紙の本
一穂作品としての魅力があふれた作品
2016/03/27 22:45
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
体育系先輩×帰国子女後輩、からの13年後に続く話。
一穂さん、やっぱ文章を書くのが上手いな~。
イエスかノーかからハマった口なのですが、センシティブな文章はシリアスな雰囲気だと、より映えますね。
一束の帰国子女ゆえの葛藤や、恋に落ちていく描写が秀逸です。
例えがいちいち共感できて胸に刺さるから、きっと物語に入り込めるんだろうなと思います。
シリアスは苦手なのですが、一穂さんのは胸に来ても苦手な暗さは無いです。
読後も良い本読んだ!っていう充実感がありますし。
ペーパーバックまで積んであるので、次の本も楽しみ。
電子書籍
新聞社シリーズ
2019/01/14 10:31
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
香港からの転校生・一束は、日本にも教室にもなじめずに立入禁止の旧校舎でまどろんでばかりいる。そんな一束だけの世界を破ったのが、二つ先輩の圭輔だった。心理描写とても上手いし、風景の描写なんかパッとイメージ出来そうなくらい事細かく書かれている。廃校舎の中や香港の街並み。高校時代にすれ違っていた2人がようやく大人になって結ばれて良かった。
電子書籍
かつての香港が染みる作品
2021/04/12 12:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
‘97年と2010年あたりを舞台とした香港色の強いお話です。読む節から、匂いや、コントラストの強い自然や人口の色、喧騒までもそこにいるかのように感じます。香港での登場人物はみんな個性的で愛おしく、特に佐伯についてはoff you goを既読なので彼の偏屈な生き方にも納得して読み進めることができました。本作とoff you goはどちらを先に読んでも大丈夫だと思います。
感情が昂った告白シーンや佐伯の嫉妬にはキュンとしました。
紙の本
新聞社シリーズ1作目
2016/12/06 14:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:黄龍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
心理描写とても上手いし、風景の描写なんかパッとイメージ出来そうなくらい事細かく書かれている。廃校舎の中や香港の街並み。高校時代にすれ違っていた2人がようやく大人になって結ばれて良かった。ただくっつくのがちょっと唐突過ぎたいのでは?あと、今回は翻訳有りの広東語も混ざっているので、ちょっと読みにくかったかな。「1997」の最後のオチが良かった。返還年じゃなくて、水泳の記録ですか…。写真立ての中に「あの紙きれ」を隠してた圭輔が可愛いな。
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世界に引き込まれて一気に読んでしまう一冊。
高校生の鬱屈した想い。から13年後に飛ぶとは思わなかったが(^^;;それで香港返還の時代だったんだね。
ファミレスで広東語で想いをぶつける
一束。再会してからより、高校時代が印象的かな。
広東語のセリフが広東語で書かれててすごい‼だから世界に引き込まれるのかな?
