世界各地のチーズの歴史
2021/01/07 22:53
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投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
チーズについてヨーロッパからアジア、日本までの歴史やチーズの種類について書かれている。原本が1977年出版なので少し古いなと思う記述もあるが読みやすい
文明論がかえってうるさい
2023/11/01 09:28
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界各国の素直なチーズに関する沿革や解説の部分はなかなか良かったが、中盤以降の世界史通史や文明論の部分は、半世紀前の通説が基になっているせいか、かえってうるさく感じてしまった。もっともっと食品科学的な記述や、世界の民俗的な記述を期待したのだが、十分に書かれていなかったのが残念である。
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読書録「チーズのきた道」5
著者 鴇田文三郎
出版 河出書房新社
p215より引用
“筆者はかつて、「食の科学」(十二号、一九七五年)に、
「歴史的事実として、飢えを忘れた部族に生き残りはなかった」
と述べたことがあるが、一般に知られているように、部族の滅亡
の陰には、多くの場合この享楽型食文化が発展していた。”
チーズ研究に明るい農学博士による、世界各地の乳文化、とり
わけその中のチーズの歴史を記した一冊。
著者とチーズとの出会いから食事文化におけるチーズについて
まで、人類史の出来事と並べながら書かれています。
上記の引用は、食事文化類別の中のチーズについて書かれた項
での一文。美味しい物を食べたいのはもちろんですが、楽しみば
かりを追いかけて食べるのは考えた方が良さそうです。
いつでも楽しみを追い求めていると、結局満足できることが減っ
ていくばかりのような気がします。美味しい物は、たまに食べる
くらいでいいのかもしれません。
初版は昭和52年とのことですが、古さを感じない一冊です。
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チーズというのは、人類の歴史と共に歩んできた本当に面白い食品だ。その発生は諸説あるが、山羊の胃袋に乳を入れていたら、胃袋に含まれる酵素の影響で偶然できたものだという。その後世界各地で独自に進化を遂げ、数百種にも及ぶチーズが世界各国で食べられている。
最近チーズの勉強をしていて、ブルーチーズを食べてみたのだが、あの独特の臭みが僕は結構好きだ。
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2010年(底本1977年)刊。著者は信州大学名誉教授・農学博士。
モンスーン気候下にある地域では、牛・羊・山羊等の産出乳を利用した製品は定着せず、乾燥・牧草地で花開いたのだ。こういうステレオタイプ的思考を本書は排し、チーズを軸に乳製品利用の淵源から拡大への模様を解読していく。
生化学研究者・農学博士が、自ら専門とするチーズの、全く専門外の歴史的展開を叙述するのが珍しいはずだ。
西北アジア→欧州各地、西南アジア・アフリカ方面、印度→東・東南アジアと巡っていくが、欧州での適応放散的なチーズの多様性には吃驚させられる。
ところで、底本は古い。それゆえ、現代の理解と違う点も多いらしい。が、先駆的書ということで修正していないとのこと。