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記憶にまだ残っている残虐な事件。
山口県光市で23歳の主婦と生後11カ月の幼児が18歳少年・Fに 惨殺され、その夫は何度もメディアに出て死刑を求刑していました。
そして、最後に多くの弁護士集団が出てきたなという事件。
多くを知っているようで、まったく内容を知っていなかったと実感します。
裁判員制度が取り入れられる前の事件ですが、一般人も一言言いたくなるような話です。読む価値は十分あります。
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山口県光市の母子殺害事件を忠実に取材してまとめたノンフィクション。被害者よりも加害者を守ってきた日本のマスコミと司法に真っ向から立ち向かってきた本村さんの姿と彼を支え続けた人々の姿にただただ感動した。
新日本製鉄の上司の「社会人たれ」という言葉にこめられたエピソードには心を打つものがあった。
そして、死刑判決を受けたあとに起こった加害少年の変化。人を殺めるということがどういうことかを考え、自分の罪についてきちんと向き合い始めた少年の変化にも驚いた。
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光市母子殺害事件の初めて判決が下された後の記者会見で、「彼を私の手の届くところに置いてほしい。私の手で殺します。」と言った本村洋さんの姿を見て、テレビから目が離せなかったことを今でも思い出す。
これほどまでに犯罪被害者の気持ちを代弁した言葉はなかったのではないか。
人の「命の重さ」が正しく反映されない司法を変革するために、絶望の中から何度も立ち上がり、そして行動が花開くまでの9年間を描く。
人は死を「自らで」実感した時しか「命」の大切さを理解できないのか。
この本を読み、本村洋さんが歩んだ数年間の活動を知るだけでも、今の自分が幸せであることをかみしめることができ、十二分に「命」の大切さを実感した。
一気に読みました。
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僕が本村洋さんとお会いしたのは平成20年12月1日の
内閣府の事業でありました。
この年 弊社は犯罪被害者支援事業の中でも国として一番大きな事業である
犯罪被害者週間 国民のつどいを請負っており、11月22日から
浜松〜旭川〜滋賀〜福岡と事業を廻りこの日が最後の中央大会でありました。
本村さんの印象は、ほとんど一般の方と同様に「TVのニュース報道」の中でしか知り得ませんでした。
その印象は、鋭く 堅く 怖い印象を持っていたのが正直な気持ちでした。
会場に到着された本村さんは
「本日はお世話になります。皆様のお陰で、今日 このような機会をいただきました」
と挨拶をしていただきました。
小柄な青年に似合ったその表情や声は誠実で優しく、今までとは違った印象を持ちました。
しかしながら その数時間後の講演会やパネルディスカッションでの
実直で正義感を持たれた本村さんの発言は
僕だけでなく会場の皆さんの心に響いたと思えます。
中でも、本書にもある2000年3月22日山口地裁での「絶望」的な
無期懲役判決での本村さんと吉池検事とのやりとりや
その前日に遺書を書いていた場面は、「ぐっと」旨に迫る物を感じます。
正直、この場面を読むと 涙がこぼれ落ちてきてしまいます。
それは、かわいそうという安易な気持ちではなく
判決によっては死を選び、
司法に社会に絶望し、
控訴せずこの手で殺す!とまで言い切った男に、
『司法を変える為に闘おう』と言い放ったこの判事の姿にも
男として感動してしまうからです。
本書にはこんな場面が書かれています。
事件後、会社に辞表を出した時の上司の言葉です。
「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。
君は特別な経験をした。
社会に対して訴えたいこともあるだろう。
でも、君は社会人として発言をしていってくれ。
労働も納税もしない人間が社会に訴えても、
それはただの負け犬の遠吠えだ。
君は社会人たりなさい」
被害者の皆さんに対して、
これほどまでにストレートに言える支援は
本村さんに大きな力を与えたと思います。
犯罪被害にあわれてしまった方々は
多くの支援を求めています。
直接的な支援もあれば間接的な支援もあります。
間接的な支援の中でも書籍を読んで まず理解する!ことも
重要だと考えています。
是非 ご一読をお勧めします。
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光市母子殺人事件。少年法に守られた被告、その弁護人と、被害者の夫、本村洋の壮絶な戦いを描いたルポルタージュ。
家族を奪われ、司法の厚い壁の存在に絶望する本村の心情が綴られていて、感情移入しやすく、一気に読めた。死刑をすべて肯定するわけではなく、死刑囚の心情も触れられていて、すわりが良いかもしれない。
