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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.6 55件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2011/02/16
  • 出版社: 文藝春秋
  • サイズ:20cm/444p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-329900-6

紙の本

ポリティコン 上

著者 桐野 夏生 (著)

大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女マヤと出会った。父親は失踪、母親は中国で行方不明になったマヤ...

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ポリティコン 上

税込 1,728 15pt

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商品説明

大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。1997年3月、村の後継者・東一はこの村で美少女マヤと出会った。父親は失踪、母親は中国で行方不明になったマヤは、母親の恋人だった北田という謎の人物の「娘」として、外国人妻とともにこの村に流れ着いたのだった。自らの王国「唯腕村」に囚われた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境…東アジアをこの十数年間に襲った波は、いやおうなく日本の片隅の村を呑み込んでいった。ユートピアはいつしかディストピアへ。今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて猫き尽くした渾身の長編小説。【「BOOK」データベースの商品解説】

文学者らがつくった理想郷「唯腕村」。村の後継者・東一は美少女マヤと出会い、この村を自分の欲望のためだけに使うことを決意する。『週刊文春』ほか連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

桐野 夏生

略歴
〈桐野夏生〉1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒。「柔らかな頰」で直木賞、「東京島」で谷崎潤一郎賞、「女神記」で紫式部文学賞を受賞。

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みんなのレビュー55件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

芸術家、哲学者、教育者、なんでもいいんですが、所詮は人間です。芸術家にもいい人もいれば悪い人もいる。人格者もいれば犯罪者だっている。犯罪者にだって善人も悪人もいる。理想郷の中の人間を赤裸々に描いています。

2011/12/15 18:18

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ともかく力強いカバー画です。力強い線、強烈な色、絵そのものとしてみても、これだけの作品にどれだけ出合えるか。装画の福井利佐って、何者だろうと思ってしまいます。ということで、いつものようにネット検索。素敵なHPを発見、そうですか切り絵作家さんですか。しかも、ポリティコンの原画展まで開かれている。1975年生まれ、多摩美卒、美女です。年齢をどうどうと書くだけの自信が溢れているというか。そして、掲載されている作品は、それも強烈、もの凄いパワーです。受賞暦も立派、こんな人がいるんですね、と感心。

こういう人を見つけて、自分の仕事で使うというのは装幀者のセンスであり、張り巡らしたアンテナの力でもあります。装幀の関口聖司にも拍手をしておきましょう。2010年の装幀、というかカバー画を振り返るとき、ともかく何らかの形で触れずにはいられない仕事です。では、この画につつまれたお話のほうは、どのようなものでしょうか。この本を見かけた人、誰もが抱く疑問です。

出版社のHPの言葉を、借りましょう。
                  *
大正時代、東北の寒村に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕(いわん)村」。1997年3月、村の後継者・東一(といち)はこの村で美少女マヤと出会った。マヤは北田という謎の人物の「娘」として、この村に流れ着いたのだった。自らの王国に囚われた男と、国と国の狭間からこぼれ落ちた女は、愛し合い憎み合い、運命を交錯させる。過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、外国人妻、脱北者、国境……東アジアの片隅の日本をこの十数年間に襲った波は、いやおうなくふたりを呑み込んでいく。ユートピアはいつしかディストピアへ。今の日本のありのままの姿を、著者が5年の歳月をかけて描き尽くした渾身の長編小説!
                  *
ちなみに、ここでいう著者がかけたという5年の歳月ですが、初出データは

(第一部)週刊文春 2007年8月16・23日号~08年11月27日号
(プロローグ及び第二部)
別冊文藝春秋「アポカルプシス」を改題。2009年1月号~10年11月号

と記されていて、この期間で言えば3年と少し。ただし、対談によれば「タイトルも構想も二〇〇五年には出来ていた」そうですから、それならば5年といってもおかしくはない。でも、出版社は本の紹介文の中に「構想から7年、単行本としては著者初の上下巻となるこの大作」と、さらに2年遡ることまで書きます。これは対談には出てこない数字。なんだかなあ、日本の起源を年毎に遡らせ、古くからあったから偉いんだ、みたいな文部科学省のやりかたみたいで、いやだなあ、こういうの。問題は小説の中身でしょ、ねえ。

