紙の本
勾玉三部作、最終の下巻です
2023/02/06 15:09
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投稿者:みえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
神話ファンタジーの世界に、心地よく浸れました。とても良かったです。
敵味方入り乱れての人間模様も面白く、出生による定めなど、奥深く読めました。
皆が落ち着いて幸せになって欲しいと願いながら、読み進めている自分がいました。古事記にも、興味が湧きました。
映画を見ているような、大河ドラマを見ているような、そんな気持ちになりました。
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東の坂東の地で、阿高と、同い年の叔父藤太は双子のように十七まで育った。だがある夜、蝦夷たちが来て阿高に告げた。あなたは私たちの巫女、火の女神チキサニの生まれ変わりだ、と。母の面影に惹かれ蝦夷の地へ去った阿高を追う藤太たちが見たものは変わり果てた彼の姿だった。一方西の長岡の都では、物の怪が跳梁し、皇太子が病んでいた。「東から勾玉を持つ天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに胸を痛める十五歳の皇女苑上。兄と弟を守るため、「都に近づくさらなる災厄」に立ち向かおうとした苑上が出会ったのは・・・。
勾玉三部作の中で、一番好きです。二連と広梨、茂里のテンポのあった会話が読んでいて心地よくてずっとそばにいるような気持ちになる。苑上の気持ちも分かるから、上下巻ともに頑張れ・・・と念を送ってる感じ(笑)「空色勾玉」も「白鳥異伝」も、主人公にどうしても納得できなくてむっとしたところがあったんですが、「薄紅天女」は阿高や苑上に寄り添って、結末まで一緒に歩めました。明るい未来を予感させてくれる結末にも安心。藤太や阿高の戻った竹芝の家は楽しそうだな~と妄想。書き方も私はこの頃から今に続く方が好き。歴史上の人物がちょこちょこ出てきて楽しかったです。
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終わり方が少し気になった。でも、阿高が無事に戻ってこられたのが何よりも嬉しい。それに、最後に鈴を迎えに行ってくれたのがわくわくした。藤太もそうだけど、二連はこういうところがちゃっかりしてる。
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このシリーズの中では一番その後が気になる作品。
しかし最後の阿高はかっこよすぎる。
そこまでそれらしいそぶりもなかったくせにお前……!
あの一言は反則級だと思います。
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勾玉三部作をついに読み終えた。
いままでのより男の子がメインで読みやすかった。
ジブリ映画とかになっちゃいそうな奥深さ。
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文庫版でひさびさに読み直したことになるわけだけど、見事なくらい都側の人々のことを忘れていた。
この話、男の子同士の絆が強くって、そっちのほうが印象に残るんだよね(別にそれが悪いという話ではなくて)
最後のくだり、未来の薬子(&仲成)のこととかちょっと胸が痛んだ。
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下巻は帝の娘(内親王)の苑上(そのえ)を起点に、都にはびこる怨霊と勾玉の関係が明らかになっていく。この姫も全2作の女の子たちと同様に、思い立ったら直進タイプでとても好ましいのだけど、藤太と阿高ほど容姿の描写がないのが残念。
前2作では勾玉を持つ女の子が剣の力を鎮めるという構図だったけど、本作では勾玉を受け継いだのは男の子(阿高)で、その力は「鎮める」ためではなく「修復」に使われる、というのがおもしろい。坂上田村麻呂や藤原仲成(薬子)など、教科書でおなじみの歴史上の人物がいきいきと描写されている点も読んでいて楽しかった。
さいごに阿高が苑上を迎えに来るシーンは、何度も読み返したいくらい好き。
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出逢いは中学生の時に図書室で。
勾玉三部作 第三巻(下)。
ハードカバーも、ノベルス版も持っているのに購入してしまいました。
きちんと再読。
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勾玉シリーズ最終作、文庫版上下巻読了。
坂東の地で双子のようにして育ってきた藤太と阿高。実際には叔父と甥の関係にあたる二人だが、年は同じで、いつも二人でつるんで奔放にすごしてきた。
阿高には、本人もしらない出生の秘密があった。ある日阿高のもとに、蝦夷たちがやってきて、あなたは我らの巫女、チキサニの生まれ変わりなのだといった。母である巫女がかつておかした罪のつぐないとして、自分たちに力を貸してくれと、彼らはいう。
なりゆきで彼らについていくことになったものの、会ったこともない母の罪などしったことではないと思っていた阿高だが、やがて、亡き母の記憶の一部をかいま見て、逃れられない己の宿命を知る。
世を乱すおそろしい呪いの根源と対決するため、阿高は藤太とともに、都を目指す。ともに生きて坂東の地に帰ると約束した二人だったが、阿高は、藤太が自分の宿命に巻き込まれたせいで、その命を落としかけるところを目の当たりにして……。
前作からはぐっと時代がさがって、平安京遷都直前の日本が舞台。坂上田村麻呂、藤原薬子、空海といった、歴史の教科書でなじみのある名前がでてきます。舞台は坂東の地からはじまって、蝦夷地、そして長岡京へ。わたしは歴史がとんとだめで、教科書レベルの知識もろくろくないのですが、日本史お好きな方はもっと楽しいのかも?
