紙の本
エッセイストで画家の玉村豊男氏による火、水、空気、油の四要素からすべての料理の基本を語り尽くしてくれる名著です!
2020/07/20 09:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『パリ旅の雑学ノート』や『ロンドン旅の雑学ノート』、『文明人の生活作法』、『食の地平線』といった作品で有名なエッセイストで画家の玉村豊男氏の初期の作品です。同書では、「英国式ローストビーフとアジの干物の共通点は?」とか、「刺身もタコ酢もサラダである?」など読者を「あっ!」と驚かせてくれる話題が満載です。そして、アルジェリア式羊肉シチューからフランス料理を経て、豚肉のショウガ焼きに通ずる驚くべき調理法の秘密を解明してくれます。火・水・空気・油の四要素から、全ての料理の基本を語り尽くした名著です。同書の内容構成は、「1 料理のレパートリー」、「2 ローストビーフの原理」、「3 てんぷらの分類学」、「4 刺身という名のサラダ」、「5 スープとお粥の関係」、「6 料理の構造―または料理の四面体について」となっています。
紙の本
日々のくらしに役立ちます。
2016/12/07 21:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニシヤン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつの食材・ひとつの料理方法の違いで世界中で同じような料理が世界中で食べられています。ひとつの事柄を別の角度からとらえたとき、異なる結果がうまれたり、違う事柄もところ変われば同じことがらがいくつも存在する。そのことを料理から教えてもらえます。
投稿元:
レビューを見る
世界各国の料理というものを最も原始的な"焼く""煮る"などのレベルにまで簡略化して研究した本。…と書くとなんだかすごそうですが、「刺身もサラダも結果的には生ものを合えただけ」とか「フランス料理もアルジェリアの田舎のシチューもやってることは一緒」という極論はいろいろな料理を作る人には面白いんじゃないかと思います。肩肘張って作るよりおいしいものが食べたい料理好きの方におすすめです。
投稿元:
レビューを見る
「男子厨房学入門」に先立つ、著者オリジナルの料理解体書。
詳細な内容を理解していくのは、少々骨が折れるが、
分析の視座をおおざっぱに理解すれば、料理の楽しさが広がる。
レシピ本ばかりの料理本の中で異色であるけれども
ヘタなレシピ本を多く集めるより、よほど実際の料理に役立つ。
もちろん、読んだだけで料理がうまくなることは決してない。
けれども、末永く料理作りを楽しもうと思う方には必読だと思う。
投稿元:
レビューを見る
いやはや、玉村豊男ときたら。
料理の原理は簡単だ、火/水/油/空気の四つだけ、と言う。アルジェリアの砂漠で鍋ひとつで作る料理と、三ツ星レストランの厨房で丁寧に作られる料理が同じだ、と分析してみせるその筆力、説得力。
見る目がある。原理と適用、理屈と実際、抽象と具体、基礎と応用、根幹と枝葉。その両方を自由自在に行き来して、知っていたハズの事柄の知らなかった一面を見せてくれる。鮮やかに。
書く力がある。そんな風に言われたらトロける、、、言葉の愛撫を受けている気がしてくる。
"煮るというのは、要するに肉を、汁なしではなく、なんらかの容器に汁とともに入れてその汁の中で火の営みを授かる方法である。(p.42-43)"
"彼は料理という途方もなく奥深い宮殿の門前に立っていた(p.125)"
"一億五〇〇〇万キロメートル離れた天火(p.126)" (太陽による天日干しのこと)
念のため。本人も書いているが、原理が簡単なことは料理(調理という作業)が簡単ということではない。でも、そそられる。基本を押さえれば、後の応用は貴方次第なのだ、と著者はささやく。ゴクリ。
投稿元:
レビューを見る
料理を、どんどん分解してプリミティブな部分だけを残すと、どんな料理も「生」「空気」「水」「火」「油」を頂点とした四面体で表すことができる。
男性らしい、発想。科学っぽい視点で分析。
「すっぽん煮」という料理を初めて知った。
「焼き豆腐のすっぽん煮」、「焼きナスのシリア風」は作ってみようと思う。
投稿元:
レビューを見る
各国の料理を貫く共通項を考えるテキスト。ステーキはサラダである、というのは極論だとしても、仮設論考としてとても面白い。
投稿元:
レビューを見る
5/8 読了。
石井好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」を読んで以来、お料理エッセイをよく読むようになった。中でもこの本は料理の基礎、というか料理という概念自体を、具体的な調理法を解説しながら解きほぐす画期的な本である。平易な表現で美味しそうな食べ物の話を読んでいるうちに、「人類にとって料理とは何なのか」がわかった気になれた。おなかすいた!
投稿元:
レビューを見る
料理の一般原理を見つけ出そうとする本。まず、アルジェリア式羊肉のシチューから豚の生姜焼きまでが、本質的に一つの料理であることを紹介していく。その後同様に、ローストビーフとアジの干物、刺身とサラダなど様々な料理を、焼く、炒る、煮るといった工程から共通項を見出していく。そして最終的に火、空気、水、油で書いた四面体で料理の構造が出来上がるという結論に至る。
料理を体型的に考えることで、美味しく作るコツからアレンジ方法まで理解することができる。料理を作りたくなる本。
投稿元:
レビューを見る
草野心平創案のゴマ油粥をやってみよう。生コメとゴマ油と水を、1:1:15の割合で、フタをして二時間。
投稿元:
レビューを見る
「火・水・空気・油」の四要素から、全ての料理の基本を語り尽くした名著とのこと。会社へ持ってくお弁当を作る参考にしよう。
books221
投稿元:
レビューを見る
空気、水、油に火を加えた、4点を頂点とした、四面体を方程式として、世界中の料理と料理方法を読み解く。今から30年も前から玉村さんは、料理を科学してたんだなあ、と感心する。
四面体の発想は、レヴィストロースの料理の三角形という言葉からという。彼の、悲しき熱帯、も読んでみても面白いかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
私の尊敬する玉村豊男さんが30年以上前に出版した、料理の原理原則を理論化した本です。
料理の概念を体系的にとらえたもので、火・水・油・空気の関係性からこの世の料理をすべてを説明してしまうという画期的な内容です。
料理を科学としてとらえるとこも、玉村さんの説明の口調も楽しくて、世界を身近に感じながら、やっぱり料理って楽しい!と思わせてくれる一冊です。そして、何度も再読したい本でした☆
投稿元:
レビューを見る
調理法や火・水・空気・油などの調理の要素によって料理の構造を考察する本。
一見、違う国のまったく別の料理でも調理法を分解していくことで、根幹によく似た構造を見出すことができたりする。様々な例示の果てにそびえる四面体は衝撃的。料理というものを考えるための方法論としては画期的であると思う。
レヴィ=ストロースの影響を受けているが、大学時代に構造主義をかじったことがあるので懐かしくも取りつきやすかった。
投稿元:
レビューを見る
日本人にとって馴染みのない、ちょっと手を出しにくい料理でもそれがその土地の庶民料理だったことを想像し、ユーモラスに語る筆者の想像力には笑わされた。面倒くさくて簡単なものしか作らない人にも料理の楽しさ・魅力が伝わる一冊。