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「せめて、きちんとした不倫妻になろう」というキャッチコピー。「世界の外に出てしまった」後の高揚感。まったく正々堂々とした不倫小説なのだけど、絵本のような美しく丁寧な筆致には、清潔感さえ感じた。そして、登場人物の行動にどこか清々しさを感じていたぶん、ラスト3行に息をのむ。この展開でこの客観性・・・。やはり江國さんは底知れない。
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久しぶりに大人の恋愛モノを手にしてみました。
物語のように語られる淡々とした口調で柔らかに引っ張って行ってくれるので、妙に納得してしまう。やっぱり江国さんはいいなぁとしみじみ・・・
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新刊でてるの知らず本屋でみつけ購入。
なんの悩みもない ぬるい生活を送っていた、夫の所属だった主婦が
どこにでもいそうな つまらない夫の つまらなさにようやく
気づいて、離婚を言い出すまでの話。
相手が外国人だということと、あまりにも非常識な感じの
女性だというところが、いかにも江國ワールドで、なんだか
別世界の人々という感じがした。
どこにでもいそうだけど、なかなかいないと思うし。
二人に子供がいなかったから 簡単に潔い結果になったけれど
子供のいる設定にしてくれたら もっと興味深く読めたと思う。
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ああ江國さんの話だなあという。
ちょい不思議系のオクサマが無邪気に不倫妻になるまで。
やわらかい表現に含まれる毒が好き。
答えのあるものじゃないけれど、世界の外は知らなければ知らないほうがいいのかなと思ったり。
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絵本的にしたかった著者の気持ちを理解してから読まないと、、なんでイチイチ解説付なんだ・・・って思うだろうね。
わざわざ購入してまで読む本ではなかったなぁ~残念。
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何事にも不満のない生活をしている主婦が陥ってしまう不倫の世界。ありそうだなぁって共感しちゃった。告白したときのだんな様の態度がねぇ。
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あまりにもまじめすぎる美弥子さん。
こんな人なら、ちょっといつもと違う自分を見つけてしまったら別の世界にハマルだろうね~。
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会社社長の夫・浩さんと、まるで軍艦のような広い家に暮らす美弥子さんは、家事もしっかりこなし、「自分がきちんとしていると思えることが好き」な主婦。大学の先生でアメリカ人のジョーンズさんは、純粋な美弥子さんに心ひかれ、二人は一緒に近所のフィールドワークに出かけるようになる。時を忘れる楽しいおしゃべり、名残惜しい別れ際に始まり、ふと気がつくとジョーンズさんのことばかり考えている美弥子さんがいた―。
まるで子どものような天真爛漫な美弥子さんの言動に振り回された、浩さんに少し同情してしまいます(苦笑)
「外に出ちゃった」とか「転落」とか、あまりにも軽い言い回しに現実感の無さを感じました。
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江國さんの本はとっても好きで贔屓が入りますが、
これは思わず
わーなんてシュールな終わりー!
てつっこんでしまいました(笑)
でも嫌いじゃないです
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美弥子さんがジョーンズさんと、恋愛の「こちら側」から「あちら側」に移ろっていく様子がたんたんと描かれていて面白く読んだ。
事実は時に人を打ちのめすとわかった時、美弥子さんが「わたしに執着していないのね」といった後の夫の浩さんの対応が可笑しい。
しかし、実に粛々と出会いを重ねるにつれ、愛情が気づかぬうちに増して行っていくというのは、「こちら側」にいたい人には気をつけなければならないことかもしれない。人柄がよく話題にとんだ異性なら当然のことと思うので。
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『性交』ってセックスのことだよね。
ですます調と相まって不倫の物語なのになんか大人の童話みたい。
きちんとした主婦で人妻の美弥子さん。
ジョーンズさんにとって美弥子さんは小鳥のように可愛い人です。
きちんとしなきゃと思いながら『世界の外』へ出ちゃった美弥子さん。
だから美弥子さんは『きちんとした不倫妻になろう』と思います。
美弥子さんのたんたんとした狂気にぞっとする。
ジョーンズさんが手に入れたはずの可愛い小鳥は・・・ラストも残酷。
でもなぜかふわふわした物語でした。
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最近の江國さんの作品は、ほんとうに不倫の話が多いと思う。
でも、ほかの作家が書く不倫とは、全然違うように描かれている所が江國さんらしいと思う。
なんていうか現実感が薄いというか。
同じ40代として、今度は不倫以外の恋愛小説を読みたいと思った。
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江國さんの作品のなかで、装丁と内容がこんなにベストマッチなのは初めてじゃないだろうか。
柔らかいかんじのお話で、するする読んでしまった。
が、最後が恐ろしかった…。
江國さんの作品大好きだけど、一般的な「不倫」な話って好きになれない。
文体はまぎれもなく江國ワールドなのだが、大まかなストーリー構成としてはいままでの江國さんと全然違う。
私が世界の外に出てしまったから(作品の中の意味ではなくて、変わったという点に於いて)そう感じるのか
わからないけれど。
美弥子さんがおかっぱ頭っていうのが想像できない。ボブってことだろうけど。
美弥子さんの作る料理がいちいち美味そうです。こんな奥さん欲しい。
美弥子さんみたいに「世界の外」に出ていかれては、たまらないけれど。
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今までになく、ヒロインが一歩踏み出た感がある。
恋愛ものではないんでしょうね。
主人公の自立とまでは言えないにしても、それに近いようなテーマなのではないかと思えた。それとも自立(結婚)からの逃避なのか・・・
とにかく、世界の外に出てしまった恋愛は、心細くて身を寄せ合うしかなくてとても密度が高くなるのがよくわかる。
桜庭一樹の「私の男」も世界の外に出ている話なんだよね。
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『ジョーンズさんは目を細めました。赤ん坊が好きなわけではなくて、赤ん坊がきちんとケアされているのを見るのが好きなのです。』
そんな風に切りだされたら、ジョーンズさんに一目置かない女性がどれだけいるでしょう。
ややもすれば、美弥子といういう主人公がただの鈍感な女に見え、共感するのがむずかしくなるところですが、美弥子の夫の無神経さと妻への関心の粗さがものすごくよく書けていて、これに対するジョーンズさんの生き方の丁寧さ細やかさもまたよく書けていて、美弥子の心象を追うというより、私(読者)に主人公がついてきて共感してくれるかのような錯覚を覚えます。
さすがに『きちんとした不倫妻になろう』と美弥子が決心するあたりから主人公と自分は別人格だと実感しますが、そんな男が夫でいてジョーンズさんのような人から思われたら、靡くのは木石ならぬ身なら当然と思います。ハイ。