紙の本
ボーナス・トラックというタイトルに納得
2022/07/26 09:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひき逃げ事件から始まるので、怖い幽霊の話かなあと思い読み進めると、全くそんな事はなく、とても楽しく少し切なく…ミステリーというより青春ファンタジーな感じでした。
登場人物の、人間臭さや日常的な絡みもとても良かったです。そして、迷える霊を成仏させる行動には、温かいものを感じました。読後感がとても良かったです。
自分は洋楽が好きなので、AC/DCというバンド名が出てきて、作者に勝手に親近感を覚えました。
電子書籍
読後感が最高!
2021/03/26 13:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
成仏出来ない幽霊と彼の姿が見える若者たちとの交流を描いた青春ファンタジー。骨格自体はよくあるストーリーですが、登場人物たちがみんないい。人間臭くて、実直で、ユーモアもあって、なんだかんだ暖かい。犯人探しの興味があるだけでなく、他の幽霊の話やバイトのことなど関連エピソードもどれも面白いです。このパターンのストーリーの良いところが全部詰め込まれている感じ。とても読後感が良かったです。
紙の本
こりゃあ最高です。みなさんの書評が増えている理由が分かります。
2018/11/07 22:55
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞受賞作。
他に受賞歴はないので、初見にデビュー作を選択した。
いやあ、笑った。感動した。通読して、ほんわかした。
他作の書評で感じていた通りの印象だ。
ニコニコしながら読める、三枚目小説である。
創元推理文庫だが、ミステリー要素はほとんどない。
キャラクター重視の漫才みたいな軽やかさが魅力の物語だ。
表紙をめくった一枚目にある、まとめ文から引用する。
「・・・草野哲也は、雨降る深夜の帰り道、轢き逃げ事故を
目撃する。(中略)死んだ青年の姿が見えるなんて、
かなりの重症だ・・・。轢き逃げ犯捜しの顛末を、主人公・草野と
幽霊のふたつの視点から瑞々しい筆致で描いた著者デビュー作」
きれいにまとまった文章だけど、いまいち伝えきれていない感じだ。
草野はハンバーガーショップの社員で、バイトを統括しながら
店を切り盛りしている。
合計三人の社員が、ローテーションを組んで店を回している。
草野はまだ経験が浅く、深残業やサービス残業で乗り切りながら、
業務をこなす真面目人間だ。ちょっぴり気が弱く、スマートではない。
そこに、轢き逃げ事件の発生と、幽霊との出会いを通し、
変な展開に巻き込まれていく。
何といっても、人物造形がいい。
幽霊が車に轢かれた理由も、アホ丸出しである。
もしお店に寄った帰りだったら、などと考えて吹き出しそうになる
(何のお店かは本文でお楽しみ下さい)。
疲れ切った草野は、人間らしく余裕を取り戻していくし、
幽霊は能天気全開から草野に影響されて律義さを
持つようになる。この混ざり具合がなんとも心地よい。
表面的には文学的な感じはしないのに、こういった人間模様が
丁寧に描かれているからこそ、ページをどんどんめくってしまうのだろう。
早速、二冊積読にした。余談だが、表紙がやぼったい。
こんなところまで三枚目をかまさなくていいというのに。
投稿元:
レビューを見る
【草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。雨にさらされ、濡れた服のまま警察からの事情聴取を受けた草野は、風邪をひき熱まで出てきた。事故で死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ…。幽霊との凸凹コンビで、ひき逃げ犯を追う主人公の姿を、ユーモアたっぷりの筆致で描く、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の著者デビュー作。 】
投稿元:
レビューを見る
青春系の作家さんとして注目されつつありますね。
未読だったデビュー作。日本ファンタジーノベル大賞
の優秀賞受賞作なんですね。それに恥じないほっこり
する秀作です。幽霊の登場する「相棒」ものですが
登場人物がどこにでもいそうなのに、それぞれの性根の
良さが厭味なく書けているのが好感度高し。
幽霊の登場する作品はもうその時点で非日常で
やり方によってはなんでもありになってしまいますが
その程良い、許容範囲の設定が難しそうです。今作は
割と自然にその設定を作れたのが功を奏しているんでしょう。
ミステリ要素は極薄味ですがそれが逆にこの作家さんの
