紙の本
アメ横@DEEP
2010/07/28 11:58
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
一言で言えば「アメ横ガーディアン」の物語である。東京は上野駅前、昭和通りを挟んだ丸井の裏から始まる雑然とした街「アメヤ横丁」。その街を拠点として暮らす二十代の四人の青年が、アメ横の街を少しでも綺麗にしようとそれぞれの仕事が終った後、夜の街をガーディアンとしてパトロールしていく物語である。基本は自転車を片付けたり、ゴミを拾ったりと言う地味な活動であるが、そこはそれアメ横の街である。中には一筋縄では行かない娼婦やヤクザ者も絡んできて・・・と物語は加速していくのだ。
「アメ横」の略称で親しまれた活気溢れる商店街は、年末年始の買出しのテレビ中継などで誰しも一度は見たことがあると思う。その様子だけ見ていれば「生鮮食品が安く買える元気な街」くらいのイメージを持たれるかもしれないが、実はアメ横は、ディープである。石田氏の人気作品に「アキハバラ@DEEP」があり、秋葉原という街の裏の顔を描いていたが。ディープさで言ったらアメ横は秋葉原の数十倍もディープだと思う。もう二十年近く秋葉原とアメ横の中間の街に通い続ける私が言うのだから、多少は説得力もあるだろう。秋葉原は時の流れと共にその姿を変えてきた。オーディオの街から家電の町へ、そしてパソコンの街からゲームの街、今ではオタク?萌え?の町へと変遷し、その過程において深みを増してきたと言えるだろう。
しかしアメ横は、いつの時代も変わらずアメ横なのだ。一言で表してしまえばカオス、じゃなかろうか。表の顔は活気溢れる商店街。だけどもっと興味深いのは、アメ横センター街や高架下の中。ここは一体日本なのだろうか?と疑いたくなるほど国籍不明の店と商品が並んでいるのである。秋葉原は、場合によっては洗練されたIT革命拠点のイメージもあったりするが、アメ横はベタに人間臭くディープなのだ。だからこそ変わった人間も店も多いし、物語も深くなる。
本作品は8つの短編からなり、もちろん主要登場人物は変わらないのだが。それぞれの物語が、独立した物に感じる。廃棄された家電を集める老婆の話しや経営する風俗店にいたづらをされてその報復を目論むヤクザの話し、突如姿を消した真夜中のダンサーの話など。それぞれがしっかりとしたプロットを持ち完結していて読み応えがあるが、物語同士の繋がりは薄い。ところが最後の「アメ横ランナバウト」で見事に一つの作品として昇華した感。この作品で全作品分、まとめてぐっときた。こういう構成は非常に好み。最後にスッキリ!と読み終わる事が出来た。
紙の本
IWGPの次にこれ
2020/10/12 14:37
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投稿者:gunners - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋ウエストゲートパークシリーズを読んで石田衣良さんの作品を読もうと思えばこれがおすすめです。IWGPほど熱い事件は起きませんがアメ横ガーディアンとして自転車を片付ける夜回りをしてる若者たちに事件が起こります
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プロローグでの話が中途半端なまま、話が先に進んでしまって
ちょっと戸惑ったけど、最後にはちゃんと完結。
特に派手な事件があったり、主人公たちが動きまわるわけでもない
言ってみれば地味目の話ですが、やさしい感じ。も少し4人の成長が
みてみたいです。四話目に出てきたハルミとハヤテのその後も気になりました。
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石田衣良の青春小説!って感じでした。
嫌な感覚は持たずに読めたけど内容は濃くはないです。IWGPがある分印象、内容ともに「ふつう」。
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上野を舞台に人の温かさが分かる一冊。
アポロを中心にストリートネームで呼び合う4人の26歳が、夜の上野で一風変わった暮らしをする人たちの悩み解決に巻き込まれるというストーリー。問題の解決方法からは人の温かさが感じられ、下町の良さや人とのつながりの大切さを再認識できる。
26歳なのに18歳のような青春ぶりが、ちょっと羨ましい。
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う〜ん。
街を題材にした作品だったので、どうしてもIWGPを想像してしまって…
いい話なんだけど、疾走感、文章の切れ味からすると、物足りなかった。
なので、辛口の★2つ
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久しぶりの石田衣良。テレビドラマ的な感じも登場人物のキャラが立ってていい感じ。
準レギュラー的な人達の登場頻度をもっと多くして欲しい。
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フォーティーンが大好きなので期待して読みました。
読み終わった感想は、うーん、綺麗に纏まっているというか、ちょっと物足りない感じ。
登場人物のキャラは魅力的で、どの編も面白く読めるのですが、本来ならもっと面白くなるのではという期待感が強すぎたのか。
道徳の教科書を読んでいるような気分になりました。
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初めて読んだ石田衣良作品。読んでいてイライラしてしまうキャラクタがいたのでこれ以上は無理だと思って途中放棄。私には合わないかも…
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息子を殺された親と知り合ったことがきっかけで
アメ横でガーディアン活動を始めた男たちの物語。
自転車整理、酔っぱらいの解放、ゴミ拾い、周囲への挨拶。
地味ながらもそういった活動を続けつつ、
流れでいくつかの事件・相談事の解決のために
奔走することになっていく。
ちょっとうまくいきすぎな感じもするけど、
全体的には面白かったかな。
ただ、どうも登場人物のキャラが薄っぺらくて感じられたせいか、
あんまり共感できなかった。リアリティがない。
その辺は石田さんの本では良し悪しがはっきりしちゃうなー。
同じ人の書いたものなのに不思議。
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池袋の次は、上野?
っと思ったけど、ちょっと方向性が違ってました。
今回は、自警団のチーム戦。
しかも荒事は、原則無し(そもそも苦手)で、人情系。
池袋のほうが、突っ走ってる感があって好み。
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青春小説の王堂を行く様な石田衣良らしさの詰まった小説。
街の描写が良く、読みながらアメ横の街並みが思い描ける。
もう少しガーディアンの生活や日常生活、恋の話し、れいかの心の中も読みたかったかな〜
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印象的にはIWGPのアメ横版。でもあくまでボランティアの一般人というスタイルを貫き通す感じ。なので、そこまで色々な事情に深く首を突っ込んだりすると言うことはないですが、皆キャラが立っていたので普通に面白かったです。しかし、アポロの滲み出る得体の知れなさは何なんだろう。特別凄いことをしてる訳でもない気がするのに、何となく「こいつ不思議」みたいな印象がぬぐえません。この感覚は微妙に伊坂作品に登場する泥棒・黒沢を見てる時の感覚に近いかもしれない。で、結末でちょっとしんみりしました。
とりあえずおじいさんはあの面子と知り合えただけでもちょっとした救いになってるといいなーと戯言。
後、明らかにこれはミステリーではないと思う。
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良くも悪くも、楽しくさっと読んで後にそれほど残らない娯楽作品の王道。
IWGPの焼き直し感は否めないが、それはそれで良いのかも。
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ストーリーは面白かった。キャラもしっかり立ってて容易に想像できるから楽しく読めました!ただ文章がやっぱ弱く感じたかなあ・・・このストーリーならもっと面白くできるだろう!と思ってしまいます。