紙の本
速やかな改訂を強く望む
2010/09/20 23:26
24人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:障害児の父 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私のような、障害児を持つ親にとって、この本のタイトルは助けを与えてくれるように映る。しかし、この本を読んで心に残るのは、不安と苛立ちだけである。私と同じような境遇をもつ親たちの気持ちを思うと、ここに厳しい評価とせざるを得ないが、記さずにはいられない。
著者は「神田橋條治ほか」としているが、この本は花風社の代表取締役社長である浅見淳子氏が司会・進行を務めた座談会を収録した内容であり、神田橋條治氏の著作という意味合いは希薄であろう。奥付には座談会の面々が著者として名を連ねている。彼らが活字化された文章に校正を加えている様子は無い。
座談会の話し言葉を、そのまま出版した花風社の行動は安易であると言わざるを得ない。座談会の司会・進行を、出版社社長が務めているのだから、なおさら浅見氏の責任は重い。
私はこの本に、少なくとも下記の不具合を感じている。それゆえ、この本は読み手を無視している様にしか映らないのである。内容の正誤を問いただしているのではない。読み手の立場に立った記述に、速やかに改訂されるべきである。
<この本の不具合>
・座談会の内容を、話者の対話形式で記してあるが、録音した内容をそのまま活字に置き換えたとも思える内容である。話し言葉のままであるがゆえ、主語が明確でない等の、文法として成立していない文章が混在し、正確な意味が読み取れない。このような分野の書籍で、内容が正しく伝わらないというのは重大な欠陥であり、危険である。
・重要な内容と思われる展開があっても、雑談の中にかき消されて終わるような場面が多く、具体的な展開が不明瞭で結論が伝わってこない。
・意味が不明瞭であったり、正確性に欠ける文章を推測しようとしても、前後の会話が省略されているためか、理解できない部分が多い。
・専門用語や、聴き慣れない言葉が数多く、しかも突然出てくるが、これらについて編者の補足が全く無い。誤解を与えそうな内容であっても、話し言葉をそのまま活字にしており、また、補足を加えるような配慮も無い。
・薬物の名称も頻繁に登場するが、これらに対する編者の補足説明が無い。
・座談会の当事者については簡単なプロフィールが記載されているが、それ以外の会話の中で登場する人物については、説明が無いか希薄である。例えば、ニキ・リンコ氏とか、大地君、ちゅん平さん、等の人々についてである。読み進んでなんとなくこういう人たちなのだろうかという、漠然とした認識しか持てない。
<出版社に対して>
巻末に「発達障害者養生のバイブル」と記した文章があるが、それほどの意気込みがあるのなら、もっと真面目に本を作っていただきたい。著者等は読み手である我々に何を伝えたいのだろうか。
本の中で浅見氏は、この本は売れると述べている。すばらしい対談内容であったとしても、稚拙な文章展開しかできないのならば価値は無く、売れようはずは無い。
メディアとしての能力と良心を疑うものである。
紙の本
発達障害?
2018/07/24 01:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本のタイトルだと、発達障害は治るものだと思っちゃうんじゃないでしょうか。当事者だけでなく、周囲の人にも期待させるようで残念。
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■浅見「発達障害は治りますか?」神田橋「発達障害者は発達します」す、すごすぎる。■
治りますか?って障害なんだから(病気じゃないから)治るわけないじゃん、トンデモ本か?と思ったら上記のような話でした。すごい人がすごい事言うとやっぱりすごいね。
精神論まったく無し、理屈抜き(ホントはあり)TipsとHacksでどんどん改善しよう、てな感じ。全体論から個々の事象まで、まあ何でも考えてるもんだなと思ったら、センセは「治療大好き」「治療マニア」なんだそう。なるほど。
対談でなく書き下ろしを読んでみようと思った方はこちらをどうぞ。
・精神科養生のコツ 改訂 9784753309047
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判断の難しい本でした。
神田橋さんのコメントの半分くらい(小脳が苦しいとか、常人には解釈不可能な部分以外)と、岩永さんのコメントのほとんどは参考になる視点かもしれません。
神田橋先生以外のみなさんの「談話標識」を削って、進行役が黒子に徹して、いわゆる「神田橋処方」の岩永さん的な解釈があれば、支援者向けの書籍として、ありかな?
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とにかく刺激的な本。
賛否両論あるとは思いますが,一読の価値はあるはず!
