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紙の本
趣味の古寺巡礼へいざなう
2010/02/14 21:44
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これも平城京遷都1300年にちなんで出版されたものであろうか。奈良周辺の寺社150ヶ所を実際に歩いて回った際の、記述である。私が寺社巡りに初めて出会ったのは、社会思想社の現代教養文庫『大和古寺巡礼』であった。コンパクトではあるが、寺社ごとに区切られており、寺社のガイドブックといった趣であった。
この『大和古寺巡礼』が昭和37年の出版であったから、それ以後もう47年が経過したことになる。著者の槇野氏は京都についても同じように歩いて回った記録を残している。徒歩で巡る京都と奈良の違いは、京都は寺社の密度が高いということであるという。一方、奈良の場合は寺社が離散して存在しているので、きわめて効率が悪いという。
たしかに、京都に比べて、例えば、吉野と東大寺では奈良とは言っても、かなり離れている。また、有名寺社でも西の京と斑鳩の両方を歩いて行くとなると、徒歩では相当厳しい。もっとも、山の辺の道に沿って点在する寺社を巡る「山の辺の道の寺社を歩く」では、全長11.5キロの行程で、徒歩にはほどよい距離かも知れない。こういうコースも奈良ならではの趣がある。三輪山があるせいか、寺よりは神社が多いのも興味深い。
この種の書籍では写真が重要である。寺社の風景が写真として掲載されていると、いないでは読者に与える印象がだいぶ異なる。その点、本書は写真がふんだんに盛り込まれており、単に寺社の故事来歴の紹介ではなく、実際に行ってみて確かめてみたくなる効果を出している。また、地域地域の地図が良い。地図に書かれている範囲内であるならば徒歩で巡ってもそれほど無理はないであろう。
薬師寺は中学の修学旅行で訪れたが、その際拝観した薬師三尊像は、今の金堂にはなかったのだ。その後、西塔も復興し、東西両塔が揃った。このように最近の薬師寺をめぐる復興事業なども詳しく説明されている。また、本薬師寺、薬師寺、新薬師寺などの関係についても触れられており、多くの人の疑問にも答えている。
ガイドブックは数多く出版されているが、観光目的だけならば他のガイドブックの方が様々な便宜を図っていると思われるが、本書は寺社の創建から今日に至るまでの概要に重点を置いて描いている点で、「趣味の古寺巡礼」にマッチした書籍であるといえるかもしれない。
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