紙の本
血の匂いに酔ってしまいそう
2011/10/15 17:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
舞台は山奥に立つ巨大な洋館。
増改築を繰り返したために、迷路のような複雑な構造になっている。
館の中では行方不明者が続出していた。
調査のために集められた二十名もの霊能者たち。
ナル、麻衣たち渋谷サイキックリサーチのメンバーは、いつものように館の測量を始めた。
すると、内部に空洞の部分があることに気づく。
調査の間も、姿を消していく霊能者たち。
ということで、ゴーストハントシリーズ5作目。
巻を追うごとに面白くなっていく気がする。
不自然な増改築を繰り返した館の伝説は他もあり、その逸話や怪奇現象、伝説に関する薀蓄は今回もどっさり。
他のホラー小説とはちょっと趣を異にするシリーズだ。
麻衣の天真爛漫な性格や、同じように大雑把で天衣無縫な仲間たちとの掛け合いが楽しいのも、ホラー小説としては異質かもしれない。
本書では新たな登場人物が現れ、神秘に覆われたナルのベールが少しだけはがされる。
森まどかというこの人物、ほんわり柔らかなキャラクターで、ムードメーカーといった感じだ。
麻衣のナルに対する恋心も、じりじりと成長中である。
このあたり、普通の楽しい話として楽しめる。
しかし、話の中軸そのものは、やはり怖い。
今回も、なぜ館に増改築が繰り返されたのか?
それも、なぜこのような不自然な造りにしたのか?
というところが、事件の鍵となっていて、後半以降、一気に解決へ向かっていくのだけど、その過程がほんとに怖い。
麻衣が見る夢というのは、事件を解く糸口になっているのだけど、それが映像的に怖い。
生垣の迷路を二人の男によって連れて行かれる風景。
そのあと、わが身に起こる恐ろしい出来事。
そういった一連の事柄が、目に浮かぶよう。
今回はタイトル通りに『鮮血』と『迷宮』がキイワード。
血の匂いに酔ってしまいそうな一話だった。
紙の本
面白かったです
2022/03/14 13:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
人里離れた場所に立つ洋館が今回の舞台。怖さのレベルはシリーズ中一番ではないでしょうか。異常な建て増しの数々、次々と消える人びと、謎が明らかになってゆくにつれ見えてくるひとりの男の存在…怖すぎです。
紙の本
とかくありがちな単純なハッピーエンドに収束させないところがこの作家の力量なのかな
2011/11/12 23:40
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずっと気になっていた小野不由美を初めて読んでみた。初めて読むのにシリーズ物の第5作とは如何なものかと我ながら思うが、買った時には気づいていなかったのだからしょうがない。
で、残念ながらこれは僕が好きなタイプの小説ではなかった。ふーん、京大推理小説研究会出身ですか。その割には設定・進行ともに随分マンガっぽいね。まあ、そのあたりが僕があまり好きではない所以なのだけれど、でも、まあ、そこそこ面白かったのは事実である。多分シリーズ第1作から順序正しく読んできていたら、恐らく読んでいるうちにレギュラーのキャラがしっかり立ってきて、随分楽しみ方も深くなったのではないかと思う。
多分毎回そういう構成なのだろうと思うのだが、高校生を主なメンバーとする「渋谷サイキックリサーチ」が怪現象を解決する話である。で、今回は増改築を繰り返して迷宮のようになった大邸宅で行方不明者が続出し、それを解決するために全国から霊能者が集められたという設定。
この手の小説は展開が命なのでネタバレに繋がることは一切書かないが、今回は一連のシリーズの中で、語り手である麻衣の霊能者としての覚醒に少し焦点が当てられている。麻衣のある種の成長物語的なしつらえをしてあるところあたりが読者に受けている点なのかなあと想像したりもする。そして、彼女の能力が発現して彼女が見てしまう夢の描写は結構おどろおどろしい。また、渋谷サイキックリサーチの所長であるナルこと渋谷一也がてきぱきと判断して、結局のところ事件を解決したようなしていないような終わり方が僕は気に入った。とかくありがちな単純なハッピーエンドに収束させないところがこの作家の力量なのかな、などというのが初めて読んでみた者の感想である。
さて、次は大作『十二国記』に手をつけようかどうしようか、などと考えている。
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増改築を繰り返した結果、迷路のような構造を持つにいたった巨大な洋館。長年放置されていたその館は、地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者たちが召集された。SPRの一員として館の内部を精査していた麻衣たちは、あちこちに不審な空洞があることに気がついた。次々に姿を消してゆく霊能者たち。やがて明らかにされる、館の血塗られた過去。そして新たな行方不明者がついに・・・。
いやー怖かった!既刊の中で一番ぞくっとしました。血がぼたぼたとかリアル想像してしまうともう・・・においが一番きついだろうなと思った。色とかより多分先に気持ち悪くなる。それだけ大量にあったら錆っぽいにおいが充満してそう。真砂子が助かって良かったです。しかし最後に怪物を始末できなかったっていうのは微妙に怖い。これまでで初めてのパターンですよね。リンさんと麻衣の会話が深くてじわっときました。うーん難しいけど仲良くできたらいいなあ。しかしまあ、真砂子が握ってる弱みとかナルとリンさんの立場とか本編からズレた気になることが多々あります。最後までにちゃんと明かされるんだろうね?!
