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みんなのレビュー22件

みんなの評価3.7

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22 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

少年の痛々しい孤独に寄り添いたくなる

2018/06/30 15:57

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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

19年前、叔父のビリーが行方不明に。連続児童殺害事件の被害者になったと思われるが、逮捕された犯人は否認、ビリーの遺体は見つかっていない。 帰ってこない被害者に残された家族は心を閉ざし、やりきれない思いを抱えている。甥であるスティーヴンは、ビリーの遺体が見つかれば祖父や母の心の傷が埋まるのではないかと、このうちが“普通の家族”になるのではないかと考え、今日も遺体を探して荒野をめぐる(舞台はイギリス南西部のエクスムーア。ヒースがところどころに茂る水のにじむ荒野があり、犯人はそこに死体を埋めていたから)。

見つからない子供と残された家族の葛藤、どうにか見つけ出そうとする少年、という基本設定はジョン・ハート『ラスト・チャイルド』とほとんど同じ。
しかしディテールは別、こっちでは犯人は捕まっていて収監中。
ただスティーヴンはどうしてもビリーの居場所を知りたくて、刑務所の犯人に手紙を出してしまうという別方向にスリリングな展開に。分量も『ラスト・チャイルド』の半分だし、神がかった不思議な感じは出てこないし、むしろこちらのほうが読みやすいかもしれない。が、やはり母親は愚かだし、主人公にとっての親友は種類は違えどろくでなし。共通項が多いので近い時期に読むと印象がかぶるのは間違いなし。どっちを先に読んだかでかなり評価が変わってしまうかも。
で、私は後から読んじゃったわけですが・・・でも、よかった!

『ラスト・チャイルド』と違ってスティーヴンはちゃんと学校に通っているが、教師からもほとんど認識されていないし暴力をふるうとともにカツアゲも平気でするいじめっ子までいて、彼の孤独は深まるばかり。だからこそ荒野でシャベルをふるうことが彼の存在理由であり、居場所になってしまっているということになんか泣けてくるのである。
何度、「ちゃんとした施設に入れてあげてよ!」と思ったことか。
そして厳格で一家の不和のすべての元凶にも思えるスティーヴンの祖母(しかしほんとの原因は“事件”なんですけどね)の存在が物語を引き締める。彼女が目立ちするが故に母親の影が薄いというか、余計愚か者っぽく見えてしまうのが残念ではある。
スティーヴンと犯人の視点で交互に紡がれるこの物語、後半はスピーディーなスリラーへと展開しますが・・・幼児性愛者とか快楽殺人者ってのは更生などしないものだ、としみじみ感じてしまう(更生するような資質があれば怪物になるラインは踏み越えないんだろうが)。
しかしわかっているだけで6人の少年が殺されているのに(そして遺体が見つかっていないのが3人)、死刑判決じゃないってのが信じられない。イギリスっていまは死刑のない国だっけ?、と考えつつ、そして自分は“死刑のある国”に生きていることをごく平然に受け入れていると気づかされる。
正直、死刑制度の何が悪いのか、私にはわからない。
終幕での町の人々の行動には描かれている以上の謎が潜んでいるような気がするのだが・・・しかし祖母の登場により私はいきなり堤防が決壊したようにどーっと涙が流れた。嗚咽もなく、すすり泣くでもなく、ただただ涙だけが流れ続けたのだった。
すべてが片付いたわけじゃない、スティーヴンにはまた別の心の傷が残る。
それでも、彼が手にできたのは明らかな救いだった。
そのことに、安堵できたのでした。
こんなにも読後感のよいサイコスリラーはなかなかありませんよ。

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2010/11/06 11:32

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2012/08/26 21:41

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2014/12/12 20:26

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