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本校の図書館から借りた本である。非常に興味深い本が入れられており、これは誇ってよいことである。
十字軍と言えば世界史の授業で知って以来、その存在や内容について関心を持ってきた。しかし、それ以上の知識があるわけではなかったが、この本によってその内容やその歴史、悲しみや栄光等々を理解することができた。
ギュスターヴ・ドレの挿絵を復刻し、それに短い場面解説文と地図とを載せて2ページ構成とされたこの本は、十字軍の実態や人々の思い、その悲しみなどを非常にリアルに、わかりやすく伝えてくれる。これは絵の持つ力と短文ながら適切な解説がもたらした効果だろう。また、筆者が言うように、地図の存在も話を立体的にしてくれる。人々が歩いたその苦労が目に見えるようだった。
大変おもしろい本で、おすすめである。
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十字軍の長く疲弊したその歴史を、短い文章と細密に描かれたペン画とで見事に解説、しかもそれぞれの地図に現在地もマークするなど、画期的な歴史書になっていてわかりやすい。ギュスターヴ・ドレのドラマチックな挿絵が、偏りのない文章によって一層生かされているのではと感じられた。面白い試みの本だった。
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これ意外なことに、塩野さんの作品に関する挿絵とかじゃなくて、十字軍の絵本を翻訳したものだった。全部絵で少し説明と、その出来事のあった所の地図がついてるから、十字軍がざっとどんなものかイメージするのに良い資料。面白かったし、文だけではわからないイメージしにくい部分の補充になった。
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宗教の名のもとに起こされる戦争、十字軍。
自然科学が発達する以前、我々の常識は宗教であって聖職者が許せば殺しも許されたのです。
この本は本文と地図を脇役に、キリスト教とイスラム教の双方に平等なタッチの絵が主役です。
とても理解に助かりました。
今ではキリスト教によるそれは見られませんが、現代人にも大きく関わる歴史でしょう。
なぜなら、イスラム過激派による“ジハード”は終わっていないのですから。
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塩野七生さん十字軍四部作の第一作目。絵と地図の分かりやすい入門書との触れ込みだが、塩野さん自身はこの第一作をオペラでいうところの序曲と考えている。「幕が降りている前で演奏される序曲が終わると幕がするすると上がり、第一幕が始まると言う具合だ」。その通り次の幕をわくわくしながら楽しめる作品となっている。
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あっという間に読み終わった。簡潔な文章ながら実に分かりやすく、なおかつあっさりではなく深い文章。今まで「ローマ人の物語」ではなんだかまどろっこしい言い方で苦手だったが、これくらいならいける。なんといってもドレのイラストが素敵。これを読んで確かに「十字軍の物語」を読んでみたくなった。
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大別すると2種類の本がある。わかりやすくイメージが伝わる本と伝わらない本。
本書は前者である。
見開き半分がモノクロームの精緻な版画、半分が塩野七生氏の文、そして版画の描かれた場面の地図で構成されている。
500年に渡る十字軍遠征の歴史が、切り取られた時間の積み重ねで版画と文で表現されている。
版画の選択、対応する地図、そして適切な解説。塩野七生氏のすばらしい労作である。
キリスト教徒が必ずしも十字軍の味方ではなかった。何が正義か?
それぞれの異なる正義が現代にも延々と引きつがれる。
大別すると2種類の本がある。歴史から現代を振り返えることができる本とそうでない本。
本書は前者である。
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十字軍の始まりから終焉までを版画と単文で紹介しています。文章も重くないしですし、十字軍史の入門書としてオススメですね。
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塩野七生さんの十字軍 4部作の序章にあたる作品で、十字軍の遠征500年を広く浅く描いており、見開き左半分が絵、右上に地図、右下に文章という構成なので2時間ぐらいで読める.
十字軍、「なんか響きがかっこいい」程度の知識しかなかった自分が呼んでも分かる.
自分ではキリスト教徒がイスラム教徒に対して行ったことを理解することができず、十字軍に対するイメージが.ガラリと変わった.
ローマ法王も十字軍遠征について謝罪しているらしい.
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絵はうまい!十字軍の行為はすごい!でも、読後感がないのは、何故?続けて刊行される「十字軍」シリーズのCMみたいなもの。内容の割りに、高いぞ!
