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オチがいい感じにまとまっていました。文体も話も独特で、新鮮で面白かったです。
ただ、何回も同じ言葉を繰り返していたのは、ちょっとしつこいかなと思いました。
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少女の頃読んだ作家さん。
今で言うケータイ小説みたいなジャンルだったよね。
マンガと小説の間…みたいな。
大人の本のコーナーに見つけて、同じく歳を取った彼女がどんな小説を書いてるのか読みたくなって借りました。
軽い文体はそのままでしたが、深い内容。
おもしろく読みましたー。
お母さんの2度目の独白の章、あそこだけ切り取って世に出したい(●´艸`)
あそこは単独で傑作。
でも、とりあえず全体としても、とっても素敵な小説でした。
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ある家族のお話。章によって目線が代わって面白い。特に母の目線はちょっと考えてなかったので、インパクトがありました。自分は新井素子さんの小説を読んだのはこれが初めてです。とても楽しく読めました。文体が、とても、可愛かったですっ!(←こんな、文体なんです笑)。ただ、内容がどんどんミステリーっぽく、複雑になっていって最後は正直よくわかりませんでした。まあ、多分これは自分があんまり小説慣れしてないからだと思います。あと、小説ももちろん面白かったのですが、やはり自分は「新井素子さんの小説」ではなく、「新井素子さんそのもの」に興味があるんだとわかりました。あとがきを見て、それを確信しました。次はエッセイを読もうっと。
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新井素子さんが4年前に書き下ろした小説。
読んでの素直な感想は「著者は、いい歳の取り方をしてるな」。小説の感想としては間違ってるかもだけど、それが正直な本音。
幾人かの登場人物が、章ごとに入れ替わりながら一人称で物語り、話が進んでいく。昔からあった小説技法で、それ自体はそう珍しくもない。
この作品を気に入ったのは、一人称で書かれたそれぞれの人物にずっしりとした重みがあるところ。著者独特の口語体が登場人物を等身大に感じさせるとこはあるんだろうけど、それだけじゃない。
歳を重ねて、いろんな年齢のいろんな立場の人を一人称で語ることができるようになった、著者の余裕をそこに感じる。
長らく小説を書き続けてきて、古くからのファンも多く抱える作家さん。自ずと”ノスタルジー”という色眼鏡をかけて読みがちなんだけど…いい意味でそれを裏切ってくれて、満足もさせてくれる。
「長い年月をかけて、本と著者を愉しむ」その幸せをかみしめることができた一冊。
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新井素子のSF(すこしふしぎ)ひさしぶりに読んだ気がする。あとがきの着地できなかった、っていうのが、なんか、すごくよくわかっちゃう。でもそれでもゆるせちゃう。独特の文体なので好き嫌いは分かれそう。
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新井素子の本を久しぶりに読みました。読み始めたら、文章がスッと入らなくて、困りました。若い時には心地よいと思っていた文体ー改行が多くて、口語体を、なんだこの文章は?読み辛いと感じました。当時ライトノベルという言葉がなかったかもしれませんが、新井素子ってライトノベルの先駆者だったのだと、今になって気づきました。
内容は面白かったです。文章はちょっと厭だと思いながらも全体に流れる不穏な空気、ザラザラする感じに惹かれながら次は?次は?と読まされてしないました。
個人的な話ですが、陽湖の姑や舅、夫、義妹に対する感情を吐露する章は、母であり嫁であり妻である私にとっても共感でき、その上、伯母に懐いていた私は澪湖にも感情移入出来ました。それから木島君、カッコよい!!オタクの大学生の息子も木島君のようだったらと、淡い期待を抱きました。
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どの登場人物も好きになれない。
オチが想定外。(ある意味想定内?)良い意味ではない。
陽湖さんの毒々しい怨念たっぷりのモノローグが秀逸。
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別人だーパラレルワールドだー!というのに気持ちが付いていけず、さりとて全体を眺められるでもなくで一番感情的に寄り添えたのは陽湖さんでした。まだ40前半なんだし離婚がんばれ。大介ほんときもちわるいな...。
ある程度育ったあたりで保育園に預けるとかできればもっと違ったようになったのかもなあ...パラレルワールドでは母子がうまくいってる世界もあるのかなと思うとせつない。
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デビュー当時、新井素子ファンだった、そしてこの「素子調」ともいうべき文体が当時どれくらい衝撃的で魅力的だったかを知っている身としてはとても遺憾なことなんだけど・・・ 複数の視点が章ごとに入れ替わる一人称なのに、どの視点人物になっても変わらず「素子調」の文体というのは、それぞれの人物の個性をきちんと表現できていないということなのではないかと感じた。
それに、私は年齢的に「素子調」で語る登場人物に感情移入できなくなっているのか、主人公が持つ「疑問」にどうしても共感することができなくて、その「疑問」が物語の主題になってからは急速に興味を失ってしまった。
読了してみると、設定に関してはなかなか魅力的な要素を秘めていると感じたので、「他の人の書いた文体で読めれば、もっと惹きこまれる作品になっただろうに」と残念に思ってしまった。デビュー当時の素子ファンとしては、そう思えてしまったことが悲しい。
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あくまでも筆者が自分の体験を流用してないという前提であれば、この想像力のリアルさはすごい。主観が真に迫っている。窓際のトットちゃん並の主観。
しかし物語の進みが遅い。牛並みに反芻する。最初は感心して読めるのに、一冊終わるまでに陳腐化してしまう。
語順とか句読点とか、色んな人が色んなことを試みているけど、結局きちんとお行儀よく書かれた文体が、一番感動が大きいのではないだろうか。
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7年ぶりの長編。でも文体も反復して底を流れるテーマも、新井素子は変わらないなぁと思う。変わっていくのは自分の方なのかもなぁと思う。誰もが悪人ではないまでも微妙に勝手で視野が狭くて、ラストは切ないというより心がざわざわした。
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不妊治療の末ようやく得た娘の死。気遣う兄、姪。不幸ばかりに遭遇するのに、悲しみに対して強いのは何故?ほんもののおばちゃんなの?
楽しく一気に読めました。ENDINGを読み終わって、そして改めてOPENINGを読み直して、なるほどって。
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あーっ、この本人にしか分からない悲しみはいったい何なんだ!
現実にはないような新たな悲しみを、わざわざ作り出すようなことする、SFって、いったい何なんだと思ったものの・・・。
でも、これってある意味、いつ終わるか分からない人生を大切に生きていこうという、メッセージもきっとあるんだよね。
私はそう信じたい。
『いっそ泣いてくれればよかったのに』
真実を知ることによって、上記の言葉がいかに想定内のことのみでしか考えていないのかということ、プロローグを最後にもう一度読むことで、その印象が大きく変わること、そして、タイトルには二重の思いが潜まれていて、表紙の絵も改めて眺めると、その深みがよく分かる本書でしたが、新井さんの口語体の親しみやすい文体に反した、所々の内容の重さとのアンバランスさが、最後まで気になってしまい、やや、まとまりに欠けたかなといった印象でした。