三部作の中では一番おもしろかったです。ヒロインに共感できたことが大きかった。(ヒロイン上巻では出てこないけど……)恋愛メインの恋愛ものは、もともと個人的にあまり楽しめないたちなのですが、恋愛もののつもりで読んでも楽しいんじゃないかなっていう気がします。
長さ的にはいちばん短かったのだけれど、前二作よりも登場人物どうしの関係性をていねいに描かれてあることもよかったです。前作までのキャラのほうが、単独のキャラとしては個性的で魅力的だったのだけれど、キャラ同士の関係性とかは、いまいち印象に残らなかったんですよね。比べると今作では、キャラクター同士のやりとり、かけあいが魅力的でした。
ぜいたくを承知でいえば、やっぱりもう少し、「このキャラとこのキャラの関係は、さらにもうちょっと丁寧に掘り下げてあったらもっとよかったのに」とか、「アイヌの人たちの風習を、もうちょい詳しく書いて欲しかった」みたいな部分がいろいろあって、もったいない気がしました。なんて、どれだけわがままなのかと……(汗)
好き勝手なことばかり書いていますが、前二作のレビューのときにも触れましたように、思い入れのある好きなジャンルなので、必要以上に辛口になってるだけです。面白かった。読み応えたっぷりのいいシリーズでした。
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下巻でようやくヒロイン登場。
ヒロイン目線で物語が進みますが、やはり主人公は阿高と籐太でしたね。
阿高とヒロイン苑上の行く末が悲しくて切なくて、最後までハラハラしました。
読み終わってみると、3部作のなかで、これが一番面白かったかも。
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西の長岡の都では、物の怪が跳梁し、皇太子が病んでいた。「東から勾玉を持つ天女が来て、滅びゆく都を救ってくれる」病んだ兄の夢語りに胸を痛める十五歳の皇女苑上。兄と弟を守るため、「都に近づくさらなる災厄」に立ち向かおうとした苑上が出会ったのは…?神代から伝わる“輝”と“闇”の力の最後の出会いとその輝きを、きらびやかに描きだす、「勾玉三部作」のフィナーレを飾る一冊。
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舞台が平安の時代であり、蝦夷や坂上田村麻呂が登場することで、
ずっと身近に感じる本作。
走ったり、転んだり、泣いたり、怒ったりしながら成長する主人公達と一緒に今の北海道から奈良まで冒険できた。
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文句なしで面白かったです。今までの登場人物とは違う、阿高や苑上たちが魅力的でした。前作の『白鳥異伝』にも菅流みたいなやんちゃな性格の男の子がいたけれど、阿高は繊細というか天然な部分があるにはあるが、喧嘩っ早くて強い。苑上も帝の娘である皇女だけど、意外と普通の子で、弟を妬んだりもする女の子。そして世間知らず。前作では、主人公である気が強い性格の遠子の強烈なインパクトがあったせいか、少し意外でした。でもそのぶん共感できる部分が多かったので、最後は苑上と一緒に一喜一憂したり、入り込めた作品でした。そしてなにより二人のやりとり。ちょっと漫才じみていて思わず笑ってしまいます。
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文庫化したので再読。上巻での二連の結びつきの強さは正直ちょっとどうかと思ったりしたこともあったけど、終わりよければ全てよし! 苑上の芯の通ったかっこよさと可愛さ、千種の機織りの場面においての決意、そして阿高が語った坂東に伝わる盗み出すときの理屈がとにかく好きです。阿高の最後の一言にいたっては最強だと思います。やっぱりこの三部作は大好きだと改めて感じました。巻末の対談も興味深く読ませていただきました。
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伊勢へ行ってみたい、と思った。それにしてもあんなことwをしでかすとは、阿高ってば激しい少年だこと(笑) 二連のその後の物語も読んでみたかったな。