円という債務がのしかかります。脚本を手掛け、劇団員を束ねる巧は、債務を肩代わりしてくれお願いをすべく、ちょーシビアで現実的、営業センス抜群の兄の司をたよりますが、2年で演劇の収益だけで300万を返済しろという、経営センスがない劇団に無理難題を押し付けます。劇団員の反発を受けつつ、経営センスのかたまりの司によって、シアターフラッグのメンバー一人一人に少しずつ変化が訪れます。演劇を見たことがない人でも、劇団の面白さや厳しさ、団結力などを、自分があたかもメンバーの一員のような感じで読むことができます。読み終わった後、続編が読みたくなるとともに、演劇見に行きたいと思うようになりました。

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紙の本

鉄血宰相がすばらしい!

2016/05/28 07:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

人気はあるものの経済観念ゼロの劇団シアターフラッグ。300万円の負債の返済を立て替えた主催の兄・春川司が出した条件はとても厳しいものだったし、素人のサークルのノリだった劇団を商業劇団に成長させるカンフル剤にもなっていると思う。そこかしこに劇団を主宰する泣き虫ダメ男・春川巧への愛情がにじみ出ていて、ほっこりします。
他の登場人物のキャラも面白く、くっきりと立っていて、ドラマ性とリアリティーに深みを増しているところも素晴らしい。
語りのテンポの良さも、ナイスです。

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紙の本

これは、おすすめ

2012/06/20 23:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:リゲル - この投稿者のレビュー一覧を見る

対照的な性格の兄弟はじめ、役者の面々のキャラがしっかり立っている。
話もテンポよく進み、一気に読み進んでしまった。演劇の世界が背景としてしっかり現実感をだしていてる。その中で、個性的な面々が感情豊かに描かれている。軽く読めて、笑いながら感動してしまう有川作品の傑作。

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紙の本

メタ演劇小説の秀作

2012/06/10 12:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Yosh - この投稿者のレビュー一覧を見る

小劇団シアターフラッグを主宰する春川巧(はるかわ たくみ)は、300万円の累積負債を抱え、劇団存続の危機に直面していた。幼い頃から陰になり日向になり、時には庇い時には支えてくれた兄の司(つかさ)に融資を泣きついたところ、兄は劇団員の前でこう宣言する――「今日から俺が債権者でシアターフラッグが債務団体だ。今から二年で返せ。劇団が上げた収益しか認めない。――返せなかったらシアターフラッグを潰せ」。皆が舞台に立って楽しく演劇活動を続けられれば是とし、サークル活動の延長のノリでやってきたシアターフラッグは、これを機に演劇で食っていく「プロ」としての道を歩むことを否応なく促される・・・。
 とまあ、設定は前作『フリーター、家を買う。』同様幾分シビアだが、一旦物語が動き出した後は、有川浩ワールドのめくるめく展開に心地よく身を委ねていればいい。芝居に関わること以外はまるで不器用で世間知らずな巧と、劇団員から「鉄血宰相」と恐れられる司の関係に、『図書館戦争』の郁と堂上を重ね合わることも可能だ。
 モラトリアム人間が困難に直面し、それを克服することで大きく成長する「ビルドゥングス・ロマン」。個性とアクの強い人間集団が、幾多の衝突と融和を経ながら有機体のように育っていく「群像劇」。そして、実在する小劇団に取材することで、演劇の現場をリアルに描き出した「メタ演劇小説」。本作は、かくも多彩な要素が多層的に重なり合い、と同時に主役は無論のこと脇役も実に生き生きと楽しそうに飛び回っている。
 勿論、会話の上手さは言わずもがな。脚本の上りが遅い巧が司に詰られ、巧が切羽詰まって井上ひさし(本文中では「井上ヒトシ」となっている)を引き合いに出して遅筆を正当化しようとすると、司は巧をこう罵倒する――「よりにもよって業界のてっぺん持ってきて言い訳する奴があるか!向こうが神だとしたらお前なんか脊椎発生以前の昆虫だろが!」(P117)。イヤ~、何とも凄まじい台詞。でも、思わず吹き出してしまった程上手く、実際に舞台の上で役者に言わせてみたくなる、キメ台詞ではなかろうか。
 その逆もある。司が土曜夜公演完売を告げた時の劇団員の欣喜雀躍ぶりを見て、司はこう心で思う――「圧倒的な歓喜の表情は最後は涙にたどり着くのか。たった一人でそれを傍観しながらそんなことを思った。テレビの中なら見たことがある、しかしその光景は多くの人間にとってフィクションだ。テレビで見たことがあるから知っている、という程度の。関わった全員で驚喜し、はしゃぎ、泣き出すようなことを、一体どれだけの人間が死ぬまでに経験するだろう」(P218)
 演劇という未知の分野を手掛けても、まるで以前からこういう素材を手掛けていたかのように手練れの筆致を見せる有川浩。彼女の才能には瞠目するのみ。

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2021/11/15 03:07

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2009/12/17 14:19

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2010/01/21 21:42

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2010/02/21 21:13

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2009/12/17 11:00

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2010/10/25 05:15

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