紙の本
休暇は果たせず。
2016/12/27 19:10
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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
<最後の魔法使者>第二部第二巻。
第一巻でカースとの国境争いを抑える任務からようやく休暇をもぎとって、排斥された思い出があるとはいえ帰郷を果たしたヴァニエル。
しかしそこでも隣国での王宮惨殺事件にまきこまれ……。
文字にすると不幸に見えるが、それでも三部作中では喪失の色合いが最も薄い部分というのがさらに不幸なのかもしれない。
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上・下巻をまとめて書きます。内容紹介を、表紙裏から転載します。
『最愛のタイレンデルを失って十年以上がたった。その間に隣国カースとの激しい戦いで多くの〈使者〉が亡くなり、生き残ったヴァニエルは孤独を埋めてくれる恋人が出来るどころか、休む暇もないほどの忙しさで戦いにかり出されていた。そんな彼が、避け続けていた故郷フォルスト・リーチに里帰りすることになった。折り合いが悪かった父も少しずつだがヴァニエルを認め、頼りにするようになってきたのだ。どうやら堺を接している小国リニアとベアーズがきな臭いことになっているらしい。
真夜中にヴァニエルを襲った悪夢。〈共に歩むもの〉イファンデスに導かれるようにして駆けつけた先は、リニアの都だった。そこでヴァニエルが見たものは、半狂乱になった〈共に歩むもの〉と追い詰められておびえるタイレンデルそっくりの少年の姿だった。少年を追い詰めているのはヴァルデマールの特使。少年がリニア王宮の人々を皆殺しにしたというのだ。〈共に歩むもの〉に選ばれた少年にそんなことができるのか?ヴァニエルは少年を保護したが、相手は心を閉ざしたまま。いったいなにがあったのか?』
〈最後の魔法使者〉は年代記では一番昔の出来事です。そもそも〈使者〉とか〈共に歩むもの〉などの不思議な存在があるのに、ヴァルデマールの地ではなぜ魔法が拒否されているのか、その原因がこの方だったわけで。まだこの第二部では魔法が使われています。
だんだん謎が明かされていきますが、今回は繋ぎの巻かな。
伯母サヴィルと姉リサ以外の親族とうまくいかず、父や母のことを考えただけで気持ちが沈んでしまうヴァニエルが里帰りして、何とか皆と折り合いをつけることが出来るようになるという、目出度い話でした。
ヴァニエルが疲れ果てているところから始まり、波乱に富んだ出来事ばかりでしたが。
お父さんとお母さんは結局本質は変わってないので、ヴァニエルのほうが大人になったということかなあ。でも弟はしっかりしてきましたね。弟も大人になったんだわ。二人は良い関係が築けそうです。
他にもいろいろな人との関係が変わってきて、最終章に向けての期待を高めてくれてます。
ヴァニエルが精神的に成長していく過程を知ることが出来て、読んでいて気持ちが良かったです。
すでに伝説の英雄として現代編に出てくるヴァニエルなので、行き着く先は分かっているのですがやっぱり面白いです。
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