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もいちどあなたにあいたいな みんなのレビュー

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みんなのレビュー59件

みんなの評価3.1

評価内訳

59 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

この話は『ひとめあなたに…』の続編ではありません。SF的なところはありますが、ミステリとしてきちんとまとまっていて、そのせいかあまり感動ありません。ただ、奥が深そうなので、読み返しができそうなのが嬉しいし、評価も変わる気がします。

2010/09/15 20:15

9人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

先日も、昔買った本を詰め込んだダンボール箱をばらしながら整理していたのですが、新井素子の本も何冊か見つかりました。『あたしの中の……』『いつか猫になる日まで』『グリーン・レクイエム』『扉を開けて』『ひとめあなたに…』『…‥絶句』。結構飛び飛びで、しかも大半が積読。実は、結構長い間、新井の小説を避けていたんです。嫉妬もあったと思います。高校生でデビュー? 冗談じゃないわよ、なんてね・・・

で、再び彼女の小説を手にし始めるようになったのが、この十年。といっても、昔の本を読み出すというのでもなく、思いついたときに新刊を時たま。実は、自分のためにではなく次女のために、なにかいい作品がないかと思い、たまたま手元にあった『ひとめあなたに…』を読ませたところ、予想外に受けました。それからも『チグリスとユーフラテス』『素子の読書アラカルト』『ハッピー・バースディ』とポツポツと娘たちと読んで来ました。

凄く感動した、ということはありませんでしたが、それなりに楽しんできたつもりです。で、今回は『もいちどあなたにあいたいな』。? あれ、どこかで読んだような・・・。そう、『ひとめあなたに…』に何となく似ている。それと本ではないんですが、PINK FLOYD の" I wish you were hear "です。でもbk-1で「もういちど」「あなた」をキーワードに詳細検索かけると、似て非なるものも含め52件、「もいちど」「あなた」なら4件ヒットします。

うーむ、それなりにありふれたタイトルではあります。もしかして、これって『ひとめあなたに…』のリメイク? なんて思ったりしました。私、嫌いなんです、リメイクとか続編とかいうのが。どこか手、抜いているなっていう気がするんです。だから出てもしばらく遠目に眺めていた次第。でも、気にはしてました。だって、ブックデザインがいいんです。

春らしい色合いのいかにも女性作家の作品にふさわしいカバーが素敵です。このまま「楽しい我が家の建て方」とか「昔懐かしい町に住んでみる」とか「地方都市でロハス」なんていう本であってもおかしくはありません。現代らしい明るさと、どこか懐かしい感じのミックス。そしてタイトルの入れ方がしゃれています。背のデザインはどちらかというと新潮社らしくなくて、マークを付けて社名を変えたら晶文社、っていう感じではあります。装画は早川司寿乃、装幀は新潮社装幀室。

で、漸く小説の内容です。HPの言葉を借りれば
               *
いったい何が起きているの? 人格が変容する恐怖。自分がわからなくなってしまう不安……。

なんだか変! あなたは、あたしの知っているあなたじゃないよね?――大好きな和おばさんは、愛娘を亡くして大きなショックを受けているはず、だからあたしが力づけなくちゃ。でも、それにしても。何かがおかしい。澪湖は、その謎を探り始める。失われた記憶と、関係のなかで醸成され増幅される呪詛……著者ならではの、濃密な物語。
               *
となります。目次は

OPENING
澪湖 1
大介 1
陽湖 1
澪湖 2
大介 2
澪湖 3
陽湖 2
澪湖 4
ENDING
    あとがき

となっていて、三人の名前のついた章が各々二つ、それを OPENING と ENDING が挟む綺麗な構造です。澪湖、大介、陽湖の三人は家族です。菅原澪湖は、大介・陽湖夫妻の一人娘で、21歳。大学生です。三年前に、80前後だったおじいちゃんを亡くしています。両親が共稼ぎだったため、初めは祖母、そのあとは叔母・和の手で育てられたといってよく、和になつき、叔母の結婚に反対しました。

大介は、澪湖の父です。実の妹・和のことを誰よりも深く理解し、いつも優しく見守っています。陽湖は、澪湖の母です。結婚後も働いていたため、子育ての多くを祖母、続いて義妹の和にゆだねてしまったため、娘を自分の手で育てられなかった思っています。そのことが、澪湖が和に懐いていることに対する反発に繋がっていきます。血の繋がりの有無が大介と陽湖の和への感情の違いとなって現われるのです。

で、この話の核にいるのが、その和です。結婚して菅原姓から水野姓となった和は、澪湖から“やまとばちゃん”と呼ばれています。父・大介の妹で40近く、やっと生まれた娘・真帆は虚弱児で、生後五ヶ月で死亡しています。悲報にあっても涙を流さないことから『和さんは強い人、きつい人』と周囲から見られています。夫の恭一は、40過ぎの優しく子供好きな人で、菅原夫妻の家から歩いて一分ほどのところに居を構えています。

やっと儲けた娘が亡くなったのに、哀しそうな様子を見せない叔母の様子に不審を覚えた澪湖は、その謎を解こうとするのですが、それを助けるのが澪湖の高校時代の友人というか、当時殆どつき合いがなかったにも関わらず、アニメやSF、特に人の入れ替わりに強くオタクといわれていて、それを思い出した澪湖の呼び出しに応じてくれた木塚靖です。娘の死に動じない“やまとばちゃん”は、はたして本当の叔母なのでしょうか・・・

SF的なところはありますが、全体としてはミステリとして読むのがいい気がします。あまり感動がないのは、推理小説的な展開のせいでしょう。謎自体は人間的なものを含んでいるものの、それを解くということになると、どうしても何故、のほうに興味が向いてしまいます。それと話が暗いです。救いがないというか、かろうじて木塚の存在が息抜きになるものの、でも全体としては暗い。そういう意味で、一読した印象は、面白くありません。

脇役以外に心惹かれる人間が登場しません。自分の思っていた反応を相手がしないから相手がおかしい、と断じる澪湖に共感できないということもあります。以前から新井が描く人間の甘さが好きではない、それは今回も変わりありませんでした。ただし、評を書くために簡単に読み直すと、お、こんなこと書いてある、え、そうだったの、と発見が相次いで、暗い印象は変わらないものの、奥の深さを感じさせるところもあります。そういう意味では再読可能な作品とは言えそうです。

話に出てくる“やまとばちゃん”ですが、24頁に
               *
 ずっと、あたしは、彼女のことを“やまとばちゃん”と呼んでいた。はい、“やまと・おばちゃん”が、子供の口でつまって“やまとばちゃん”になったのね。
 で、あたしは、この呼称が結構好きだ。
 だって、“やまとばちゃん”。
 なんか、“やまばと”に、似てない?
 クックックー、くるっ、くるっ、くるーって、おばちゃんが凄く可愛く鳴いている感じがして、あたし的には、この呼称は、とっても好き。
               *
とあります。“やまばと”のミスプリではありません。気をつけて読まないと、修正がきかなくなります。“やまとばちゃん”をよろしく。

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