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怖いけど、これは多分漫画版のほうがより怖さを実感できる巻かもしれないです。血みどろで血なまぐさい世界観は、文章にするとなかなか難しいのかも。
しかし、次の巻まで綾子が何のためにいるのかわからないという…。いや、もちろんそういう設定なのは百も承知ですが。
安原さん、結構好きです。一見爽やかそうで実は腹黒いところなんか(笑)。
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まどかの依頼で怪しげな洋館へと調査に行くSPR。今回の霊も怖い。というか、生きていたころからの悪行の数々も怖い。背筋が冷たくなりつつ読みました。
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館の描写がリライトされてる?
まどかちゃんが訪ねてくるまでが長く感じた。
相変わらず怖え…Σ(´□`)
夢に見そうですな。
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今巻も怖くておもろかった!(≧∇≦)
これはかなり本格なゴシック&館ミステリだね。
意味不明な増築の理由がもう素敵っつーか怖いっつーかそーきたかっつーか。
複雑怪奇な館を、読みながら想像するのも実に楽しかった。
2ヶ月に1冊、じりじりと読み続けてきたこのシリーズもあと2冊かあ……
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中学生の時、旧版を読んで、背筋が冷えた作品。ン十年経って読み直しても、やはり一人静かな部屋では読みたくないくらい怖かった。どのあたりに手を加えているのか、今回もさっぱり分からなかったけれど、館の描写が詳細になっていた気がしなくもない…。
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ホラーではあるが迷宮の館が主役となっているため、最後の最後に少々、ホラー的になるだけで、いささか唐突感が強い。何ともできない恐怖を閉じ込めるという手法はミノタウロスの時代から続いているが、そもそもなぜブラドなのかが全く不明で、とにかく強力な敵役を用意するためだけに出てきて、手に負えないから焼いてしまうという終わりもどうかなとは思う。ブラドの逸話や生き血の風呂の逸話という先入観がなくて読むのであれば、恐怖感があるかも。
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旧版よりも恐さが5割り増し!綾子を追いかけて人影が見えるところだとかいろいろ、ぞわっとした。鳥肌!
そして当然面白い!リライトではじめて読む人たちがうらやましい!
さて、
新しい登場人物はおそらくいない。
大筋には殆ど変わりがなかったけど、部屋に用意されているのがベッドじゃなくマットレスになっていて浴室のぼろさが強調されているところが大きな変化といえば変化かな。洋館まで辿り着くまでの描写が詳しく書き足されていて山中の幽霊屋敷という印象も強くなった。
リンさんと麻衣の会話はどうなるかなーと思っていたが変化なし。リンさんの結論にも麻衣の逡巡にも好感が持てる。
そしてやっぱり女中さんの過去を麻衣が夢見るところが恐くてこっちまで首が痛くなりそうだった。読みながらどうしても想像しちゃって顔がゆがむ。
昼間に時間が空くまで読むの待ってよかったー。夜に読んでたら寝つけなかった気が…
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ゴーストハントシリーズ5作目。
前作に登場した安原さんを「渋谷サイキックリサーチ」の「所長」に仕立て上げて、彼らが臨んだ事件は、これまでの「学校の怪談」を離れ、不気味な洋館で起こる神隠しである。
もと首相だという館の持ち主が、そこに住んでもいないのに何代も前から、無秩序に増築が繰り返されていた館は、まるで迷路のように奇妙な形をしている。そこで、肝試しをした青年が消え、捜索に入った消防団員が消えた。
そこであちこちから様々な霊能力者たちが呼び集められ、各々調査を始めるが、霊能力者たちも一人、二人と消えていく。
内容的にはかなりグロテスクなストーリーに仕上がっているが、ナルの正体(?)にも少しずつ迫っており(まだはっきりと明かされてはいないが)、彼ら主要登場人物のエピソード展開としても重要な部分となっている。
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恐らくシリーズ中一番怖い話。
悪霊シリーズの時より更に怖くなってたらどうしよう一人でトイレ行けない…!とか思ってたけど、思っていたよりは怖くなかったです。
想像より大丈夫だったってだけで怖いもんは怖いんだけども。
今回は目立った大幅加筆は特になし、かな。
屋敷内で失踪してしまう霊能者さんの描写と、あとは屋敷の説明が増えてたくらいかねー。
失踪時の様子もより詳細になっていて怖い…。
本編の至る所に浦戸(の下男かな?)の存在を感じて恐怖。
麻衣も最後の方さりげに危なかったですね。
ただ、末松さん?だっけ。
奥さんが変死したりとか書いてたけど、あれちゃんと回収されてた?
結局事件に関係あったのか、ただのボケだったのか。
あそこだけ自分の中で落とし所がないまま終わってしまってちょっともやっとしたよ。
加筆されてるのに回収されないなんてこと主上がすると思えんので、私が見落としているのかそれとも今後何かに繋がってくるのか。
読み返しつつ続きを待ちたいと思います。
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血の……臭いがする
増改築を繰り返し、迷路のようになった幽霊屋敷へ集められた霊能者たち。シリーズ最大の恐怖がSPRを襲う!
複雑怪奇な洋館に隠された、恐るべき秘密
「助けて」
「死にたくない」
増改築を繰り返し、迷路のような構造を持つ巨大な洋館。地元では幽霊屋敷として名高く、中に入った者が行方不明になる事件が連続して起こる。この館を調査するため、二十名もの霊能者が招集された。複雑な内部を調べていた麻衣たちは、館内に空洞があることに気づく。次々に姿を消す霊能者たち。やがて明らかにされる、館の血塗られた過去。
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ついに浦戸まできたかー!
ビクビクしながら夜中に読むのが楽しかったw
でもなんかホラーっていうか、『浦戸館の殺人』っぽかったwww
初版/2011.7.15 購入/2011.7.20 読了