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価値センシングの手法を語った本。データマイニングを超えたとあるが、どのように、どのくらい超えているかを実感するには、結局実行してみるしかないと感じた。回答が出るツールではなく、ツールを活用したプロセスでの発見が重要という点には大きく納得。
思い出す技術 こと語る技術 高めあう技術 感じる技術
見えないことを創るデータ結晶化技術 アナロジーゲーム
イノベーションゲーム 価値センシングのための組織構造 で構成される。
以下アマゾンでの紹介文
本書が紹介するのは、人が毎日の生活の中から身の回りの価値を感じ、それを思い出すことによって未来のシナリオについて「こと語り」をし、その内容を仲間と交換し合う会話によって、価値を持ちながら眠っているアイデアや商品を掘り起こす方法です。 東京大学工学系研究科で発展した最近5年間の研究内容を中心に、これに先立つ筑波大学ビジネス科学研究科におけるエピソードについても触れながら、「チャンス発見」から「価値センシング」へと進化するために必要となった考え方と技術の全体像を描きます。 2000年から2005年ごろまで大澤研究室が拠点なって開拓した「チャンス発見」は、意思決定にとって重要となる出来事を見出し活用する手法でした。特に、一過性の出来事の重要さを理解することにその狙いがありました。残念ながら、そこで様々なデータ分析技術と思考プロセス技法が生み出されたにもかかわらず、全体を見渡す余裕のない日本のビジネスマンの中にはKeyGraphなどツールだけをダウンロードして「使い方がわからない」などと私に連絡されることが多かったのです。使い方が分からなくて当たり前です。なぜなら、その使い方こそがチャンス発見のプロセス全体であり、そこが技法の本質であるのに、ツールだけに注目されていて活用などできる訳がありません。一方、ビジネス科学系から工学系にうつった2005年ごろから大澤研究室(2008年から大澤・西原研究室)は、一過性の出来事の重要さを捉えることと、長い間身近におかれながら真価を発揮できなかった物や概念・考え(コト)の価値を捉えることを、まとめて実現するようなプロセスを開発し始めました。これが、価値センシングのプロセスです。例えば、「じゃがいも」が冬の忙しい日に商品価値を高めるコトや、医師と話す患者のつぶやきに悩みの本質をこもっていたコトや、「視線計測装置」は「データ可視化技術」と結び付いて隠れた意図の発見器になるコトなど、眠れるドラゴンのように価値のあるコトを起こす方法です。技術の背景にある理論だけではなく、技術の使い方そのものを極めてゆくことが現代の工学研究の先端であることを、本書では静か主張しました。この本をめくってゆくだけで、人間臭さを感じ、その臭さを扱うことこそが新しい科学のひとつの在り方であることに気づいて頂けるでしょう。背景で用いた数式など伝統的な科学書の匂いは思い切り洗い落とし、21世紀の科学の本質である主観と人間臭さ、そして実用性を求める読者への近さをアピールした一冊です。
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目の前にチャンスが来たというとき、人はそこに出現した事物や出来事に価値を感じているからそう言う。
チャンスとは人の意思決定を左右する事象、状況、または情報であるから、それは未来のシナリオが複数通り考えられるところにやってきたことを意味する。
複数の可能性があるからこそ、つまり未来が不確定だからこそ、意思決定の必要に迫られるのだ。不況が最高のチャンスだと思った松下幸之助は良い例だ。
自分で使う知識マネジメント技術は自分で作らないと意味がない。
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データマイニングに色々と思いを寄せるものがあったため、読了。
触れ込みはデータマイニングの限界の後の価値センシングについてというもの。
以下、目次。
[目次]
序章
眠っているドラゴンの起こし方 (大澤幸生) データマイニングの限界 ドラゴンとはビジネス界に潜む価値
価値のある戦略的シナリオを見つける
価値センシングとは何か
第1章
思い出す技術~データからの気づき、気づきからのデータ (大澤幸生・生井セバスチャン洋・吉田隆久・岩永卓也)
「書く」ことと価値センシング
アンケートデータを読んでみよう
埋もれた価値に気づくメタ認知
データ可視化の方法:キーグラフ
第2章
「こと語る」技術~可視化でシナリオを掘り起こす (大澤幸生・郷田慎一・前田雄佐・吉田隆久)
メタ認知の衝撃:肩こりの消えたスイマー
キーグラフから未来を読む
意味は無視して「つながり」から見えるもの
脳の動きを可視化する
株価の連鎖的下落を「こと語る」
矢印つきキーグラフによる株価下落連鎖構造の把握
株価連鎖構造で語る世界不況のシナリオ
価値センシングに終わりはない
第3章
高め合う技術~価値をつかむコミュニケーション (久代紀之・西原陽子・山口広樹・大澤幸生)
主婦たちの声からわかった「じゃがいも」の真価
ユーザー要求を知る:製品設計のために
顧客の声を聞く質問の技術
顧客のさまざまな声を、一つのかたちにする
要求仕様へまとめる
ユーザーの要求を知るものづくりプロセスの実施例
価値センシングで重要な、話し相手の選び方
人間関係を可視化する
「アホ」と呼ばれる発言から、宝を見つける
これからの会話分析
コラム:医療現場での実感:患者が本当に求めているものを知る技術(田中祐次)
第4章
感じる技術~お客様の隠れた気持ちをとらえるセンサ (田中良祐・大澤幸生・細田琢磨・木村諒史)
「感じる」ことの難しさ
消費者の回遊行動に潜む価値ある情報
スーパーマーケットのお客を観察する
感じるスキルを支えるRFIDタグ
第5章
見えない「こと」をつくるデータ結晶化技術 (大澤幸生・前野義晴・堀江健一)
バーベキューパーティの仕掛け人は誰?
