紙の本
理想のマンションが崩れるとき
2011/04/12 11:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見、邸宅かと見間違うくらいの風格を備えた、
吉祥寺のマンションを舞台に
離婚したものの、周囲に知られたくない女性、渚の視点で
人間模様を描きます。
住みたい街ランキングに必ず登場する街に
ゆったりとつくられ、豪華で、しかし落ち着きのあるマンション。
なぜか7階だけは隔絶されて直通エレベーターがついています。
ペントハウスレディとも言われる老女が
17年間、住人に見かけられることなく住んでいます。
なかなか魅力的で、ミステリアスな設定です。
さらに、渚の二つ隣の部屋に岡地一家が
越してきて、物語は動きます。
レトロ趣味ながら、ふんわりとした雰囲気で
幸せそうな奥さんのイメージがピッタリの映子。
小学校2年のかわいい男の子ケイト。
ケイトもまた、どこか人を惹きつけます。
ケイトによって、それまで人とあまり付き合わないタイプの
人が心を開いていきます。
しかも、いつの間にか彼は7階にも出入りしている様子。
そんな折、夜中に不審な物音がし始め、
ダイレクトメールが頻繁に届くようになります。
サスペンスタッチで物語に引き込まれます。
渚の怠惰な生活――いつかは働きに出なければならない、
が、動く気にならない――も
外の騒動によって緩和され、
憎めない男性ですが、元夫の勝手な離婚理由から
渚への同情も湧きます。
ただ、帰結があまりにも単純。
ここまで盛り上がったのに、残念です。
もうちょっとひねりのあるラストで終わってほしいですね。
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カバーの帯を読んだら、どんなおどろおどろしい(苦笑)ミステリーが始まるのかと思いきや…
どこにいても、誰だって他人から見たら秘密や謎が無い人はいないのですよね。
離婚した夫がくれたマンションに名前をそのままにして暮らしている主人公は、マンション内の不可思議なことに巻き込まれることになり、離婚により引きこもっていた生活から徐々に外へ向かっていく。
内にいろいろ秘めた他のマンションの住人(小さな住人も含め)も、再生されていく。
読後感が良い1冊でした。
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禍福は糾える縄の如し。読み終えた時ほっこりとあたたかくなりました。表紙が黒くて最初ミステリーかと思ったんだけど(~_~;)
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いきなり始まる戦前の女学生の別れを描くプロローグが謎への導入だ。都内でも住みたい街ナンバーワンの人気を誇る中央線・吉祥寺の駅から徒歩5分、井の頭公園に隣接する場所に分譲マンション「チャコズガーデン御殿山」がある。緑多い公園と違和感なく建てられた7階建てのチャコズガーデンは、イングリッシュガーデンの庭があったお屋敷跡に建てられたマンションで、その住まいの名残を残した設計が売りだった。そこの5階に暮らす、元スペーススタイリストで、夫にマンションを去られバツイチとなってしまった国友渚を中心に、チャコズガーデンで起きる奇妙な出来事が語られていく。サスペンスといっても、それほどミステリアスではなくもちろんオカルト的な話に進展するわけでもない。たしかに、冒頭におかれたプロローグの謎はずっと残るし、渚と同じフロアに引っ越してくる小学生・ケイトのやや怪しげな態度はちょっと謎めいている。しかし全体としては、いたって、ノーマルな小説という気がするのだがどうだろうか?
