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桐野夏生でこの設定だったら、もっと人間の業とか社会規範の欺瞞とか、そういうものに掘り込んでいけたんじゃないかと思うのだけれども、そういう読後感は残らなかった。
落差がないのかなぁ、、、東京での人格がトウキョウで崩れていく感じがあんまりしない。そういうキャラクタ設定の落差とか集団的な関係性の破綻とかがもっと分かりやすくあったほうがおもしろい話になりそうなんだけれども・・・。そういうのは「安易なエンタメ」になってしまうってことかもしれないなぁ。
“もう一段おもしろいハナシになるだろうなるだろう”と思って読み進めながら結局そのまま終わってしまったっていう感じ。
この夏には映画化されるらしいけど、どういうトーンでいくんだろう。
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面白いが、筆者の力量なら想定内。奇抜な設定以外は、とても素直に書かれた作品。…などと小賢しくも思ってしまったのは、桐野さんの他の作品に、何度も衝撃を受けたから。
OUT、グロテスクなどを読んだときは、当たり前に生きている女でも、ふとしたきっかけで、狂うかもしれない…と、背筋の寒くなるような気持ちになったものです。
しかし、どんどん先を読みたくなる魅力的な小説に、久しぶりに会いました。桐野作品でなければ、物足りないなどと考えたりしなかったです。
ところで、この夏映画化されるそうですね。特別協力がエルメスで、清子も綺麗な女優さん。まあ、原作通り、なんてものはハナから無茶ですけどね。
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次の展開が気になり、特にラストへの期待感から一気に読んでしまった。面白い!欲望がぐちゃぐちゃに絡み合っていく様子って端から見るとなんて楽しいんだろう!と思わずほくそ笑むわたしです。
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さすが桐野さん!な展開の物語。
人ってこんなふうに利己的になってしまうのが本質なのかなぁ。
あと清子の図々しさ、腹黒さ、に脱帽。
このくらいじゃないと生き残っていけないんだろうな。
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第44回谷崎潤一郎賞受賞作。
太平洋に浮かぶ無人島に漂流した一組みの夫婦。その後、同じく漂流してくる若い日本人たち、中国人たち。
絶海の孤島に1人の中年女性と31人の男性たち。
いつまでたっても救助は訪れず、日本人たちは「トウキョウ島」と呼び、望郷の思いと生きるための奪い合いを始める。
実在の事件をモチーフに、無人島で生に執着する人のどん欲さ、強烈な生き方が描かれているのだが、正直な所、肌に合わなかった。
登場人物に同調できる者がほとんどおらず、章ごとに視点が変わるのでさらにストーリーにのめり込めない。
ラストまでカタルシスがなく、結局「何を見せたい」のかはっきりと伝わってこなかった。うーん、残念。
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人の(特に女性の)強さ、脆さ、身勝手さ、いろんなモノが詰まってて〜続きが気になりながらドキドキしながら読めて面白かった!
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面白かったー、一気読みです。島で繰り広げられる人間模様の中で、それぞれの人間がが抱く複雑な心境や、心の動きをズバリと的確に表現できる力量がすごいなあ、と思いました。
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テンポが良くてすぐ読み終えられてよかった。よくある設定だけどポップな感じでいいと思う。ヤンさんいい根性。
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中年女性を、主人公にしてくれてありがとう!キヨコ役なら大竹しのぶさんがいいな・・と思っていたのに、違いましたね。
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解説通りの感想。最後の章にビックリ。
そうくるんだぁ、女ってやっぱり強いわぁ…
途中まできよこをどうしてもせいこと読んでしまい、なんだか入り込めませんでした。
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漂着した無人島に女一人。他の三十一人が私を巡って争う。
なんてパラダイスな設定!!
と、思わず手に取った作品。
さすが桐野夏生。私の甘い妄想なんか吹き飛ばしてくれました。
陰鬱な駆け引き、ドロドロした心情、誰よりも自分が大事で誰より自分が助かりたいそれぞれの思惑。
人間の醜さがこれでもかと書かれていました。
最後まで誰が生き残り、どう行動するのが自分にとってベストなのか。なかなか先が見えてこず、最後まで一気に読みました。
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人間って怖いデス。
女はもっと怖く
オバさんは更に怖いデス。
全体をとおしてエグいお話だったんで
エンディングはなんとなくとってつけた感があるほどデスが
そう感じさせることこそが清子さんの怖さなのかも と。
読後感は決して良くないけど
私もオバさんでよかった と思えたりもしまシタ。
おねぃさんやオヤヂじゃ
いざとなったときオバさんに勝てなさそうだもん。
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無人島に取り残された何十人の男と1人の女。その女をめぐり、男同士殺しあったり、女を奉ったりとする実在の話を元に作られたストーリー。
フィクションだと思って読んでたけど、読み終わった後に実はアナタハン島での話を再現したノンフィクションと聞いて驚いた。その事実を知った後本を思い返すと、人間ってドス黒い。利己的って言えばいいのかな。
あと、何かに秩序を求めて島を「シブヤ」「チョウフ」とか命名したりする。これってなんか可笑しな気もするけど、無人島という環境でも心を保つために何にでも意味づけがしたくなるんだろうなぁと思う。
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桐野さんの作品は何冊か読んだことがありますが、
グロテスクで何とも不思議な世界を描いた作品が多いです。
この作品も独特な世界観がありました。
このタイトルでもある東京島。
この島の名前もユニークですが島の中でも
漂着した仲間達が名付けた地名もユニークです。
島の中でたった一人の女性だけの清子は、ここでは男性よりも勇ましい女性でとても女性とは思えない行動をしたりするので驚きます。
無人島にいたら勇ましくなっていくのも分かる気がします。
けれど男性だけの中にいるとやはり男性の欲は抑えられないので、
それに逆らわない清子の姿は動物のようにも思えてしまい
人間は環境が変わると人が変わってしまうのだなと思いました。
そんな過酷な島の生活の中で清子は新しい命を宿します。
どんなに不安だったことでしょう。
本文中にもありますが、無人島にいながら、新しい命を産むことが、
生物としての強さを確認させるのだろうか。
たった一人の女性だから、もしかしたら島に居ることで
自然に身体が生まれ変わり生物学的にも自然に子孫を残すというのが
働いたのかと思えました。
でも清子としては本当の気持ちは複雑な経緯があるので
生命の誕生に心から喜んではいられなかったと思いますが。
無人島ということで人間のエゴやいやらしさなどが如実に表現されています。
そして女性は実に強いということが分かります。
もし自分がこんな状況になったらこんなに勇ましく強く
生きていけるのかと思ってしまいました。
とても不思議な作品で今までには読んだ事のない世界観で
ひとことでは表せない作品でした。
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東京島と名付けられた無人島に流れ着いた人々。
ただ一人の女である清子は、女王のようにあがめられる。
最後がすごく良かった。あ~そうくるかぁ!という感じ。
女は強し