少し時間を空けて再読したいです。
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この花風社のシリーズの前に出てきた「ちゅん平さん」がまったくキャラクターが変わって(イラストの顔も変わる)出てくるのにびっくり。人は変われるものです。
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発達障害者は発達すると言うのが神田橋先生の答え。この他にもうなづける事多々ある。とは言え、見ただけでなにをすべきかが判るのは、先生だけではないのだろうか。使える所は積極的に応用させていただきます。凡人は小石を一つずつ積んで誰でも登れる石段を作るしかないのだな。
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まぁ面白かったかな。
どんなこどもでも、「発達」するってステキ。
それに、どんなこどもでも、「成長」するようプログラムされている。
しかし、おとなって、つまらんね。
おとなは、長く生きることで、「そーだったんだ」を増やすしかない。
GABAの効能を知り、走って、チョコと発芽玄米買ったりして。
ビール酵母「エビオス」も、飲みはじめたり。なんでもやっちゃう。
エビオス、なつかしい。猫のドライフードにニオイがにてるよ。
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神田橋氏曰く「私もあなたも発達障害」だそうです。
「個性と捉える」とは少し違いますが「障害と捉えるか能力と捉えるか、能力ならば使えばいいんだ」だそうです。
発達障害の知識を得る事もさることながら、天才とも評される神田橋先生の臨床を覗ける本のも本書の魅力です。
「夢ですよね。未来は。未来を思い描くことによって人は頑張れるし、耐えることもできるんです」「それを治療者はせんねぇ。なぜせんのだろう。僕はね、治療が大好きなんですよ。目の前で苦しんでいる患者さんをなんとかラクにしてあげたいという気持ちでやっているの。医者の仕事はそれでしょう」
こんなお話から始まって、目からウロコの治療論のオンパレード。
はっきり言って、読まなきゃソンです。
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「発達障害者は発達します」。
発達障害について学んでいても具体的イメージがわかなかったのですが、この言葉で特別支援教育の意義に改めて気づき、納得しました。
本書は、著名な精神科医を筆頭に、作業療法士、臨床心理士、発達障害の診断を受けその後健康に活動している人のグループ対談形式で、非常に読みやすいです。時々専門用語が出てきますが、発達障害や精神障害について少しでもかじったことのある人であればほとんど理解できると思います。
発達障害に関してだけでなく、人の発達そのものや医療、教育の在り方についての見方が変わってくるのではないでしょうか。
教員志望の人、現在教員の人には必読の書だと思います。
【福岡教育大学】ペンネーム: 粉もん研究会会員
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目の前の人を少しでもよくすること。
そのために役立つことならなんでもすればいい。
こういう純粋な利他の精神が第一なのでしょう。
そして脳の状態が見えるようになりたい。
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発達障害は発達するという本。
神田橋先生と臨床心理士、作業療法士、当事者らの対談形式。
神田橋先生は目利きで、さまざまな治療法を試みる名医である。
けれど、ロジックもエビデンスも書かれていないわけで、名医に対して盲目的になりすぎた一冊ではないでしょうか。
2013.6.30
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神田橋節炸裂ですが、それよりなにより、発達障害を生き抜こうとするご本人の言葉が語る生き方に、多くのことを学ばせていただける。医者もカウンセラーも困った時にはそばにいないから役に立たないって神田橋先生と一緒に笑っているのが、本当にそうだなーって感じて、改めて自分の仕事を考えさせられる。これも、私の治療場面でお勧めしている一冊。
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発達障害や精神疾患についての神田橋先生のご説明がとてもわかりやすく、もっともっとお話を伺いたい!と思えてくる内容でした。
「治療とは何か」のイメージが、読み進めるにつれて形作られていくような感覚がありました。
作業療法士さんのお仕事についてももっと知りたくなりました。いろんなことがわかってくると、治療や養生は楽しくなってくるのだろうなと想像しました。
もっともっと学ばなくては、と思いました。
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発達障害の人もその人なりのスピードで発達をするという表現にとても救われた。診断基準は必要だけど、基準にあてはめて診断を下すのではなく、症状をくみ取ってその人にとってその診断名が有効であるときに病名をつけるという発想にはとても驚いた。全般的に、当事者のひとがいかに成長したり発達したり適応したりして生きやすくしていくかという一貫した姿勢がみられて好感をもてた。
ただ、読みにくかった点といては、本書は複数名の対談形式で書かれていますが、本の扉にでもそれぞれの人物がどういう立場で何をしている人を書いてくれないと何がなんだかわからなくて混乱しました。また、ニキ・リンコさんなど発達障害について知識があるひとにとっては有名人なのかもしれませんが、まったく門外漢のひとにとっては知らない人なので脚注など説明がほしいと思いました。