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井の頭公園に面するちょっと古いけど、こじんまりとした高級マンションを舞台に繰り広げられる推理小説なんでしょうか。でも、だれも殺されるわけではなく、ほのぼのとした感じです。何を推理するかというと、7階に住んでいるレディーが誰か?でしょうかね。マンション住民のプライバシーや住民同士のトラブル、それと向かい合う管理組合や、管理組合幹部の犯罪。ベースとなる問題は身近です。まあ、住民が高級マンションに値する(?)人間であっても、同じなんですね。
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本屋でなんとなく購入。
ホラーなのかなぁ?と買ったら、全く違った(笑)
こういう話、現実のどこかにありそうでなさそう。
人間関係が希薄になっていて、隣に誰が住んでいるのかも知らない現代。
それが当たり前。寂しいとか思う以前にそれが気楽でよかった。
でも、お隣さんが引っ越しの挨拶に来たのがきっかけで、そうもいかなくなって・・・。
まったりした小説。でも、読み出すと一気に読めた。
なんとなく寂しいときとかに読むといいかもしれない。
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明野照葉さんは、読まないうちから評判等から敬遠していた作家さん。たまたまかもしれないけれど、ホラーでも、女性の厭な部分全開?というのでもなく、読後感も悪くなかったので、良い1冊だった。また違う本も読んでみようと思った。
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この不可思議なマンションにあなたを引き寄せたのは最上階に住まう謎の女…。東京・吉祥寺にある瀟洒な分譲マンション「チャコズガーデン」。幸せに暮らしているようにみえる住人たちだが、内実はそれぞれが孤独で、誰にも言えない秘密を抱えていた。そんなある日、小学生ケイトたちの一家が引っ越してきた。それを機に、マンション内で奇妙な出来事が立て続けに起こった。それはある大事件と、大いなる真実へと繋がっていく―
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マンションの人々の秘密が次々と明らかになっていくが
展開はまったく予想していなかった結末に感動しました。
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お金持ちの秋介からあっさりと離婚された渚は,
慰謝料代わりに住んでいた吉祥寺のマンション「チャコズガーデン」の部屋をもらってそのまま住んでいる。
不安を抱えながらも引きこもっていると,同じフロアに家族が引っ越してきて,
さまざまなことが起こる。
ストーリー自体はどうってことはないが,
同じマンションに住む住人同士の「プライバシー」と「ご近所づきあい」の
描き方が楽しめる。
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内容(「BOOK」データベースより)
この不可思議なマンションにあなたを引き寄せたのは最上階に住まう謎の女…。東京・吉祥寺にある瀟洒な分譲マンション「チャコズガーデン」。幸せに暮らしているようにみえる住人たちだが、内実はそれぞれが孤独で、誰にも言えない秘密を抱えていた。そんなある日、小学生ケイトたちの一家が引っ越してきた。それを機に、マンション内で奇妙な出来事が立て続けに起こった。それはある大事件と、大いなる真実へと繋がっていく―。『汝の名』の著者が切り拓く新境地。感動の書き下ろし長篇サスペンス。
→サスペンスという感じじゃないな。
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吉祥寺にある瀟洒な分譲マンション「チャコズガーデン」に住む人々の話。
ある一家が入居してきたことにより、住民の顔が見えてくるという内容で、登場人物は皆ある程度裕福な良識人、どろどろした部分も大事件もない。
マンションといえども完全にプライバシーが保たれるわけでもないし、逆に隣の人の顔も知らないというのは良くないという。
ラストのマンションの在り方はよかった。
(図書館)
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なかなか良い感じの滑り出しだったのに~なんだかピントがずれていってしまい、残念!
おどろおどろしい話かなぁと思いつつ、出てくる人はみんないい人だし。
いや、予定調和が嫌いなわけじゃないの、決して。
でも、これは話の軸がどこか探っているうちに終わっちゃって、結局は「マンションライフ」ってこと??
おばあちゃんたちの話はなんだったのか?
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吉祥寺に建つおしゃれなマンションで繰り広げられる、日常の謎解き。
可もなく不可もなくという感じだけど、特に手に取って読むほどの価値はない。
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初期のものとは違って、読了感が非常によい作品だった。
普通に暮らしていたらなかなか知り得ないマンションの隣人のプライベート。問題が起こり、次第に一致団結していく住人たち。その中で明かされていく彼らの秘密。