いいところなのかもしれません。
投稿元:
レビューを見る
幽霊が見える・・・郊外のハンバーガーショップに勤務するサラリーマンが幽霊とバイトと共に犯人探しへ(ひき逃げ)、
ぱっとこれだけ聞くとハチャメチャなストーリーです、、中身もハチャメチャでした。
でも、キャラクターや人間関係、仲間内の会話などはとても惹きつけられました。
投稿元:
レビューを見る
本が手元にないので、引用なし。
この作者さん、私結構好きかも。
というのが読後感想。
好み、の作品でありました。
ファンタジーチックで、優しくて、暖かくて、でも、厳しさも兼ね備えている。
そういう、物語でした。良かったです。
実は、最初は、違う人が犯人だと思っていたんだよなー。
だって、いかにも怪しくって。
でも違っていた。
ミステリとしては、少々、役不足なのかもしれないけれど、人と人とのかかわりという点では大満足な1作。
中高生ぐらいが読んでも面白いと思う。
【9/19読了・初読・個人蔵書】
投稿元:
レビューを見る
アップテンポで読める作品。
幽霊と人間のやりとりが面白い。
でも、泣かされましたー涙腺弱いのかな。
読みやすいんで、楽しく小説読みたい方におすすめします。
投稿元:
レビューを見る
心に残る衝撃とかはないけど爽やかな読後感。
出てくる人がいい、やさしい。
主人公と幽霊青年がだんだん仲良くなるのがいい。
最初は仕事一辺倒だった主人公が、幽霊と一緒にプロレスのゲームしたり、仕事の姿勢を指摘されて成長したり。。。
幽霊青年の口調も軽くて、ひき逃げされた重さを感じさせないのが読みやすい。
あと、sスタッフの南が最後にキレたところは、幽霊青年にだいぶ肩入れしてたことを感じさせて良かった。青春ぽい。
あんだけ仲良くなったのに、主人公と幽霊青年との別れも驚くほど爽やかだった。
若干、いろいろ爽やかすぎて、何か残るものがなかったとも言えるけど。
投稿元:
レビューを見る
某ハンバーガーチェーン(絶対マック!)に勤める主人公、草野哲也。
仕事の帰り道でひき逃げ事故に遭遇し、偶然にも、ひき逃げされた被害者、横井良太が幽霊となって彼にまとわり付く。
そして、草野哲也の仕事仲間と幽霊の横井良太が一緒になって、ひき逃げ犯を見つける、という話。
幽霊なのに、何だか憎めない横井良太。
ひき逃げされた時、実はAVを借りに行く途中だったという、なんともかわいそうな大学生。
そんな、突然死んでしまった彼に待ち受けていたのが、幽霊としての生活。
そんなボーナス・トラックのような生活を満喫しながら、犯人を捜していく。
読み終わった後の、爽快感がよかった。
投稿元:
レビューを見る
越谷オサムのデビュー作。
この人の作品は読みやすくていいんだけれど、本作はちょっと物足りないかな。
ミステリーって感じでもないし、山も落ちもあっさりしすぎな気がした。
読んでて退屈はしないんだけど。
投稿元:
レビューを見る
ひき逃げによって突然終わってしまった亮太のぱっとしなかった人生だけど、死んでからは肩の力が抜けて「生きてる!」って感じでよかった。登場人物がそれぞれに一生懸命生きていて、続きが気になるけど、読み終わるのが惜しい気持ちになれる本でした。元気がもらえました。
投稿元:
レビューを見る
ひき逃げにより強制終了された主人公亮太の人生の「プラスα」の充実ぶりを見て、自分自身を深く反省。「誰かのために」自分にしかできないってことがこの世にはたっくさんあるんだから、ムダには出来んぞ、この人生。だってせっかく生きてるんだもんな。
投稿元:
レビューを見る
[BOOKデータベースより] 草野哲也は、雨降る深夜の仕事からの帰り道、轢き逃げ事故を目撃する。雨にさらされ、濡れた服のまま警察からの事情聴取を受けた草野は、風邪をひき熱まで出てきた。事故で死んだ青年の姿が見えるなんて、かなりの重症だ…。幽霊との凸凹コンビで、ひき逃げ犯を追う主人公の姿を、ユーモアたっぷりの筆致で描く、第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞の著者デビュー作。
投稿元:
レビューを見る
「金曜のバカ」が大気に入りの越谷さんの ほぼ6年前の作品。あぁ〜、やっぱり、今にいたる良さがあるなぁ。人と人とのつながりが希薄だったりあてにならないような昨今、何のかんの言いながら、草野や南が亮太を受け入れて行く様子がいい。仕事に疲弊していた草野が亮太にタメグチをきくようになり、頑なだった南がその理由をあきらかにしてからがいい。ファーストフードの裏側が覗き見れるのも興味深い。どの業界も大変だし、そこで頑張ってる人達がいるのね。シュチュエーションはやや違うけど、森絵都「カラフル」を思い出した。(あ、映画まだ見に行けてないや)越谷さん、早く次の作品出してくれないかなぁ〜