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通常、一冊読み終わるのに最長でも半日という私の記録を抜いてくれました。この本を読み終わるのにかかった時間はなんと、一ヶ月でした。
著者が読んできた本の解説、というよりは感想…?とかそんな感じでしたね
「私はこう思ってるけど、角田さんはこう思ったのか!」など、新しい発見がありました。
言い回しなど、私には多少難しくちょっとずつしか読み進められませんでしたが、数年後にもう一度読んでみたらきっと何かが違って見れるだろう、と思えました。
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角田光代さんの14年間の、
感想文・書評・ブックレビューの集大成。
こんなふうに読んでもらえた本は幸せだよねぇ、と思えるくらい深くて広くて温かい。
時間をかけてじっくり読んだ。
読みたい本がたくさん増えた。
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感想を読んで導かれたいとか思うと少し肩透かしをくらうのだけど、わたしたちにある物語は経過によって経験によっていかようにも変容していくことをしっかりと受け入れ、物語は素晴らしいんだ、どんな作品もそれぞれの良さがあると思って読み続けている角田さんにとても共感した。
わたしたちにある物語は素晴らしい。
追えども追えども追いつくことが出来ない。
颯爽と先を行く。
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著者の言葉を借りれば、これは書評集ではなく感想文を集めたものとのことだが、本や読書にまつわるあれこれを綴り、各種メディアに発表したものを集めたエッセイ集だ。巻末資料としてまとめられている著者一覧を見るだけでも、著者の趣味や読書傾向がうかがえて興味深い。 本好きな人は他人の本棚をのぞきたがるというけれど、電車の車内で隣の人がどんな本を読んでいるのか気になってしようがない私もその部類に入るのだろうか? 発表年代順にまとめられたこのエッセイ集を読みながら、角田さんの読書遍歴の一端を垣間見て、ふむふむと満足してしまうのもそのせいかもしれない。私が未読の作家もたくさん取り上げられており、どれも自分が気に入って読んだ本だと著者が語っているので、またまた新しい読書待機リストが出来そうで嬉しい。
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本との出会いを『交際履歴』と評する序章でこの本を手にとってよかったと思った。未読であった作家の本との出会いのきっかけをもらえる。余談だけど、既読の本の感想が書かれているとちょっと嬉しくなる。
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角田さんの書評は、自分で「感想文」とおっしゃるだけあって、ものすごく読みやすくおもしろいです。正直言って、紹介されている本は、タイトルと作家を見ただけでは手に取らないだろうな、という本がほとんどだったのですが、読後、興味をそそられた本が何冊もありました。
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やっぱり私は角田光代好きだなあとしみじみ感じたのが、このブックレビュー本。
この類のレビュー本は数多くあるが、それを読んだだけで何となく原本を読んだような気になってしまうものも多いような・・・。
だけど、角田さんの本は、読みながら今すぐにでも原本を手に取って、確かめたくなる、本の世界を感じたくなる衝動に何度も駆られた。
例えば、安岡章太郎『カーライルの家』では、“『カーライルの家』にはまったく不思議な心地よさがある。読んでいて気持ちのよくなる文章、というのはめずらしい。透明に澄んでいて、雑味やとんがったにおいがない、のどが渇いたときの水のようにするすると体に入る。”とある。「気持ちのよくなる文章」が「水のようにするすると体に入る」本なんて、是非読んでみたいじゃないか。
もう一つ、テス・ギャラガー『ふくろう女の美容室』は“いい短編小説というのは、私にとって、最後の一文を読み終えたあと、ぱあっといきなり未知の世界が開けるような小説だ。言い換えればそれは深い余韻ということになる。”そうだ。そして“この短編集にはあきらかにそういう種類の小説ばかりが詰まっている”と書かれちゃあ、その深い余韻とやらを感じてみたいと思うもの。
本人いわく、この本は「感想文集」なのだそうだが、角田さんの「本」に対する愛情が伝わってくる。
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とてもいい書評集。
角田さんのことがますます好きになった。
書評を読んでその本を読みたくなったらすぐに手に取って物語の世界に入り込む、読み終わったらこの本に戻ってまた次の物語に‥と交互に読んでいくのが一番いい読み方かもしれない。
