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これは写真が先、それとも文章が先、あるいは両方? いずれにせよ現実感の薄い不思議な写真と三崎さんの文章がすごく合っています。お気に入りは置き去りにされた町を描いた「四時八分」、温かい気分になれる「彼の影」、滅びと再生が明確に現れている最後の短編にふさわしい「ニュータウン」。やっぱり三崎さんの静かすぎる文章が好きです。
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数千人の人々を乗せて海を漂う“団地船”、永遠に朝が訪れない町、“生態保存”された最後のニュータウン…。滑稽で哀しくて、少しだけ切ない連作短編集。
異世界を舞台に喪失感を描く相変わらずの三崎ワールド。初期の頃の作品にあった「どこかとぼけたユーモア」は少ないけれど、切なさに磨きがかかった。その消えたユーモアは写真家白石ちえこによる「在りえないモノ」の写真が補っている感も。やはり三崎亜記は独り善がりな?SFより本作のような作風の方が私は好きだ。
(A)
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三崎亜記の新作短篇集。
いつもの不条理でコミカルなものもありますが、
情緒的で深みのある表現が増えてきた気がします。
新たなフェーズに押し進んでいる感じ。
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『失われた町』『刻まれない明日』と同じ世界観をもった町をモチーフにした連作短編集。
不条理でちょっと切なくてどことなく滑稽で独特の喪失感をもった物語。
白石さんのモノクローム写真を元にこれだけの作品を紡ぎだす三崎さんは流石ですね。
ひとつひとつが短くてちょっと物足りなさを感じるところもありましたが三崎ワールドはやっぱり魅力的だ。
個人的には『四時八分』『団地船』『遊園地の幽霊』がよかった。
https://aspara.asahi.com/column/bookcafe/entry/ZaB1Q7j4aX
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やっぱり三崎わーるどです。タイトル作品は静謐なイメージ。かなわぬことですが,本当に多額の予算をつぎ込んでも,正確な予知ができれば・・・と思います。
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「歴史は繰り返す。歴史を変え得ない我々は、記憶を刻んでゆくしかないのだ。それがいつか消えゆく束の間のものであり、抗いようもなく手から滑りおちていくものとわかっていても。」
どうかなと思ったんだ。
なんだか、いかにもなタイトルだし、このタイミングで読む本じゃないのかもしれないと。
それでも、やはり三崎さんの新刊だし、読みたいなぁって。
連想だとか、考えは、止まらないのだけれど、そこにあるのは確かな希望。
だからこそ、読まれて、読んで、読みたい本なのでした。
やっぱり、ほら、思ったとおりだし。
とても、悲しくて切なくて遣り切れなくて苦しいのだけれど、光は必ずあって、救われるんだ。
それが、このような形の三崎さんの物語感なんじゃないかなぁ。なんて、知ったように思う。
やっぱり、この人の世界が好きなのでした。
どれも、美しい、素敵なお話でした。
【4/11読了・初読・市立図書館】
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■このタイミングでこのタイトル/この装丁ってのはちょっとアレなんだけど、今回はいくつかの短編集。タイトルになっているのはダムで水没する町の話ね。何もしない週末の日曜日...夕方から一気読み。
■ 短編だろうが、長編だろうが相変わらずの三崎ワールド。読み始めた瞬間にどーんとその世界に放り込まれてしまうのはいつものこと。思わず「すげぇ..」って声が出ちゃったのは『団地船』という設定。巨大な団地を丸ごと飲み込んだ(載せた)船。随所に出てくる 白石 ちえこ さんの写真がまた嵌りすぎるぐらい嵌っていて。
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遊園地の幽霊
元遊園地のあった場所に住む人が同じ夢をみている。
海に沈んだ町
自分の家のあったあたりに船で行くが、一番深いあたりなので全く底が見えず。国は沈むのがわかっていたようで駅が橋のように残っている
団地船
船のように浮いている。横波に弱く、一瞬にして沈んでしまう。
幼馴染は沈んでしまった。
四時八分
全員が寝てしまう。眠らなかった少女がガイド。年をとらない。
眠に落ちた訪問者はビジネスホテルへ。
彼の影
影が入れ替わる。相手が風呂に入る時は困った。自分の影が写らないように暗くして入浴。手をふると相手も手をふった。
冬至で影は元通りになる。
ペア
ペアをやめようとすると引き留めの手紙がくる。2回きた手紙の筆跡は違っていた。何のためのペアなのか?
橋
予算の都合で橋が壊されると役所から連絡が来る。車で川を渡れなくなる。
巣箱
巣箱が町にとりつく。どんどん増えていくので駆除。
ニュータウン
廃墟になるNTを守る法律。下界から孤立。一番若い女性でも41歳。
監視員が子供を発見。監視員と内部の女性との間にできた子供。
NT法はなくなった。情報はもれていた。
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もちろん三崎さんには全く非は無いんだけど、この時期にこのタイトルはつらいですね。
作中にも“団地船”の転覆事故なんかも描かれているし。
そういったタイミング的なものを除けば、やっぱり三崎亜記さん、この世界観は好きだなぁ。
失われていくものに対する諦観と、かすかに見える希望。
『遊園地の幽霊』『彼の影』がお気に入り。
『ペア』はよくわからなかった。
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時に「三崎ワールド」などと呼ばれることもある、シニカルでせつない物語世界は、とても自分と波長が合います。いくつかの「街」をテーマにした短編がキーワードでつながっていくスタイル。1編1編は独立しながら、どこか漂う雰囲気は似ている。そんな不思議な世界観があります。本書のための書き下ろし『ニュータウン』の、今の日本の風潮を極端にして皮肉すたいるは、まさに「三崎ワールド」の真骨頂なのかもしれませんが、個人的には『団地船』や『彼の影』といった、せつないけれど、あたたかい作品に惹かれます。「街」をテーマにしながらも、三崎さんが描き続けているのは「人」の姿なんですよね。
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町と、そこで暮らす人々を描いた連作短編集です(^^)/
キーワードによって、次のストーリーへと想いがつながっていくような構成でしたね(*^_^*)
今回、写真とのコラボになってて…不安感や恐怖に形を与えられたかのように、いつもの三崎先生の作品よりリアルに怖くて薄気味悪い感じがしました(@_@;)
『ニュータウン』っていうタイトルのお話があって…ニュータウン在住の私にとっては、身につまされる部分がありましたし(-_-;)
今回の震災被害と印象が重なるようなお話もあって、読むのが辛い方もいらっしゃるかも??って思いましたね★
だけど好きな作品だし、良かったですよ~♪
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身近なモノや現象を不思議のタネにしてしまう三崎ワールド健在。好き嫌いはあるでしょうが、今作も満足です。
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装幀・本文レイアウト:バーソウ
カバー&本文写真:白石ちえこ
遊園地の幽霊
海に沈んだ町
団地船
四時八分
彼の影
ペア
橋
巣箱
ニュータウン
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「街」をテーマにした短編集。白黒の写真が多く挿入。団地がそのまま船になっている団地船の話など、現実世界ではあり得ない設定だが、妙に緻密な状況描写のため、軽く読める。
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「町」をテーマにした写真とのコラボ短編集。
好みのアタリハズレ大。
「彼の影」がよかった。
【図書館・初読・7/1読了】