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読んだ。まだまだ世の中のことがわかってないなぁと実感。
戦前から現在に至るまでの日本近代社会を山口組の変遷に沿って紐解いている。個人的に違和感を感じてた国家による暴力の独占や違法と犯罪のちがいなども取り上げられていて頭がすっきりした。敗戦と高度経済成長を経験したことによるコミュニティのあり方の変化など今の自分に関わることも理解が進んだ。下層労働者と被差別民をまとめあげる組長のヤクザ感や事業家としての才覚には畏怖の念を覚える。幹部へのインタビューや筆者の体験も交えており、ルポルタージュ的。
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相当数の文献の読み込み、関係者へのインタビューがなされており、かなり読み応えがあった。ヤクザが戦前戦後の混乱期に果たしてきた一定の社会的役割や、「市民の敵」とまで評されるまでにその機能を変質させた過程は、わが国の経済社会状況と密接に関連し、半ば必然的であるという視座が非常に参考になった。
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日本の社会史にズドンと食い込む鉈の衝撃。読後感は痛い!この読書に引きずられるようにして見た(しかもスクリーンで!)久々の「仁義なき戦い」も肉体に痛さを感じる映画ですがそれは肉を切られるような感覚。本書の痛さは骨を断たれるよう。(そんな目に会ったことはないけど…)その重みは膨大な文献と作者の出自による体験と田岡組長に対する憧憬と敬意によって生まれているように思います。山口組三代目のヤクザイノベーションにはあまりに生理的な嗅覚とあまりに本能的な愛情が溢れていました。人間である限り向き合わなければならない業を共同社会の外側から利益社会の内側へ移行する道がヤクザの昭和史だとすればわれわれの社会全体が「哀愁の共同体」化しなければならなくなります。クリーンでフラットな社会を目指すほど汚れていく。最近の脱法ハーブや詐欺産業はそういう近代ヤクザが終焉し社会に溶け込んでいく現象の噴出なのでは、と恐怖しました。
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近代ヤクザ肯定論―山口組の90年
(和書)2009年08月15日 21:13
2007 筑摩書房 宮崎 学
ヤクザと労働者の関係など、瞠目されることが多くとても参考になった。ヤクザが変質していく過程と日本ということ、そして世界性へ向かう青幇という発想なども面白かった。