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紙の本
粋の構造 そば編
2011/03/06 17:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、江戸のそば文化について、文芸、芸能に現れた話をまとめた本である。
2 江戸時代、基本的に、流通、産地の関係から、関西はうどん、関東はそばであった。そばは、救荒作物の側面があり、低温の場合でも、2か月から3か月程度で育つ。寒冷地、山地で栽培しやすいので、関東近辺で、栽培されたんだと思う(そばの産地は、長野とか、山形とか寒いところが多い)。
しかし、切りそばが生まれ、粋な食べ物だということで(直侍がおにぎりでは絵にならんなあ)、江戸っ子にも大変好かれていく。
このため、江戸の文芸、芸能との非常に関連が深かくなっていった。
3 有名どころは、忠臣蔵。赤穂浪士が集まったのがそば屋の二階であったとか、しかし、実際には、討ち入り前に数名がそばを食べにいっただけだそうな。
また、赤穂浪士に限らず、武士のそば愛好者も多い。松尾芭蕉は、そばを俳句に詠んでいる。それまで、和歌では、そばを題材に扱うことはなかったんだが(やっぱり王朝文化だから、関西中心か、また、そばの扱いが低かったのかもねえ)、芭蕉が、旅路で読んでいるのである。
さらに、新井白石が、そばを漢詩にうたっている。これがなかなかふるっていて、楽しい。私は、新井白石は、おっかない人だと思っていたのだが、こういうお茶目な側面が意外であった。
他方、恋川春町(この人、本職は、小藩の家老級である)が、酒呑童子の話を題材に、化物大江山という話を書いている。なんでもこの話、洛中に繰り出しては、無銭飲食を繰り返すうどん童子を、源のそばこ(頼光のパロディ)が四天王(渡辺綱ならぬ渡辺のチンピとか薬味が題材)を連れて、打ちにいく(討つと掛けている)話である。かなり手が込んでいて、パロディとして大変面白い(神仏の化身が、浅草の市場で買ってきた麺棒を授けるのは、笑ってしまった)。
4 庶民の生活では、源平合戦(一の谷)をパロディにして、そば屋と客の掛け合いがあったり、小話があったりする。今でも残っているものとしては、歌舞伎で、前出の直侍がそばを食べたり、落語(ときそば、そば清)にでてきたり。そば清に関連して、そばの大食い選手権みたいな記録もあるんだけど、中に、どっかの藩の侍(しかもかなりいい年)がいて、みんな楽しんでるなあと思う。
5 そばって、手軽な食べ物でありながら、江戸っ子に親しまれ、また、文芸や芸能に取り上げられた結果、洒脱になっていったみたいである。
なお、現在のそばの関係で、こういう漫画がある。腹が減ってきたので、この辺で。
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