この本を読んでいると物語が読みたくて仕方なくなって、だんだん書評を読む心持ちじゃなくなってしまう。
こんなに強烈に読書欲(と言っても間違いではない強い欲求)をかきたてる本は初めてかもしれない。
面白いのに(面白いからこそ)、最後まで集中力が続かなくなると感じた本も初めて。
読みたい本が無くなったらまた読もう。
…まぁ、当分無理だけど。
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もったいないのでちびちび読んでましたが、とうとう読み終わってしまいました。古書店カフェに集うミステリー好きの常連たちとマスターのゆったりとした時間が心地よいです。日常に潜むちょっとした謎解き、ミステリーの薀蓄、そして乾くるみさんらしい最後には仕掛けがちゃんとあって、大好きな本になりました。
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角田さんの小説は2冊しか読んだことないけどなんとなく手にとってしまった書評。(ご本人は感想文とおっしゃてるけど)
角田さんの小説を読んでうわーうまいなーと感じる部分が短いスパンにたくさん詰まっててすごく贅沢なものを読んでいる気分を味わえた。
現代文学中心です。
最近読んだ狐の書評では自分が読んだことある本が1冊も入ってなかったけどこの書評は3分の1ちょっとは読んだことある本たちでした。
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私は決して書き手にはなれず、永遠に読み手であるばかりだ。
しかし私の敬愛する角田さんは、書き手であると同時に読み手でもある。
しかも書き手としてのおごりなど微塵も見せることなく、純粋に本を愛する読み手として彼女いわく“感想文”をつづる。
彼女が読書家であり続けているということは有名な話ではあるが、この本を読んで改めて彼女の幼いころから変わることのない読書に対しての貪欲な思いを知ることができた。
私は常日頃からこの世界には膨大な数の読むべき本がある現実に途方に暮れるばかりの思いを抱いているが、彼女も同じ思いを持っているとは一ファンとしてなんとも嬉しいこと。
ただ一つ厄介なのは、彼女が“面白い”と思ったこの感想文を読むことによって、私のウェイティング・リストがさらにさらに長く長くなってしまったことである。
ああ、時間が全く足りない!
また、この本を読んでもう一つの思いを抱いた。
この本はほとんどが現代小説の書評が中心であるが、太宰や川端と言ったいわゆる文豪についての書評も含まれている。
そういえば角田さんは初期のころは純文学を書いており、自分の文体にこだわっていた。それが30代頃からあえて個性のない文章を書くようになったと言っていたはず。
確かに最近はエンタメ系に比重を置いてきているし、それによって彼女の作家としての地位が確固たるものになった。
しかし、彼女の文豪たちの作品への深い理解と尊敬の念を知ってしまうと、ああ、もっともっと角田さんがこだわってこだわりぬいた個性の塊のような文体で彼女の作品を読んでみたいななどと思ってしまう。
これはぜいたくな望みだろうか・・・。
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角田さんは本当に本が好きなんだなあ、と嬉しくなってしまう一冊
読みたくなる本にいっぱい出会いました
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後書きで作者が書いているように、この本は書評集ではなく、感想文だから私にとって面白く読めたのだと思う。
しかも著者は角田光代さんとくれば、選書にも信頼性が俄然出てくる。
既読の本もけっこうあったけど、ここに紹介されている本はぜひ制覇して、角田さんの感想と比べっこしてみたい。2013/5/27
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「こういうことを書くのは本当は恥ずかしいのだけれど、でも、書く」とワザワザ書かなくてもいいような事を、あとがき冒頭に書いてしまう角田光代って正直な人なんだろうなって思う。TVのインタビューなんか見ていても、ふんわりした語り口で、素直で誠実そうな可愛らしい中年女性という感じで、あまりにも「いい人」感出まくりで、こういうのって作家としてはどうなんだろ?と余計な心配をしたくなる。
商業書評って基本的に褒めなきゃいけないから、「文才のあるいい人」な彼女にとっては天職なのかもしれない。でも、随所に唸らされる表現を見つけると、ああやっぱり作家の言葉遣いは違うし、単なるいい人じゃないのかもなってちょっと安心?というか納得する。
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さすがにプロの作家です。読書感想文はかくのごとくあるべしという感じです。紹介されている本がすべて魅力的に思えてくる。読書力の違いを如実に感じさせられました。深いです。