投稿元:
レビューを見る
少女文学を学ぶ上で欠かせない一冊。女学校における少女達の姿が美しく繊細でありながら、力強くも描かれている。中原淳一の挿絵と共に楽しめる。
投稿元:
レビューを見る
川端康成は退屈であまり好きではないけど、これはジャケ買い。
やっぱりダメでしたー。
まだ良さがわからない…
投稿元:
レビューを見る
ミッションスクールを舞台に繰り広げられる三人の女学生のお話。
初見の人は、巻末の解説から読み始めるほうが、時代背景やエスという用語について分かるので推奨。
本文については、一文一文に込められた三千子や洋子の想いがとても深いです。
だらだら読んでいると、その部分に気付かなくて突然展開が変わったように感じられることも多々。
一読目ではストーリー把握で精一杯、再読して感情が分かる、そういう話ですね。
川端康成さんの文体も瀟洒で耽美に表現され、読んでいて心地よい。
百合という題材からかライトに見られるかもしれませんが、中身は重厚、そういうお話でした。
投稿元:
レビューを見る
女学生同士の親交「S」という世界が実際にあった知り、驚いた。男女交際が厳禁だった大正から昭和にかけて流行した風俗とのこと、私自身は共感できないが、誰かを愛おしく思いたい、大切にしたい、されたい、という気持ちが少女時代に芽生えるのはごく自然なことなのだと気づかされた。
テーマはともかく、会話の言葉づかいの美しさは魅力的。
投稿元:
レビューを見る
乙女の港読み終わりました。
文豪川端康成の作品を読んでみようと、適当に書店で探しまわっていたところこの本に出会いました。
挿絵のある小説は珍しいなと思い(ライトノベルでは普通のことですが)読んでみることにしました。
内容は簡潔にまとめると女学生の間の恋愛とも友情とも違う関係の物語です。
割とすらすらと読むことができました。少女小説はなかなか読む機会がないので良い経験になったと思います。
川端康成の作品というよりは、原案者の中里恒子の作品という感じがしました。
投稿元:
レビューを見る
私たちはね、だから、世界の灯にならなければいけないと思うの。日本の少女は、もっともっと、誇りを持っていいのよ。
この一文があるだけでわたしは川端康成が無条件で好きになった。
中原淳一の挿絵目当てで購入したが、女学生の揺れ動く花のようなこころの移り変わりの描写はひとことでは表せない。
エス、なんといい響きな関係でしょう!
投稿元:
レビューを見る
上品で瑞々しさすら感じる文章。
お姉様をお慕いするまばゆいぐらいに純真な御心。
驚愕しつつもこうありたかったまっすぐで美しい世界があってひりひりする。
でも、読み進むにつれて洋子お姉様に顕著な不幸臭ただよう影が、美しい水脈に流れ込む一筋の濁り(現実)としてせまってくる。
まさに少女が好みそうな世界観である。
中原淳一の挿絵や、着物の描写もまた一興。
こういう復刻本もっと出てほしい。
そして「少女の友」で川端康成なら、太宰治も読みたかった。
絶対ぜったい良いと思うのだけど。。。
時代もバッチリではないか。。。
今でなら夢じゃない気がするが当時の太宰の評価がかなしい。。。
投稿元:
レビューを見る
「いつか、いつかね、三千子さんを、ほんとうに、こんなにして、捜すんじゃないかって、ふっとそう思ったの。その時は、もう幾ら捜したって、三千子さんは見つからないんじゃないかって……。でも、あたしはどんな遠くへだって、三千子さんの心を捜しに行ってよ、きっとよ。」
2014/09/29-10/03
投稿元:
レビューを見る
女学校3人の三角関係?のお話である。少女の心理が自然かつ巧みに描かれている。クリスマスのお話や卒業のくだりは特に心ひかれた。万人にお薦めできる作品である。
投稿元:
レビューを見る
三千子が洋子に憧れる気持ち、なんとなく少し分かる。薄幸で儚い印象のお姉さんって惹かれるものがある。
本当の純粋。心が洗われるようなお話。
投稿元:
レビューを見る
ザ・少女小説。
代作云々、下書きと清書云々、合作云々、
という成立事情は込み入っているので、ザックリと川端康成・中里恒子・挿絵の中原淳一の合同プロジェクトみたいな理解でよさそう。
カバーは中里恒子も連名にすればいいのにとは思う。
川端の飯のタネになったという点は、水木しげる、つげ義春、手塚治虫、トキワ荘の面々も初期に少女漫画を描いていたという事情と似ているのかもしれない。
要は多作な作家の氷山の一角でもあった、と。
で、思った以上に「マリア様がみてる」してた。
三千子と洋子だけでは理想的すぎて話にならないので克子という掻き回し役を出すとか、あるある~とついにやついてしまったよ。
エス文化と百合は違うとか厳密な考証はあって然るべきだが、まずは雰囲気を愉しめた。
この文脈の先に変奏として皆川博子「倒立する塔の殺人」もあるんだろう。
投稿元:
レビューを見る
雑誌「少女の友」に連載された作品。
昭和初期、横浜のミッションスクールを舞台とし、「Sの関係」と女子の三角関係を描く。
中原淳一の挿絵が目を引く。
投稿元:
レビューを見る
消費される少女像を追っているので、少女小説はちょっと違うかな。と忌避していたのだけど
読んでみたらプリキュアばりにキャラが立っていてめちゃくちゃ面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
最後がとても教訓じみているなと感じた。克子の強引でしつこいところは気に食わなかったけれど、なんとなく気持ちがわかるような気もした。私だったら、三千子のように、洋子さんがいるのに克子に靡いたりしない、とおもったけれど、大事なのはそういうことじゃないのだと思う。
投稿元:
レビューを見る
少女小説の源流。
主要人物の個性の違いが「花」のようで、そこも素敵。
当時のほとんどの読者も作中の人物も、お金持ちのお嬢様なのだろうけど、結び直前、作中では卒業直前の、テスト問題ときたら・・・私、こんなの手も足も出ません。
また、その時の先生の生徒たちに贈る、厳しくも暖かい言葉がじんと胸にせまります。
この言葉、そのままの思いが、当時の少女小説には流れていたのでしょうか。
ところで、作中の少女たちは、生きていたとしたら、90歳ぐらい!?その後、どのような人生を送ったのかをふと思います。