紙の本
世界が認めたジャパニーズ・ウイスキー
2011/12/10 04:21
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本は、世界的にも立派なウイスキーの一大産地である。しかも、世界の五大ウイスキーの一つに数えられる。ちなみに他の4つは、言わずと知れた本場スコットランド、そしてアイルランド、アメリカ、カナダである。これらに次いで5番目に日本が加わるところが味噌だ。もしかすると、それ以前は「四大ウイスキー」と呼ばれていたのかもしれない……。
しかし、消費量ではインドが世界一で、それなりの生産量もあるらしいのだが、インドを差し置いて日本が「五大」の一角を占めているのは、それなりに世界的な評価を得ているからだ。2010年には、世界的な酒類コンペティションである「第十五回インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ(ISC)」において、「山崎1984」が「シュプリーム・チャンピオン・スピリット」を受賞したという。これは、ウイスキー部門のみならず、同コンペティションにエントリーした全部門、約1000点の頂点に立ったことを意味する。文字通り、世界一の蒸留酒(スピリッツ)という評価を得たということだ。しかもこれは単なるフロックではなく、2003年に「山崎12年」がISCの金賞を受賞して以来、毎年のように日本のウイスキーが最高賞トロフィーや金賞に輝いてきた成果の結晶なのである。さらにはこの年、サントリー酒類株式会社が「ディスティラー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ、ダブル受賞となった。
本書では、そのサントリーのチーフブレンダーが、ウイスキーに関する薀蓄と、日本のウイスキー作りの特徴を余すところなく語ってくれる。
1983年をピークに、サントリーのウイスキーの売上げは下降線をたどる。著者が研究所や蒸留所の品質管理部門、貯蔵部門で過ごした後、ブレンダー室に異動になったのは1991年であるという。すでに40歳を過ぎていた。ここがサントリーという会社のすごいところだ。日本酒ブームや焼酎ブームや押されてウイスキーの人気が落ちていく中、負けずにさらに良いウイスキーを作るべく、布石を敷いているのである。それが、樽と熟成の研究に従事し、いくつもの現場を経験した輿水のブレンダーへの抜擢だったのである。
ブレンダーは、当時社内に5人しかいない、要の仕事である。それまでのメンバーは、ブレンダー一筋という職人たちであった。ここに、現場と一体となったウイスキー作りを推進するため、輿水が送り込まれたのである。将来、ウイスキーの捲土重来を期した会社の戦略だったのだと思う。そして、こうした諦めない物作りの姿勢が、前述したような世界的な評価につながっていくのである。
本書を読んで、焼酎党の私も、バーに行きたくなった。その思いが嵩じ、ジャックダニエルのストレートを舐めながら本文を書いている。残念ながら我が家にはサントリー・ウイスキーがなかったのである。なんせ、焼酎党なので……。
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サントリー社員が書いたものなのでサントリーの事情は多くなるが、ウイスキーについての知識は深められる。
熟成に長い時間がかかるウイスキーならではの製法、香りなどの特性に、改めて興味が強くなる。
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『ウイスキーは日本の酒である』/輿水精一/★★★★★/サントリーの山崎蒸留所のブレンダーがジャパニーズウイスキーのすばらしさについて、その歴史や特徴に書いた本。ジャパニーズってこんなに高く評価されてるんだ!と知りました。ジャパニーズが飲みたくなりますね。
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サントリーのチーフブレンダー輿水氏による著。
ブレンダーとしてのご自身の半生を元にウイスキー、ブレンダーの仕事について書かれている。
ここ数年特に評価が高いジャパニーズウィスキーが輿水氏を一とする生産従事者の方たちの努力のたまものであることは間違いなく、それあればこそ誕生から数十年たって日本の酒となったのは間違いないと思う。
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ウィスキーは、複数の原酒を混ぜ合わせて作っていて、さらに原酒は毎年少しずつ味が異なっている。だからこそ、新しい商品を作り出すことは難しいし、また、同じ味を維持することも難しい、とのこと。
ウィスキーの知識があれば、よりウィスキーを楽しく飲むことができるのは間違いない。そして、知識だけでなく、作る人の想いも詰まっているこの本はお勧めだと思う。
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好きですよー、山崎♪
