紙の本
あらためて通訳は修羅場
2011/08/23 17:24
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
通訳人生40年にわたる修羅場の数々。
NHKの語学講座の教材に連載されたエッセイを
主に収録しているので、ほとんどが通訳や
イタリア語に関することです。
(イタリア語はひと言もわからないので
引用されているイタリア語はすっとばし)
ことわざを訳す難しさや
長々としゃべりだすイタリア人などは
ほかの言語の通訳でも同じ苦労があるでしょう。
そのほかにも
はじめから観光地を決められた旅行コースに
参加したのに、組まれていない法隆寺を見たいと
言いだすイタリア人。
外見の美醜とファッションセンスで判断するイタリア人。
本で読めば笑えますが、実際はあまり接したくない場面ばかり。
濃ーいイタリアの笑える話がつまった
楽しい語学エッセイ。
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イタリア語通訳の第一人者田丸公美子さんが通訳人生40年で経験した記録。
時代の変化とともに、通訳の仕事、通訳の姿勢が大きく変ったことなど非常に興味深い一冊である。通訳とは相手の国の言葉よりも母国語の知識の深さが大切だと強調する彼女には、心より同感する。ゆとり教育の弊害や英語教育開始の低年齢化は決してバイリンガルを育てないと私も思う。初めに日本語ありき!なのである。
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英語をはじめ語学を勉強する人の憧れる究極最終形態が通訳であることはまず疑いない事実だろう。ガイジンさんに何を言われてもスラスラと受け答えができる国際人の見本の様なステレオタイプイメージが容易に浮かぶ。でも現実は甘くない。労多くして功少なしの代表格。通訳なんてなるもんじゃないとの思いをまた強くした。この本はイタリア語通訳の第一人者である著者がNHKイタリア語講座テキストに連載されたコラムを中心に集めたもののようだが、これ読んでリスナーの皆さんは学習意欲がわくのだろうか(苦笑)
(続きはブログで)http://syousanokioku.at.webry.info/201109/article_2.html
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面白い。
少し硬いと感じるぐらい丁寧で美しい日本語だが、下ネタが多い。
これもイタリアの影響なのか。
イタリア人の「美」へのこだわりなど、ずっと通訳という立場で
イタリア人と接してきた筆者ならではの視点が新鮮だ。
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ロシア語の米原万里さんもそうですが、通訳者の書かれる文章ってユーモアに溢れ、読んでいて楽しくなってきますね。逆に言うと、そういったセンスがないと通訳など出来ないのかもしれません。本作もシモネッタの面白話が満載ですよ。
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須賀敦子先生の「いつも哀しみを背負っていた」という表現に不意に涙が出た。
全体的に、あまり浮き浮きしない文章。後書きを見たらテキストに載せてたものということ。納得。
やたらイタリア語が羅列してあるのも、それで納得。
めずらしくあまり面白くなかった。
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NHK出版ということで、
イタリア語を学んでいる人向けのテキスト・読み物に掲載された文章をまとめたもの。
なので他の本より『通訳という仕事』や『イタリア語(外国語)を話す』ことに関する話題が多い。
そしてイタリア語での記述がモリモリ。
その点はイタリア語で自己紹介も出来ない私は記号の羅列にしか見えないけれど、
ある程度学んだ人はとても興味深い内容ではないでしょうか。
これまでの本は面白話の詰め合わせという感じでしたが、
変わりゆくイタリアや社会情勢の世知辛さ、
通訳家業の難しさも書かれており、
考えさせられる部分もあります。
語学が出来る人が増えてきたからこそ、
通訳という仕事がこれまで以上に軽んじられている現状を嘆いていたり。
若い通訳の態度に苦言を呈したり。
通訳に限らず色々な仕事に当てはまることだなあと、
自分自身も反省しました。
書くネタは尽きないほどあるようですが、
この本でお笑い&下ネタ以外のベクトルにも広がっていく空気を感じて、
これからの著作も楽しみです。
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イタリア語スーパー通訳の田丸さんによるエッセイ。
これまでの著作とは漂う雰囲気が違うな、と思ったらNHKでした!
ぎりぎり昭和生まれで若輩者の私が言うのもナンですが、話していて「何その言葉!始めて聞いた~死語じゃないの?」と、たまに言われてヘコみます。いや、略語とか造語ではなく、ふつうに日本語なんですが・・
豊かな母語能力。せっかくのNHK出版なんだし、旧国営放送としてどうにかしてくれないものか笑
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イタリア語通訳者の通訳回想録。
同一著者のパーネ・アモーレと重ねっている部分もあるが、こちらの方が新しい作品である。
そのため、通訳者としての回想録の他に、通訳指導者としての回想録も含まれている。
通訳を行う際に、訳出先の言語圏にないものを通訳しなければならないことは、時間制限も科せられるので難しいと改めて感じた。
そして、翻訳の場合もそうであることが多いように、通訳の場合も、高度に専門的な内容を全くの門外漢が通訳しなければならないという理不尽さが存在する点に親近感を覚えた。