データ結晶化の原理:低頻度からゼロ頻度への挑戦
メーリングリストによる実証実験
テロリストのリーダーはどこに?
ないものをつくる:特許明細データから新発想へ
第6章
アナロジーゲーム~類推力を高めよう (中村 潤・大澤幸生・小林正典・前川知英)
アナロジーゲームの遊び方
経験知を掘り起こすアナロジーゲーム
なぜ「脳みそに汗をかく」のか:迷いの効果
アナロジーゲームで測る価値センシング能力
KJ法との違い:迷いを生かす
第7章
イノベーションゲーム~組み合わせ発想を楽しむイノベーションの世界 (大澤幸生・西原陽子・高市暁広・岡本憲介)
ウェブ���の単語から需要予測? イノベーションゲームの原型
イノベーションゲーム登場:企業家vs.企業家
ゲームに「神様」を入れてみる
ゲームからビジネスの本質が見える
データ結晶化でつ
結局、データマイニングの限界については言及されているんだけど、価値センシングの概念が抽象的過ぎて、ちょっと微妙。
ツールとか使う実務担当者は、そんなこと言われなくてもわかるわ!ってレベルかもしれない。
まあ、時流に乗っているので、★3つくらいで。
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僕の理解力が足らないのか、正直よくわからない。説明を補強するための脱線なんだろうけど、本筋を邪魔して余計に理解しづらかった。
けど、システム目標論と要求の階層化は、めっけもの。
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読んで良かった。マイニング関係の調査の一環で読む。統計学は分析の
道具です。恣意的では良くないけど、主観と客観のバランスを考慮して、
上手くデータを可視化して主張することは大事なのかも。私たちの分野は、
ニッチでも受け入れられる素養があるのだから。アナロジーゲームは、
困ったら利用してみようと思う。ふむふむ。
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内容的には難しめだった。コンピューターや統計を駆使したデータマイニングが過去の傾向から未来を予測するのに対して価値センシングは過去のデータのないところから未来を予測するという印象であった。
著者はデータマイニングの限界を知り、それを人の力と合わせることで克服しようと試みているように感じた。
思い出す:アナロジーゲーム、感性ダイアログ(ジャストシステムxfyblogeditor)
こと語る:可視化ツール(キーグラフ、データ結晶化)
高めあう:イノベーションゲーム
感じる:RFIDセンサ、視線センサ
二次元ヒアリング→ゴールグラフ
(目的、要求、手段のそれぞれに関して)どんなものが欲しいか、どんなメリットがあり、デメリットがあるか
一人のリーダーが管理できるのは10人程度、それ以上になると意見を汲み取れなくなる。汲み取られなかった人は自分を無視されているように感じ、リーダーに対して不信感を抱く。主張が似た者をグループ分けしてから均等になるように混ぜ合わせる。これにより多様な意見のグループができ、話し合いの結果は全体の総意に近くなる。
手元において繰り返し読みたい一冊。
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売れ筋を見つけるには?
→価値センシング、つまり自分と関わりを持つ身辺の事物に気づくことが大事
思い出す、こと語る、高め合う、感じる
インタビューなどから得られた要求の相違や矛盾を統合して一貫したゴールを設定する
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副題は「データマイニングを超えた価値センシングの技術」とあります。
「価値センシング」とは、消費者の言葉や行動など現に存在している情報から、目に見えない潜在的なニーズや価値要求を感じ取り、発掘すること、とでも云えばよいでしょうか。
単に過去のデータの延長線上でITを用いて予測する技術とも違っていて、未来の売れ筋を発掘するのはあくまで人間の感性・センスであり、ITはそれを補助するためのツールでしかない、というスタンスです。
価値センシングは、「思い出す」→「こと語る」→「高め合う」→「感じる」というプロセスをぐるぐると回すことで実行され、各プロセスごとに著者の研究室が開発したツールや技法が紹介されます。
マーケティングの本なのかな…と思って読み始めたのですが、思いのほかアカデミックな内容で、理論と研究成果の紹介が中心になっています。
そんなに難しい理論が語られているわけではないし実例も豊富に登場しますが、実際にツールを使ってケーススタディを体験してみないことには、文字と簡単な図表だけではなかなか全容をイメージするのは難しいなというのが正直なところです。
以下、日常の生活やビジネスに活かせるかもと思ったところを部分的にピックアップ。
・「書く」ことによって価値センシング能力は向上する。
例えばブログは他人に読まれることをどこか意識して書き留めるものであるがゆえ、書いているうちに自他に心情的な接点があることを改めて感じるようになる。
自分と外側の世界の間に確かな関係性があることに気づき、様々な物事や出来事の価値への意識を高めていくことである。
本の中では書かれた文章をキーグラフというツールを用いて構造化・可視化することでさらに価値センシングが発揮しやすくする手法が紹介されているのですが、ただ書くだけでもセンシング向上につながるという見解には共感します。
だからこそこうして細々とブログを続けてたりするのですが。
・「アホ発言」にこそ価値が潜んでいる。
会話の中で唐突に発せられ、他の会話者から反応されず放置されてしまう発言を、この本では「アホ発言」と呼んでいます。
会話の中から「アホ発言」を選別する条件を定めてコンピュータで解析してみると、周りの人に受け容れられず放置された発言にこそ日頃感じていながらその価値が未だ具体化されていない潜在的な価値がありそうなことが分かってくる。
これはちょっと目から鱗でした。