新日鉄の上司の言葉「労働も納税もしない人間が社会に訴えてもそれはただの負け犬の遠吠えだ。君は、社会人たりなさい」が印象深い。
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光市母子殺害事件の、事件発生時から死刑判決が出るまでが綴られた一冊。
長い闘いです。
言葉にすると簡単になってしまいますが、命の重さを感じます。
生きている私たちが一番忘れてはいけないこと。
それは一生懸命生きることです。
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前職の同僚がオススメしてくれた本。
山口県光市母子殺害事件の裁判の話。
「ドラえもんが助けてくれると思った」という犯人の言い訳は私も報道をみて強く記憶に残っていたけど、全体はこんな話だったなんて。
渾身の取材で、一気にに読んだ。
著者の前著を立ち読みした時に非常に感情的な印象を受けたので、実はちょっと警戒しながら読んでいた。だけど本書を読み終わった時は、バランスよく書かれてるなあという印象。
視点が“周囲の支援”におかれてるからかな?特に帯にも書いてある本村さんの上司の言葉は感動。人間できていないとこんな言葉はかけられない。
山口地裁の裁判官を痛烈に批判したりと、筆者の感情が感じられるところもあるけど、それは逆にリアルに感じた。
死刑の是非とか、つくづく司法の難しさも感じた本。そして政治の影響力も。
★5級だけどその難しさの逃げから★1つマイナス
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何回読んでも泣いてしまいます。
愛する家族を突然失ってしまった喪失感・自分を責める中で周りの人に支えられ闘い続ける本村さんの偉大さに改めて実感しました。
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光市母子殺害事件
どうしても犯人の最後にもやもやする。
死刑囚になったからって悟りを開けた様な感じが本当に嫌だった。
だって、相応の犯罪を犯しているのに。
苦しんで、悩んで、刑を受けたら良いのに、ととても思った。
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光市母子殺害事件のノンフィクションドキュメンタリー。
容疑者の少年に対して、最高裁で死刑判決を勝ち取るまでの原告の熱い気持ちには同情を越えた感情を持てること間違いない。
こんな悲劇が実際に起こってしまったのは本当に悲しい。
途中でまるでドラマを見ているような感じになってしまった僕は平和ボケしすぎてしまっていると反省。。
原告のメッセージがもっと全面的にでていたら、100点だったのになぁ。
星4つ
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「かわいそう」って感情はなんなんだろう、と思った。主観的で身勝手な感情なんだろうな。世間がこの事件を忘れてしまっても、わたしは最後まで見届けようと思う。
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途中では幾つかの疑問も解決出来るが、最後には解決出来ない問題で一杯に成りました。
死刑は必要、簡単には言えない。
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この事件当時、本村さんがすごく強い人間に思えた。自分も同じ立場になった時に闘えるのか?と自問自答した記憶がある。
読んでいて辛くて辛くて絶えられなかった。この事件は絶対に風化させてはいけない、忘れてはいけない。
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@yonda4
1999年に山口県光市で起きた母子殺害事件を追ったノンフィクション、文庫版。
壮絶な事件だったので記憶に残っている人も多いはず。
当時18歳だったF被告に死刑判決が下るまで、事件から9年。長い。
本村さんは闘った。F被告、相場主義的な司法、Fを擁護する死刑反対弁護団、そして自分自身と。
死刑判決が下った時点で、一段落はしたが、本村さんにとってこの事件が終わることはない。
なぜ、人が人を殺してはいけないのか?
殺された人の未来は当然のこと、その人と関わる人の未来も奪ってしまうことになるから。
少しでも本村さんの心が穏やかになることを祈りたい
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橋本さんが触れてたので読んでみた。
光市母子殺害事件のことは知ってたけどこれ読んでもっと深く知れた。生きることとか命の重みってのを少しは考えるきっかけになったと思う。そこを踏まえてないと死刑の議論ってのはなかなかできんわな〜。
最後のほうとかはFの変わりようにも焦点をあてていて、淡々と事実を述べている感じの書き方がおれは好きでした。