で、です。実際にこういう村はあると思います。でも、私は幸いにして、というか不幸にしてというか、自分の目で確かめたことはありません。ただ、ユートピア村でなくとも、多くの地方の村では住民の高齢化が進み、若い人は村を出て行き、村自身の存立があやうい、という現実は実際に目にします。そして、そういうところにも、というかだからこそ農業は破綻し、生きていくために食品偽装も行い、外国人妻を迎え入れざるを得ないといことになっている。

そういう意味では、芸術家の村に限定する必要は少しもありません。似たような状況は日本中いたるところに存在します。しかも、そういう数多ある村のなかで、見事に復活するところも数少ないながらあります。無論、単純に農業村として蘇るのではなく、観光化しながら生き残る。どこにその違いがあるか、となれば経済小説になるのですが、桐野が描きたかったのはあくまで人間です。それも男女関係。それが村の後継者・東一と村にやってきた美少女中島マヤとの間のことになります。

東一は全く魅力のない尊大な27歳の男で、彫刻家・高浪素峰の孫。唯腕村で生まれ育ちました。若者が離村するなか、村に残った唯一の若者です。地元の高校を卒業後、養鶏をし、雪を下ろし、年寄りを助けて村の雑事に奔走しています。村に恋をしたくなるような女が一人もいないことが最大の不満。しかし、唯腕村自分の「祖国」なので、見捨てるわけにはいかないという気持ちが強く、外見は「熊のように醜い体に、美しい顔が乗っている」といわれます。

マヤの本名は真矢、子供のころ、「仲間」と「友達」に囲まれて暮らしていました。父はロシア人の血を引く朝鮮人、母親は日本人で、そのせいか誰もが振り返るような美少女です。父親は家族を捨てて行方知れず、母親・悠子もマヤが高校二年のとき、中国に旅行に行く、といって家を出たまま失踪失踪しています。マヤは「真っ黒な髪を横で分けて、胸のあたりまで垂らしている」美貌の持ち主で、高校二年に進級する春に、父親代わりの「北田」に連れられて唯腕村に来ました。

そう、マヤの家族は複雑です。いや、本当の家族については一緒に暮らしていた「仲間」と「友達」が何者であったかということや、両親の失踪については問題があるものの、それ以外は決して難しいものではありません。でも、唯腕村に来た時の彼女の家族は、普通ではありませんでした。まず、北田実ですが、マヤの母親の「仲間」だった人物で、母親とかつて交際していたといい、母親の失踪後、マヤの父親代わりになるといい、唯腕村に入り込むときに、「北田」と名乗ります。

父親代わりの北田に対して、母親代わりとなるのがスオンです。彼女は中国朝鮮族出身で日本の農家に嫁いで、アキラを出産後、文化が合わずに離婚――したことになっていて、北田の妻、マヤの母として唯腕村に入り込みます。アキラことアンヒョルは、マヤの弟という扱いですから、偽装家族としての入村ということになります。

東一とマヤ、二人の間の男女関係を描く、といっても相思相愛、ではありません。マヤを東一が追いかけるというのが正しい。マヤにとっては、東一は周囲に数多いるオヤジたちの一人でしかありません。だから、桐野の筆は彼ら二人のすれ違いを描くよりも多くを、芸術家村生え抜きのメンバーたちの生活、あとで参入してきた新住民との問題なども、村と外部との関係なども描いていきます。

羅我誠と高浪素蜂ば村を作った背景にあるのは、藝術を背景にした理想の行き方を追い求めるというもので、白樺派の武者小路実篤がつくったという新しき村を思えばいいでしょう。私もこの文章を書くため調べていて初めて知りましたが、実は、その新しき村、2011年現在も埼玉県入間郡毛呂山町に健在なんだそうです。驚きでした。

でも、この話で特徴的なのは、入村した北田たちに誘われるようにしてベトナムや中国の女性が身を寄せてくるあたり。ともかく、一見浮世離れした村ですが、経済的な波に翻弄されながらも生きる道を模索するあたりも含めてまさに現代日本。東一とマヤ、二人の間の男女関係を描くと書きましたが、全体的に見ればマヤの峻烈な若々しい行き方に共感を覚える私でした。日本を動かすのは、やはり若い力でなくては・・・