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ミショーが書いた「十字軍の歴史」の挿絵であるドレの絵に塩野七生が文章を挿入した本。ミショーの文章が塩野七生に変わった。十字軍の歴史の全体の流れが一冊で視野に収めることがえきる。キリスト教 対 イスラム教。2代宗教の争い。聖地イエルサレムの興亡。昔も今も宗教に伴う争いは絶えないのだ。
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ミショーが書いた十字軍物語に付けた挿絵を利用~悪逆非道のアンジュー伯フルクは3度イェルサレムに出掛け,2度目は買った聖遺物を法王に差し出して免罪された。これが流布して巡礼ブームが起こり,十字軍遠征に繋がる。当初は一般信者中心で隠者ピエールが率いた烏合の衆でハンガリーでは同じキリスト教徒から厄介者扱いされたのも当然の10万の群衆であったが,ゴドフロア・ド・ブイヨンが小アジアで追いついた時には2万に減っていた。ニケーアではイスラム兵士の首千を巡礼は町に放り込み,アンティオキアでブーリア公ボエモンドが夜中に縄ばしごを登って塔を占拠し,大殺戮が行われた。飢えと渇きに苦しんだ末,先頭で城壁に立ったゴドフロアに続いた巡礼はイェルサレムを陥れた。住民の家に隠されていた聖なる十字架に感激する中,イスラムの太守たちはゴドフロアを訪問し,金貨を積んで退去を求めるが,あまりに簡素な様子に感銘を受ける。1年後に兄の王位を継いだボードワンの下で,地中海東岸の港町で皆殺しが始まって,イスラム側はこれが宗教紛争だと気がつく。エデッサが滅ぼされるとフランス王が出馬し,ダマスカス攻略戦が展開されるが,国を長く空けておくことが出来ずに撤退。イスラムにサラディンが出現し,対キリスト教徒のジハードが催されてイェルサレムが奪われると独帝・仏王・英王が出馬,ドイツ軍は惨敗し,リチャードだけが奮戦。アッコンを確保し,違約して大殺戮を行うと,目的達成と考えた仏王は引き上げ,ヤッファを攻めるが,弟ジョンの不穏な動きにリチャードもサラディンと講和。サラディンは翌年死去し,後継争いが開始される。リチャードはキリスト教徒の捕虜になり,母によって釈放される。ビザンツ帝国が十字軍情報をイスラムに流していて,ビザンツ皇帝位を巡る争いで,ヴェネウィアの元首はコンスタンティノープルを占領。皇帝を殺した親族の即位を認めず,帝位は空に。法王が認めた軍が攻めた他派のキリスト教徒も敵なのだ。少年達の十字軍は途中で行き倒れ騙されて売られる。聖地を放っておけないオリエントのキリスト教徒はハンガリーやポーランド・ノルウェーの騎士達を加え,ナイル河口のダミエッタを攻略するが,運河や支流や沼地に足をとられ,休戦協定が成立し撤退する。カイロのスルタンの許には聖フランチェスコが場違いな改宗の勧誘をする。神聖ローマ帝国皇帝フリードリッヒ2世が率いた第6次十字軍は血を一滴も流さず,スルタンとの直接交渉で,10年間のイェルサレムとベツレヘムとナザレの獲得に成功したが,破門の身の皇帝が催した軍をローマ法王は十字軍と認めず,多くのキリスト教徒もそれに倣った。フランス王ルイ9世は南仏のエーグモルトを大改造して港にしジェノヴァを頼りにエジプトに遠征。上陸したダミエッタは簡単に攻略したが,マンスールで大敗を喫し,撤退中に捕虜になり多額の身代金の支払いを約束して解放されるが,船が港を離れる時にスルタンは殺害された。ハレムの女性までがスルタンになる混乱の中,マムルーク朝が成立する。スルタン・リバルスはシリア・パレスティーナの十字軍諸都市に強硬姿勢をとり,イスラム支配に屈した。ルイ9世はチュニスから陸路でエジプトを攻めようとするが,上陸後間もなく王が死に,王弟は自主的に撤退。コンスタンティノープルを陥したオスマン・トルコは西欧への圧力を高めたが,レパントの海戦で完敗した。この戦いも最後の十字軍だ~十字軍は遠征7回,数え方によって色々だが,オリエントのキリスト教徒によるエジプト侵攻は数えないのが一般的で,ルイ9世の弟・シャルル・ダンジューと英王太子エドワードのアッコン遠征(成果なし)を最後にする場合もある。フランスにおけるアルビショワ十字軍では,シモン・ド・モンフォールも活躍する。これはインノケンティウス3世が提唱した。十字軍を概観するには良い本
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19世紀前半のフランソワ・ミショーの「十字軍の歴史」。そのドレの挿絵に塩野七生さんの文章がついた四部作の序章。
十字軍というと世界史の教科書のたった数行の知識しかないのですが、ドレの絵、簡単な地図、簡潔な文章で大まかな流れは俯瞰できたと思う。
罪深い悪人も聖地巡礼さえすれば救われる例の一つとなった極悪非道のアンジュー伯フルク。
人間社会で起こりがちな不祥事を迫害だと過剰な反応をしてしまった隠者ピエールを利用して、「神がそれを望んでおられる」を旗印に始まった聖地征服への戦い。そこから500年近くの戦いへと突入していくこと。
リチャード師子心王、
ジハードを叫んで初めてイスラム教徒の統合に成功したサラディン、
単身でスルタンの元に赴きキリスト教改宗を勧めたアッシジの聖フランチェスコ、
第六次十字軍で無血で目的を果たしたフリードリッヒ二世(破門の皇帝が実施し、イスラム教徒を一人も殺さなかったという理由でローマ法王は認めず、無残に破壊された像が今も残されて居る)、
第七次でイスラム側に捕らえられながらも、高潔な人格で部下が自由になるまではパレスチナから離れないと言ったというルイ九世(後に聖人に列せられて聖ルイと呼ばれた)
などなど、たった数行の文章なんだけど、多くの物語があったのだろうなと思わされる。
塩野七生さん、ローマ人の物語で挫折したので、ちゃんと理解できるか不安な所もあるんだけど続きを読んで見たいと思わされる一冊。
年代も書かれているともっとよかったんだけど。
無理を言うと世界史超初心者なので特殊な言葉や重要人物の用語解説なんかも少し…
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十字軍の始まりから終わりまでのダイジェストが、絵と地図と簡潔な説明でわかりやすく描写されています。
これから読む予定の十字軍物語1~3を読む際の、ウォーミングアップなったような気がします。
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緻密なドレの版画とわかりやすい地図、簡潔な文章で、なんとなく十字軍とはどういったものかわかる本。
十字軍や獅子心王、サラディンって名前だけは知っているけど、その実何も知らんって人や、ギュスターヴ・ドレが好きな人にオススメ。
欲を言えば、年代も書いてほしかった。