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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.0

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

人間の正体

2012/03/08 08:03

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第一回団鬼六賞受賞作。
 団鬼六は知る人ぞ知る官能小説界の巨匠、SM小説の草分け的存在です。昨年(2011年)5月、残念ながら鬼籍にはいられました。
 その団鬼六の名を関する賞ですから、これは官能小説です。
 主催者の募集要項をみると、「あなたしか創れない情愛世界、新たな官能小説の可能性を拓く作品を待望」とあります。
 官能小説は当然成人向きなのですが、出版点数としては多いのではないでしょうか。出ては消え、消えてはまた生まれる。泡のように量産されているといっていいでしょう。
 ところが、官能小説の難しさはある程度定型化してくることです。だから、どうしても新たな書き手を模索することになります。
 団鬼六賞は芥川賞のように継続されればいいのですが、果たしてどうしょうか。

 主人公は美貌の和菓子職人である31歳の美乃。彼女を慕う由芽という23歳の娘が結婚するという話を聞き、美乃の封印された過去と性癖が現れてきます。
 封印された過去。それは、美乃が「かつて最も愛し、最も憎んだ」男とのすさまじい性の世界でした。
 美乃が男たちに調教され辱めを受ける場面。嫉妬から美乃が由芽をかつて自分がうけたと同様の屈辱を味わわせる場面。過激な表現が続きます。
 この物語の面白さは複数の女性の存在と、彼女たちに群れる男たちの個性です。複数の男女を描くことで、物語に幅が生まれたといえます。

 ところで、作者の花房観音ですが、女性作家だそうです。しかもAV界の巨匠ともいわれる代々木忠監督のスタッフでもあったという異色の経歴の持ち主です。
 女性にもこれほどに過激な官能小説が描かれることに驚きますが、団鬼六が作品を初めて書いた頃の、秘めたる愉楽が今や陽のさす世界にあらわれた証でもあります。
 そこから「新たな官能小説の可能性」が生まれるのではないでしょうか。

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2011/05/23 17:31

投稿元:ブクログ

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2011/11/08 00:00

投稿元:ブクログ

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2023/02/04 08:31

投稿元:ブクログ

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