紙の本
異色の医療ミステリーというより父娘の心の交流物語といった作品でした。
2020/01/28 23:50
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
異色の医療ミステリーというより父娘の心の交流物語といった作品でした。愛する新薬情報担当者の死亡から始まるので、当然、新薬情報を巡る医療ミステリーと思って読み進むと、軸足は「神の手」と称される天才脳外科医師の父に反発して獣医師になった娘との確執の話に変わり、更にその父がBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)に感染してという話に変わっていく。全体としてBSE新薬を巡る医療ミステリーという色彩は背景にあるのだが、主題は父・娘の和解、不治の病に襲われた「神の手」の生き様、医療とは何かに置かれている。こうした深い内容を軸に据えた結果、変なトリックを駆使した犯罪ものよりずっと深みのある医療ミステリーとなっている。結末は少々綺麗すぎるきらいはあるが、事件全体としては暗く重いものなので、むしろこうしたハッピーエンド的結末の方が人間に希望が持てて私は好きですね。著者の初期の骨太作品であり、直球勝負をかけられた感じの作品でした。
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読み終わった後物足りなさがあった。森田の死、父親の病気と話の根幹をなるべき部分が細かったように感じた。
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ミステリー然とした出だしから、一気に命の尊厳を読者に問いかけ、
終盤一気に謎を解く。そして驚きの事実まで。
ただ読んで話がどこに向かうの? みたいな戸惑いはあった。
視点の割合を、もっと半々にすればもっと深みが出るのに…、
と言う個人的な感想あり。
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5月-5。3.0点。
女獣医の主人公。製薬関係の恋人が、死亡。事故か他殺か。
同時期、脳外科第一人者の主人公の父親に、アクシデント。
恋人の死と、父親のアクシデントが絡み、謎が。
読みやすい。約500頁一気読み。
少し専門用語が難しいか。まあまあ。
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天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時…事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス。BSE.
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天才脳外科医・内海遼一の脳に異変が襲ったころ、遼一に勘当されていた娘・綾子は、創薬コーディネーターの恋人の変死体と対面し、慟哭の最中にあった。厳格な父と亡き恋人の知られざる接点が判明したその時…事件究明の鍵を握る父の記憶は、まさに崩れ落ちようとしていた。生と死の葛藤を描いた心震える医療サスペンス というのがあらすじ。
ミステリ的な味わいはそれほどない。医療ものとして読める。
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鏑木蓮氏の 人を見守る視線のあたたかさは
もうこの頃から育まれていたんですね。
処女作からは 格段に進化された作品だと思います。
対人医療と動物医療 二つの専門領域にまたがる
広範な知識と論理立ては 気が遠くなるほどの綿密な取材
なくしてはあり得ないでしょう。敬服しました。
鏑木作品を読むといつも思うのですが 本当にすべての
登場人物に向けられる視線があたたかい。やさしい。
発端の殺人は
複雑で醜い人間模様の広がりの入り口にも過ぎず
本当の事件は
それぞれの立場とそれぞれの自己尊厳 他者への敬愛
人間ならば誰しも理解できてしまう真摯な感情
そんな人の思いが生んでしまう悲劇だった。
背負うものがあってこその人生。
この言葉を強くかみしめたい。
追記 この作品から既に宮澤賢治…そして
イーハトーヴが出てくるとは!
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医療の事や症状などの詳しいことは理解出来ないが、誇りを持って自分の仕事に邁進している人の姿や、親子の確執などが細やかに描かれている。
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父と娘の医療ミステリーというか介護記録というかヒューマンドラマ。
BSEが絡む物語。
内海綾子は盛岡の獣医。同棲していた恋人の森田が変死体で発見されます。
森田は事故なのか事件なのか?
一方、綾子の父親の遼一は脳神経外科医。様々な困難な手術をこなしてきた神の手を持つ男(笑)。
しかし、手術のあと、倒れこんでしまい、その症状は認知症に近いもの。それも急速に症状が進行していきます。3年前に暴漢に襲われ頭部に大けがの後遺症なのか?
そんな父と娘は過去に勘当状態!
しかし、父の状態をしって、綾子は父親の元に戻ります。
父親の病気はいったい何なのか?
そんな中、BSEと疑われる牛の骨が発見されて...
という展開。
難しい医療用語は分かりませんが、結局、父親はBSEに感染していたのか?ならば、なぜ、感染したのか?
森田の死の真相は?
製薬業界の闇。
ひどくなる父親の症状に対して、延命処置をするのか?
生と死の葛藤。
そして、父親の残した手紙によってすべてが明らかになります。しかし、そんなことあるのかな...
遼一の意志はすごい..
楽しめました。