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紙の本

希代のストーリーテラーの面目躍如

2011/03/30 08:58

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る


いつもながらこの作者は物語の設定がコンテンポラリーである。今回は庄内平野の奥の農村部に小説家羅我誠と彫刻家高浪素峰が創設した武者小路実篤の「新しき村」のようなコミューン「唯腕村」を舞台に、かつて高邁な理想を追った公共思想家たちの子孫や後継者たちの現実に翻弄されてゆく混濁を凝視している。

創始者の衣鉢を継いだ新理事長の高浪東一を軸にして、創始者の同世代の一癖もふた癖もある老人たち、インテリ崩れのいわくありげなホームレス、母親が北朝鮮でとらえられた美少女、アジア系の魅力的な女性たち、「唯腕村」の無機栽培のブランド品等を都会に流通させてひと儲けしようとたくらむ得体の知れないビジネスマンなどが次々に登場して、読む者の興味を強烈に惹きつける。希代のストーリーテラーの面目が躍如とした上巻といえよう。

私有財産と欲望を否定し、愛と平和と社会貢献の大義名分を掲げて突き進んできたユートピアの輝かしい理想が、容赦なく押し寄せる高齢化や過疎化、グローバル経済化の嵐の中で、どのようにサバイバルできるのか、またどのような思いがけない変異を見せるのか?

最近おおかたの関心を集めてきた「新しい公共」というトレンドと戯れるような著者の壮大な思考実験の行方やいかに。下巻の疾風怒濤の大爆発が待たれる。

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紙の本

小さき村に暮らす私たちは心まで小さくなってしまった

2011/03/08 17:21

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

大正時代に武者小路実篤が建設した「新しき村」が
現在も存続しているんですね。
この新しき村に着想を得て、
芸術家たちの共同体――ユートピア「唯腕村」(いわんむら)を舞台に
現代日本の姿を凝縮させた長編小説です。

白樺派の作家・羅我誠が資金を出し
彫刻家の高浪素峰がコミュニティの理事長として
村をまとめていきました。
「唯腕村」はトルストイの「イワン王国」からとったという。
まさに、理想社会を目指したコミュニティでした。

それが戦争や高度経済成長、バブル崩壊の波をかいくぐり
80年以上たった1997年。
若い人はみな村を出ていき、素蜂の孫・東一(といち)だけが残り、
高齢化した村への権力欲を持っています。

この東一がどうしようもない。
強欲で権力を振りかざすのが大好き。
しかし危うい局面では、その場を乗り切ることだけで
深く考えることもしない。
自分の都合だけを優先させます。

最悪なのは、新しく入居してきた擬装一家の女子高校生・マヤを
借金のかたに、ヤクザのキャバクラに売り払ってしまう。
堪忍袋の緒が切れました。

つまり、彼をこのような人物造形にしたこと、
そして、この唯腕村が不法滞在者やホームレスの隠れ家として
機能していることから、この村が現代日本の醜悪な姿と
ぬるま湯体質と重なりあいます。

東一は、養鶏と高齢者の年金だけでは背負いきれない村の経済を
どうにかして立て直すべく、借金をしますが
返すあてはありません。

村人には耳障りないい言葉を適当にしゃべり
しかし村の建設的な政策は立てられません。
中身の伴わない広報活動だけは熱心で
一人こっそりと儲けている村人は許せず、
いいとこどりだけを画策します。

物語は、東一とマヤの語りによって展開します。
マヤの背負った運命の過酷さもすごい。

この小説が5年という歳月をかけながら
発表媒体が変わっていった経緯もあり
構成そのものはあまり感心しません。
むりやりテーマに落とし込んでいったこともあります。

帰着も能天気すぎて、これも日本のぬるま湯なのか、
なんなのかよくわかりません。

農業コミュニティを描くのなら
2010年代、つまりこれからこそおもしろいでしょう。
年代のちょっとした差で、国民(読者)の農業への関心度が
変わっているのが、不利でしたね。

それでも一気に物語に引き込む筆力はあり
崩壊ギリギリを歩む唯腕村はおもしろい。
東一もまた、不思議な運命に生まれた
ちっぽけな男だったのでしょう。

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2011/11/03 22:56

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2011/04/02 12:39

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2011/02/27 13:02

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2011/03/29 10:23

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2011/05/10 08:44

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2011/05/07 00:17

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2011/05/26 19:19

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