にしてもすごい歴史です。
あの濃ゆい琥珀色の「山崎50年」は、いつか味わいたい。
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日本(サントリー)におけるウイスキーの歴史、製造工程、味・香りなどを、ブレンダーの立場から解説されている。
ここでは何より著者のウイスキーへの愛がひしひしと伝わってくる。ウイスキーの深みが楽しそうに書かれており、お酒に弱いのに飲みたくなってくる。
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ウイスキー造りについて。
著者の伝記っぽい。
ウイスキー全然知らない人はウイスキーって?というところからはいれるので、理解しやすい。
丁寧な語り口なので、さらりと読める。
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ハイボールに端を発し、最近ウイスキーを飲むことが多くなったので読んでみた。同じ銘柄でも、年によって味が異なるなんて知らなかったなー。色々と奥が深くて面白い。様々なウイスキーを、どんどん飲んでみたくなる。
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ジャパニーズ・ウイスキーの第一人者である筆者が語るウイスキーの奥深い世界をまとめたものです。自身の仕事人生も織り交ぜながら、日本のウイスキーが世界に冠たるものであることを語る情熱に心を打たれます。
この本はNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」でウイスキーブレンダーとして取り上げられた筆者による、ジャパニーズウイスキーの成り立ちの歴史から、『命の水』という語源を持つその奥深い世界をわかりやすく解説したものでございます。
一人の人間が愚直なまでにひとつのものを追い求める姿に改めて感動しました。独自の発展を遂げた日本のウイスキー。その歴史の重みを体現する筆者から語られるウイスキー作りの難しさ。テイストの違う原酒を組み合わせて、『響』や『山崎』『白州』などの世界に冠たるウイスキーをブレンドしていく過程はまさに魔法使いのそれでした。
さらに、筆者が仕事をするために徹底した体調管理を行っている、必ず朝は決まった時間に出社し、昼に社員食堂で食べるのも天ぷらうどんのみ。こういったことをずっと続けてきたことも、仕事人』の凄みを感じさせるものでありました。
あとがきのほうで『まだ私はウイスキーがというもの分からない』と述懐する筆者に、仕事に対する謙虚さと揺るぎない自信をうかがい知ることができて、僕はこれからウイスキーを味わう際にも、ここに書かれていうことを思い出して、グラスを傾けることでしょう。
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サントリーのチーフブレンダー輿水さんによる、ウィスキー紹介の本。
ウィスキーのイロハが学べます。
起源から作り方、飲み方までを指南してくれます。
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創造、維持、管理。味とブランドを守りつつ、推敲させる「ウイスキーブレンダー」の仕事に引き込まれて一挙読み。
独自進化し、世界に評価されるに至った、ジャパニーズウイスキー。その歴史と情熱を味わいながら、これからも飲み続けよう。
響 30年 飲んでみたい。
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ウイスキーを製造する国は数多くあるが5大ウイスキーとまで言われるところまで日本は来ている。
国内のウイスキー市場は83年のピークから落ち込んできているなかのISCの受賞。
遅咲きのブレンダー、著者は「未完成」である。
ブレンドは樽ごとに異なるサントリーの保有する約80万樽から選んでいく。
グレーンウイスキー、モルト原酒、キーウイスキーをヴァッティングさせていく。
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日本のウイスキーは世界五大ウイスキーのひとつだそうだ。著者は“ブレンダー”といって何種類ものウイスキーを独自に混ぜ合わせ“和食に合うウイスキー”などを生み出した。ハイボールに使われるものも、炭酸で割ると一番おいしくなるように作ってあるという。日本人の繊細なものづくりの精神が、ウイスキーを日本のお酒へと確立したのだということが伝わる。
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サントリーチーフブレンダーである輿水精一さん(山梨大学工学部発酵生産学科卒業)の書かれた一冊。
ウイスキーに興味を持ちましたので、入門書として購入。
新書だけあって、はじめてコノ手の本を読む私でも既存の知識がなくても読み進めることができました。
付箋は14枚付きました。