紙の本
戦争なくして、資本主義経済の発展はなかった!?
2020/03/04 09:31
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、近代の軍隊の発生から18世紀末にかけて戦争という人間の行為が育んだ資本主義経済の実像を豊富な史料をもとに解き明かした画期的な一冊です!同書の表題にもありますように、「戦争」と「資本主義」は密接に関係し合い、お互いが補完し合いながら、発展してきたと著者は言います。例えば、軍需による財政拡大が資本形成を促したこと、常備軍の増強は農業、流通、貿易に大きな影響を与えたこと、さらに武器の近代化が製鉄や機械製作、造船、繊維産業の成長をもたらしたことなどが挙げられています。加えて、軍隊の指導と行動の分業化も資本主義経済に必要な画一化した人間を育てたと言います。なかなか興味深い内容ですので、ぜひ、多くの方々に読んでいただきたいと思います。
紙の本
破壊と創造
2018/05/03 08:53
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代ヨーロッパの戦争の具体的資料をベースに、大量需要の増大やイノベーションが資本主義的組織の形成に一時的にせよ寄与する歴史を描写している書。
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戦争に関する消費活動が資本主義を発展させたという事を詳細に論述。
ウェーバーと同時代の学者。ウェーバーを読んだフリしてた時と比べて、非常に読み易い。
近代の発展具合の証明となる材料は、その時代の知識人の論文ではなく実務家の実務資料(帳簿)だった事には非常に納得。
但し、外国の昔の貨幣単位には完全に消化不良になった。
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この本が執筆されたのが第一次大戦がはじまる直前の1913年。
欧州において戦争がなかったのは、16世紀では25年間、17世紀においては21年間のみ。
戦争を行うことは、あらゆる時代で大変お金のかかる事柄であった。
戦争目的の借款で利益を得た者の代表者としては、初期資本主義時代の最も富裕な2家族、フッガー家(ドイツ式。貸付承認型)とロスチャイルド家(ユダヤ式。証券取引所による借款の発行)である。
兵器の重要、ロジスティック、兵士が食べる食糧、軍服などとにかく戦争はお金が必要である。
軍艦は派手に武器を消費する。
増大する武器重要を適宜充足させる必要性は、経済生活の発展にとって二重の意味を持っていた。まず需要が山積みし、販路が拡大され、これによって商業あるいは生産を資本主義的な組織にする可能性が作られるという事実。
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資本主義経済の発展について独創的な研究を数多く残したゾンバルトによる、戦争と資本主義の関連を解明しようとする試み。常備軍の増強に伴う食糧・装備の需要の爆発的増大と、それに応えるために経済組織が統一化されていき、手工業的生産から工場生産へと移行していく過程を詳しく述べている。
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[ 内容 ]
戦争なくして資本主義はなかった。
軍需による財政拡大は資本形成を促し、常備軍の増強は農業、流通、貿易に影響を与え、武器の近代化は製鉄や機械製作、造船、繊維産業の成長をもたらす。
そして軍隊の「指導と行動の分業化」が大量生産した画一的人間。
豊富な資料と文献で論究する、近代軍退の発生から十八世紀末にかけて戦争が育んだ資本主義経済の実像。
[ 目次 ]
第1章 近代的軍隊の誕生
第2章 軍隊の維持
第3章 装備
第4章 軍隊の給養
第5章 軍隊の被服
第6章 造船
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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戦争なくして資本主義はなかった。
軍需による財政拡大は資本形成を促し、常備軍の増強は農業、流通、貿易に影響を与え、武器の近代化は製鉄や機械製作、造船、繊維産業の成長をもたらす。
そして軍隊の「指導と行動の分業化」が大量生産した画一的人間。
豊富な資料と文献で論究する、近代軍隊の発生から18世紀末にかけて戦争が育んだ資本主義経済の実像。
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原著刊行は1913年。第一次世界大戦が翌年に始まる。ヨーロッパの歴史は戦争の歴史であった。第1回十字軍(1096–1099)からナポレオン戦争(1803-1815) までは約700年を要する。ゾンバルトが触れているのはヨーロッパ中世盛期から近世に至るまでであるが、それ以前はゲルマン民族の大移動を中心とする民族移動時代で、これまた戦争・紛争の時代といってよい。
http://sessendo.blogspot.jp/2015/05/blog-post_67.html
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戦争のための武器の供給、軍隊を維持などを効率的に行うため、資本主義が発達してきたことを定量的に分析していた。