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東北の田舎を舞台に、理想郷を建設を目指した村に取り残されてしまった若者、村の再起は自分の生きる道でもあるが・・
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東一。エゴのかたまり。周りの人の気持ちが、全く理解出来ない。
マヤ。家族がいない。周りに無条件の愛を注いでくれる人がいないせいか、自分を大切に出来ない美少女。
救いようのない2人が、最後に、諦観に似た、ほのかな希望に辿りつく。
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内容(「BOOK」データベースより)
大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女マヤと出会った。父親は失踪、母親は中国で行方不明になったマヤは、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、外国人妻とともにこの村に流れ着いたのだった。自らの王国「唯腕村」に囚われた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境…東アジアをこの十数年間に襲った波は、いやおうなく日本の片隅の村を呑み込んでいった。ユートピアはいつしかディストピアへ。今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて猫き尽くした渾身の長編小説。
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東京島、メタボラになんとなく雰囲気が似ている。
社会原理主義を理想として、皆平等に暮らすという目的で、
集まったイワン村の人々。
社会主義の轍ともいうべきか、ある段階で村人の士気は下がる。
その雰囲気や村の生活に鬱屈がたまっている、理事長 東一が
村を自分の思うようにするためにどのようにするか。
下巻に期待。
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ユートピア「唯腕村」でのドロドロした感じのお話。
ユートピアってなかなか難しい。
異空間な感じでちょっと覗いてみたいけど、そこには現実以上の現実が待っているんだなぁ。。。
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まだ上巻だけなので何ともいえないけれど、桐野作品の切れ味には、いつもながらに感じ入る。白樺派の理想主義、理想郷をテーマにコミュニティのありようを、抉り出している。
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主人公が身勝手に見えてしまい、どうにも共感できず・・
面白いか面白くないか、と言われれば面白くなくはないのだが。
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1997年、27歳の高浪東一は理想社会のコミュニティ「唯腕村」で
この世界の外を知らずに育った。
「唯腕村」は東一の祖父 高浪素峰と白樺派の作家 羅我誠の
理念から生まれた村である。
かつての村の繁栄を父であり理事長である 素一や村の歴史で
知ってはいるが 今や ただ、毎日の生活に追われる
貧農コミュニティに過ぎない。
そんな夢も希望もないような村へ一つの家族が入植したいと訪れた。
一家の父、北田は胡散臭い博識家、東南アジア系の妻と小さな男の子、そしてその両親とは血の繋がらない人目を引く美しさを持つ少女マヤ。
この一家の入植が立てたさざ波がやがて大きな波紋となる。。。
桐野夏生の作品にしては今の所、余り湿度を感じない。
が下巻を読みたくて気が急く。
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図書館にて。
新しい本の割に本棚に合ってびっくり。
男性の主人公、東一のどろどろとした孤独な世界にもうお腹いっぱい。
世の中には、どうしようもなく逃れられない生まれや運命があり、そこから幸せになるのはなんて難しいことなんだろうと思った。
サクサク読めるが、気持ち悪い。
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私有財産と個人の欲望を否定した理想郷の建設を目的として、かつて東北の寒村に作られた唯腕村。
しかし近年、過疎化や高齢化の影響は避けられず、創立者の孫・東一(といち)は共同体の維持にあえいでいた。
ある日、村にマヤという美少女が漂流してきたことをきっかけとして東一は暴走を始め、村を己の意のままに改革しようとする―。
高邁な理想を掲げてつくられたユートピアの内実は、ドロドロとした生臭い欲望にまみれた現実社会そのもの。
ユートピアが、その本来の意味である「どこにも無い場所」であることを皮肉にも実証している。
そんな村の純血種、欲望の申し子である東一のキャラクターが強烈。
自己中で貪欲で狡猾な東一の人間性に辟易しながらも、でももどこか愛嬌があって憎むことができない。
村を一度捨てるも、やっぱり村に囚われていて結局そこを拠り所とするしかない彼が何だかかわいそうになってくる。
母親に運命を翻弄され、東一の欲望に蹂躙される、少女であるマヤの無力さも痛ましい。
弱者である彼女が図太さを身につけ浮世をサバイブし、凡庸なカタルシスを抱かせないところが桐野作品らしい。
ただ、北と関わりのあるマヤの母親の物語が、本筋の唯腕村の物語にフィットしていない。
要素を詰め込みすぎていくつかのテーマはなおざりにされているため、お話としての強度を欠いている気がする。
面白いけど、なんかとっちらかっている印象を受けた。
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大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女マヤと出会った。父親は失踪、母親は中国で行方不明になったマヤは、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、外国人妻とともにこの村に流れ着いたのだった。自らの王国「唯腕村」に囚われた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境…東アジアをこの十数年間に襲った波は、いやおうなく日本の片隅の村を呑み込んでいった。ユートピアはいつしかディストピアへ。今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて猫き尽くした渾身の長編小説。
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理想の共同体を目指して作られた唯腕村(イワン村)にも高齢化の波が押し寄せ、ただひとり村に残った理事長・素一の息子・東一は葛藤しつつもなんとかしなければ、と苦悩する。だが、若さゆえの浅慮や短絡的な行いもあって村人たちの心を繋ぎ止めることも叶わない。一度は村を離れ東京の実母の下に転がり込んだ東一だったが、その間に父・素一が急死し、村へ帰りはしたが、雪崩れるように人びとの心は離れていくのだった。平等を謳った共同体の危うさと人心掌握の難しさを思い知らされるような一冊である。下巻でどう展開していくのかたのしみである。
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阿部和重の「シンセミア」等もそうであるが、
ローカルな閉鎖的とも言える社会で、
一見平和に均衡を保っている個々人が、
腹の中では実に人間らしい思いを抱えており、
一線を超えダークサイドに落ちてゆく過程の物語は、
作者の筆力もあり、大変読み応えがある。
ラストを読むと続編を考えているのかな、と勘ぐってみたり。
2 人のその後、マヤの母、脱北者について、もっと知りたい気がする。
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この作者の本としては読み進めづらかった。
主人公に共感できないからだろう。性的妄想にとらわれ続ける東一、美少女と言うだけで鼻持ちならないマヤ、他の登場人物も皆強かで好きになれない。
作者が何を書きたかったのか判らない分疲れた。
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人間を駆動するのは使命感とか理想とか、ましてや大地なんかではなくて、結局二項関係のみがボクらを生きながらえさせてくれる、っていうなんだか今のボクには無闇に納得のいくお話。
あとあれだ、年とりたくねぇ。マジで。東一と概ね同い年だし俺。
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山形県の山奥に作られた理想郷「唯腕村」の物語。
正直、全く読み進まない。なんだろう、読みにくいというか楽しくない。