自分も香港に行ったような感覚。
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久々に出会った小説の神作。一穂ミチの作品は繊細で綺麗ですが、この作品は特にピカイチ。高校生時代のぶっきらぼうで曖昧な関係性が素晴らしくて、その後の大人になった後の話は切なく苦くで本当に力作。ありきたりなストーリーでここまで楽しませるのは見事。こういう話が読みたかった。
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この方の本を読むのは2冊目、3冊目かな?くらいなんですが
小さな、でもぐっさりと抉ってくるような偏見(意見)が
表現されてるな~と。
終わりは割りとすっきり終るんだけど
なんかが残って行くと云うか。
香港の情景が、下町目線で描かれてるのは面白かった。
九龍ってクーロンじゃないんやね~。笑
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一穂さん、2作目。
読み応えあるなー
先日読んだのよりBLらしかった。
でも、前の方がかろやかさがあったかな
(内容的に軽い・・という意味ではなく)
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一穂さんらしい雰囲気。高校生→社会人再会物。受け後輩がゲイで、先輩は当時ノンケという…これも一穂さんの定番?(まだたいして読んでいない)が、終始淡々とした感じ。読後はほんわかいい気分。
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先輩×後輩
香港からの帰国子女である主人公は、周囲になじめずに転入した高校にある誰も来ない旧校舎でそっと自分だけの時間を楽しんでいた。ある日その旧校舎に先輩が一人入り込んでくる。
周囲になじめなかったはずなのに、先輩だけはなぜだか心を許せるようになっていた。
しかし、ふとしたすれ違いから仲たがいをしてしまう。
それから数年、香港で再会した二人は…
色々と詰め込まれた本なのに、雑然とせずにちゃんと消化されていて頭の中がとっても幸せな飽和状態になりました。
ただ、主人公の身体的な問題については、「え?そんな描写あったっけ?」と書かれている情報が少なすぎて思わず前に戻って確かめてしまったりした。
上司がひどいという見方もあるけど、それはそれでいいかんじ。
女性もいい意味でそこまで主人公たちにからんでこないし、実在しているような「リアル感」もよいとおもう。
大阪が舞台になったお話もおもしろかったです。
わんこがかわいいです。
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歌や本etc、 既存のイメージを利用しすぎる作家さんとの辛口評がありますが、一束が圭輔を案内する場所は 映画『慕情』を思いおこさせ、わくわく感ドキドキ感が増し、しだいに不安も大きくなっていく。
そして事件! 心臓バクバクしました。
蘊蓄? 知らないと損なのか、他人の作品のイメージを利用して伏線を張ったり補足するのはずるいのか。
香港が舞台の再会物…と言うより…健康で爽やかで 「いい人すぎる」先輩圭輔 VS 病弱だったらしい「人の悪い」上司佐伯。
圭輔が来なかったら 関係はあっさり終わっていたはず。一束とはお互い『自分が思っているより好きだった』ようだが。
一穂先生で、一番好きだった。スピンオフ『off you go』を読むまでは。
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舞台は香港です。先日読んだ『Off you go』はこれのスピンオフなんだね。。そっちのが、好きだな、個人的には。たぶん単純に好みの問題で。ひたむきに真っ直ぐに愛を乞うさわやかな攻とちょっと難しい、欲しがらない子の受。どっちもあんまり興味ないなぁ・・・微妙に。逆に佐伯密と一束の組み合わせの方が、興味がわいた。似たもの同士なんだろうな~と。その後の『Off you go』で密の隠された心の内を知ってしまっているので、そっちのが余計せつない感じがする。
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大人の一束が仕事をするところがもっと見たかったような気もする。佐伯さんがとてもいい味を出してました。佐伯って名前のキャラクターはどんな作品でも比較的いいところをさらっていくキャラクターなのが暗黙の了解。
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高校生編と社会人編の二部構成になっています。
舞台は日本と香港で、帰国子女の繊細ネガ受と、ノンケな
明朗攻という、一穂さんお得意のパターン。
もうこの作家さんの持ち味だというのは分かっているのですが、
蘊蓄が凄すぎて話に集中できませんでした……。
広東語に日本語訳までつけてくれちゃってたりしますが、中文
いる……?って思ってしまうのです。多くの作家さんがとる手法
ですが、中文は『』書きで区別でいいじゃん、と思ってしまった。
展開は相変わらず淡々としてて静謐な空気が漂ってます。
読み物としては観光ガイドのようで、まぁ普通に楽しめました。
あ。レーターさんがもの凄くいい味だしてたと思います。
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ざっくり斜め読み。
他の方のレビューで香港蘊蓄が多い、というのを拝見していましたが、確かに多い。再会したての二人の会話がほとんど香港の説明でしかない^_^;
ので、そのへんはさらっと流して読みました。
佐伯さん…先にoff you go読んでいたので、圭輔の若さや勢いに嫉妬する佐伯さんが切なかったです。
一束くんが居るときに、静、と呼んでしまうシーンも。
たぶん佐伯さんも、ハイヒールシャンパンのときから一束くんのこと好きだったと思うよ。
って、これ一束と圭輔の話なのに、なんか佐伯さんに色々持ってかれた感じw
ホントに斜め読みなので、またしっかり読み直したいと思います。