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〈本から〉
ヒトの体臭には、フェロモンと呼ばれる物質が混じっており、これは、遺伝子の免疫抗体の型ごとに匂いが違う。つまり、私たちは、体臭で、遺伝情報を周囲に知らせているのである。
暇になった海馬は、知識工場へと変わるのである。起きている間の出来事を、何度も再生して確かめ、知識に変えていく。さらに、過去の知識と結合して、より汎用性の高い知恵にも変えていくのだ。海馬は眠らない。というより、「脳の持ち主が寝てから」が、海馬が俄然活性化する、真骨頂の時間なのである。
略
脳科科学上、「いかによく眠るか」は「いかに頭を良くするか」とまったくの同義なのだ。上質の眠りは、上質の脳をつくる。
上質の眠りをつくり出す、脳内神経伝達物質がある。メラトニンと呼ばれるその物質は、網膜が闇(一定以下の光量)を感じると分泌されるようになっている。
メラトニンは、昼間でも暗がりで目をつぶると分泌されるが、分泌最盛時間は真夜中の四時間ほど。二十二時から午前二時の間なのだ。略
脳は最大限の活性状態で暮らすことになる。今日の経験が、知識や知恵となって脳に留まる。加えて、免疫力も上がる。直感力が働いて強運になる。
眠りの最大の敵は、「日没後の刺激の強い光」である。略
眠りの最大のサポーターは、「早起き」である。朝、目を覚まして、朝日(朝九時くらいまでの太陽光線)を目撃する。そこからほぼ十五時間後に、脳には自動的にメラニンが溢れるように分泌しだすのだ。略
起床時のコツは、一気に明るいところへ出ることだが、最近の自然光型蛍光灯でも一定の効果はあるので、暗い朝が続くようなら、蛍光灯の眩しさでも代替できる。
セロトニン、朝、重点的に分泌されるが、一日中脳に「しみじみとした、穏やかな達成感を感じやすくさせる」という効果をもたらす。ささやかなことにも幸福を感じやすい脳になるので、「情緒豊かでキレにくく、好奇心や意欲を萎えさせない」状態をキープすることに貢献しているのだ。このホルモンが、「天然の抗うつ剤」とも呼ばれる所以である。
過去を思い煩わない、未来を心配しすぎない。今を、無邪気に生きること。
略 ネガティブな想念を無駄に増幅しないことが、成果の質を決めるのである。
人は、長く生きてくると、多かれ少なかれ、環境の変化が穏やかになり、どうしても「回路の固定化」は進んでしまう。そのとき、ネガティブな思考回路にフィックスしていると、目も当てられない。
略 魂の無邪気さが、脳の神経回路の自在さを創り出し、しなやかな発想と幸福感を創り出す。運がいいと言われる人の基本条件である。
脳の柔軟性のために必要な三つのホルモンがある。一つは、ドーパミンと呼ばれる脳内神経伝達物質である。ニューロン同士をつなげるシナプス信号を強めて、新たなネットワーク構築をアシストする。脳の好奇心とモチベーションをあげてくれる大事なホルモンだ。前述したセロトニンも、脳を活性化して、学習効果を上げる脳内神経物質である。三つ目は、雑信号を抑制するノルアドレナリン。脳の反応を活性化するだけでは、信号が多方面に��がって収拾がつかなくなる。ノルアドレナリンは、雑信号を抑制して、集中力を作り出すのである。
実にこれらのホルモンはすべて、運動(汗ばむ程度の筋肉負荷をある一定時間行うこと)によって分泌量を増やすのである。
リーダーの条件とは、周囲を笑顔にする力。つきつめると、案外、それしかないかもしれない。
略
周囲を笑顔にする力。これは、ときに奇跡を作り出す。運がいいと言われる人に、必ず備わった力でもある。周囲を笑顔にするのは、実は、簡単なことなのだ。自分が、嬉しい気持ちでそこにいればいいのである。あらゆることに好奇心を働かせ、そこにいることを楽しむ。ただ、それだけだ。しかしながら、きっと、「常に、そこにいることを楽しむ」ことい自体が、一般には難しいのに違いない。
自らの脳の底力を信じる。運がいいと言われる人になる、最大の奥義である。規則正しい生活をして《神経系のストレスを軽減し》、無邪気に生きて《脳全体の神経繊維の連携をよくし》、自らの神経系にその判断を仰ぐ。それが、私が、これまで語ってきたことの本筋である。
脳は、自分にはない能力が見えない。見たことのないものも、なかなか見えない。
ヒトの脳には、明らかに、語感とかたちを関連づける人類普遍の機構がある
脳の才覚は、常に弱点と表裏一体である。しかも、相反する脳の持ち主には相手の弱点だけが見え、違いが愚かに見えてしまう。
「好き」の反対は「無関心」、「嫌い」は意外に「好き」に近い。そう知ったら、人間関係がよりタフにならないだろうか。
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脳ほど素敵な装置はない
人工知能研究者として ヒトの感性をメカに搭載していく
その過程で「装置」としての秀逸さに驚かされた著者が
自分の脳に人生を導いてもらおうじゃないかと書いた一冊
潜在意識と顕在意識の連携がスムーズだと
直感が鋭くつかみがいい脳=運のいい人 なのだそうな
そういったことを日常生活におこる様々なシチュエーションを使って
わかりやすく解説してくださっている
「企業実務」に掲載された文章なので
基本的に男性ビジネスマン向けの表現が多いが
自分の環境にあわせて読み変えていくと面白く非常に役立つ
2018年著「前向きに生きるなんてばかばかしい 脳科学で心のコリをほぐす本」に
子育てが成功したかどうかは56歳にならないとわからない
その年齢で人生を愛せているかどうかの一点にかかっている
と書かれていた
著書をいくつか読ませていただき
レビューにもよく書かれてあるように
息子さんへの愛情が半端ない
この本が書かれた当時は20歳の息子さんも
56歳で人生を愛する運のいい大人になっているだろう
3つの異なる著書がひとつにまとめられている
「運がいいと言われる人の脳科学」
「情のことば、知のことば」
「家族脳」
どれも単独では興味深い内容であるが
表題の内容を読みたかった人にはまとまりなく感じられるかも
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家族の生活の中で起こることを脳科学的に見たエッセイ。
専門的な感じというよりももっと気楽に読める。
頭が頭が回る息子さんで素敵だと思いました。
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雑誌連載をまとめたもの。
著者の作品を既に読んでいる人にはおなじみのエピソードもあるのだが、簡潔にまとめてあるので、そこまで「またか」感はない。初めて読む人にオススメ。
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3.5
読みやすい文章。なかなか興味のある内容。当事者というのはなかなか好き。潜在意識と運の考えも好き。
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彼からの課題図書ラスト!
黒川伊保子さんのような素敵な女性になりたいなと思います。言語についてもたくさん触れられているので、言語を生業にしているわたしはさらに刺さりました。ふとした時に思い出して実行しよう♪