紙の本
2005年7月から2010年4・5月の間に雑誌「創」に掲載されたもの
2018/09/11 23:43
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは2005年7月から2010年4・5月の間に雑誌「創」に掲載されたものを集めたものだ。その時の時事的なことに関してのものが多く、改めて当時の事が甦ってくる。森達也の他の本を読んだ方は、同じような内容だと感じる部分もあるだろう。それだけ森達也はブレていないということかもしれない。
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月刊誌「創」に連載されたものを編纂したメディア論。
確信犯的に執筆当時のメディアに関する事象を扱っているため、
やや古めかしい印象は否めないものの、
揺れながら、煩悶しながら、自覚するモリタツ節は健在。
これまでのモリタツ一連の作品、例えば
「死刑」や「世界はもっと~」の続編・集大成的色合いが強い。
同じくメディアを扱った内田樹「街場のメディア論」が普遍・本質に迫ったものであるならば、
同書はあくまで現場・具体論にこだわった作品といえる。
メディアリテラシーとは、「嘘を見抜く」「騙されない」ということではなく、
「視点を変えれば違う実相が見えてくることを担保しながら接すること」
という氏の主張には大いに納得
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雑誌「創」の連載をまとめたもの。
2005年5月〜2010年5月までのものだがマスコミや国民の抱えている短絡的で多様性や一人ひとりの主観があることを考えない姿勢は一貫している。
この姿勢は世論に強く影響を受けている政治や司法の状態は大きな問題をこの先起こす原因になるだろう。
例として日本の治安に対するマスコミの姿勢について述べられている。
殺人事件の認知件数が戦後最小を記録し続けているのに、それはまったく報道せずに治安が悪化しているというイメージを作り上げているということである。
マインドセットの「スコアに注目せよ」のように客観的な数値をもとに判断をしないと過ちを犯してしまう。
そして、客観的な数値をもとにしていない判断に惑わされないようにしていきたい。
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月刊創での連載をまとめた本。森さんの言ってることはどの本でもほとんど一緒で代わり映えしないけど、この本では、当時の時事や体験を通した森さんの極私的な視野から見たメディアや社会に対する違和感が書かれていて、なかなか面白かった。
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映画「A」「A2」を観て以来の森達也ファンです。彼の作った映像も著作も、ずっと追いかけてきて、そのたびに、目からウロコ!しかも常に穏やかな語り口で、日本はこんな状態だけど、でも希望はあるよ、と言ってくれるのが嬉しかったんだけど、ここ、1年ほど、なんか、森さん、疲れてるんじゃないかなぁ・・と。もしかして、このまま日本は浅薄な方向に行っちゃうんじゃないか、と読ませられてしまうのが辛かった。でも、まだ私にもできることはあるはず。今回も、もうないのでは、と思っていた目のウロコをまた剥がしてもらったし、うん、やっぱり森さん、好きです。今度「A3」が発行されるのがとても楽しみ。