紙の本
古典哲学を現代に沿って考察したもの
2019/10/22 21:25
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリストテレス・カント・ロールズ、3人の哲学者に関する考察が本書です。もう少しきちんと言うと、現代で発生している様々な道徳的問題、社会的問題について、哲学者の立場で述べられています。見方によっては、カントの主張の焼き直しじゃないの?とも取れますが、現代の諸問題に向き直って考えられている点を評価したいと思います。
巻末に序章として『それをお金で買いますか』がちょこっと掲載されており、そこでは全てが売り物となる社会に対して道徳的・政治的側面からアプローチをしています。
本書全体としては、やはり哲学、殊にカントを中心に据えてありますから、難解ではあります。ただ、現代の諸問題をあるべき方向へ導く為の一考察として、というのが本書の価値かな、と感じました。
紙の本
昔流行った本
2019/07/03 00:29
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投稿者:栞ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本、一時期話題になりましたよね。
題名は知っていましたが読んだことなくて、たまたま本屋でみつけて遅ればせながら読んでみました。
まあ、そうだよね、というところもあれば、しっくりこないところもある。読み返すほどではないが、悪くもない。
そんな感じの本でした。
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久しぶりにノンフィクション。サンデルが共同体主義に肩入れしていることはわかるが、自分の所属する共同体に愛着を持ってない人には通用しないような。あるいは俺のように古い共同体に所属してそれに辟易している人からみると、自分の共同体を無批判で受け入れる(わけじゃないかも)のはちょっと違うような気がする。だからといって個人主義をレイサンできないことにおいては筆者に同意
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教育テレビの番組を見ていたので、店頭で山積みになっているのを見て、ブームが去ったら買おうと思っていたものの、ついつい手を出してしまい一気に読了。
本書では、分配的正義がいかにあるべきかについて、功利主義やリバタリアン、リベラリストのアプローチではうまく説明できないことを、身の回りで起きている、あるいはいかにも起きそうな実例を元に考えていきます。
構成や話の順番が番組と少し違っているようなので、番組のtranscriptと期待して買うと途中で挫折するかもしれませんが、番組とは別のwordingでじっくり読んでみようという人向けでしょうか。首を傾げたくなるような翻訳がほとんどないのも本書のすばらしい点です。
最近の政治哲学や憲法の人権論を勉強する学生さんがどのような本を読んでいるのかわかりませんが、教科書で憲法の人権論の背景にある議論を理解するうえでも本書のような書籍を読んで欲しいなと思いました。
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アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズ、名前を聞くだけでも頭が痛くなるよな哲学者の話がさんでる教授の手にかかるとアーラ不思議。ものすごく今日的な内容になってしまいます。
先日やっと読み終えました。内容もさることながら扱っているテーマも相当難しいものです。しかし、いろいろなことが起こっている今だからこそ、自分の軸がどこにあるかを確認するために必須の文献であると確信します。この本は自身の講義である『正義(ジャスティス)』から出来たものですが、自分の授業に『正義』と冠することからでもサンデル教授のすごさと並々ならぬ覚悟と、あふれるような自信が解ります。
僕は2011年の年明けにNHKで放映されていたさんでる教授の講義をまとめて一気に見るという三が日を送っていたので今ではこの本がどれだけすごいかを実感する日々です。先日、サンデル教授が東京大学の安田講堂で公開授業を行ったときの様子を見たことと、先日の震災の特別講義を拝見させていただいたときに『前の世代が行った過ちを今の世代の人間が受け継ぐべきか否か』などの非常に難しい課題を扱っていて、その授業に引き込まれる自分がいました。
そして、地震があったときの様子をさんでる教授が独特の切り口で講義を進めていく様子は圧巻の一言でした。この本をもう一度改めて本格的に読んだのはその後です。今までこういう哲学が軽視されていたからこそ、サンデル教授の授業がスポットライトをこうして浴びるのはある意味では必然であり、個人的にもにうれしいことです。
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ハードカバーで購入・既読したので、小さくなったからといって、買いませんけど、
ハードカバーの大きさ・重さで手に取るのを躊躇していた方々には、この文庫化は朗報ではないでしょうか。
今まで躊躇っていた方々にも、是非、お手に取っていただきたい!!
正義を論じている割には、とても取っつき易く、読み易いです。
熱烈、オススメ!!
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ずっと読もうと思ってたけど、値段が高すぎて手が出せずにいた。文庫化でようやく。
これこそ、「適正価格」の問題じゃないか(笑)
うーん、おもしろかった。カントさんのくだりが。
でも、やっぱり西洋人の論理で納得いかんとこも多々。
次に期待。
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これからは、さまざまな社会的、政治的事象、あるいは身近な出来事に対する感じ方、捉え方が変わるかもしれない。自分自身のプリンシプルを固めるのに役立つだろう。
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書いている内容は当然だが、NHKの「白熱教室」と内容が被る。
しかし、正義とは?と言うと、1つしかいないように思ってしまうが
同じ状況でもしょうがないと感じることもあれば
それは絶対に許されないと感じてしまう事があるし、
同じ事象についても、判断が人によって異なるなど、
多面的な面があるんだと、分かっていたがそこを深く追及することで
相反する価値の存在が混在している事が鮮明になる。
これからもっと、多元的価値観が混在する世の中になるので
自分の考えの根源を深く考えるきっかけになる本だと思った。
因みに自分の奥さんは、NHKをみて、なんでこれが凄いの
学生と議論しているだけじゃない?と言っていた。
限られた時間の中で聴衆に議論をさせてつつ、あらかじめ
用意していたコンクリフトに気づかせ、説明するという事が
如何に高度で、練りに練られた準備をしないといけないかが
わからないのかなぁ・・・。
気づかせて、
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これからの正義の話をしなくちゃね。でもそれはこの一世紀程、あえて避けて来たところに踏み込まざるを得ないんだけど。公共と道徳を語ることは危険と隣り合わせなんだけど、それに触れぬようにしてきたことで、結局現在の危機に面していることも確かだし。
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とても読みやすいのだがスゴく頭を(思考回路を)刺激された。
それゆえ自然と時間がかかってしまった。
サンデル先生の自作も予定されているが期待出来る。
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うん、目の前の一人を犠牲にすれば、より多くの人が助かるとか哲学的なん分かりません 途中で断念しました どうしたら読破できるんでしょ?
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TVですっかり有名になったサンデル教授の正義とは何か?という問いを自問自答し続ける本書。古くはアリストテレスの事例からマイケルジョーダンまで
様々なケースに基づき正義の多面性を解説してあるのが面白い。
こういった哲学をアメリカ人が研究していること自体が僕には驚きであった。
最初は人名の数を比べるような正義だけかと思っていたのだが,アリストテレスを現代風に解説してあるのが興味深い。
残念ながら,僕には理解できない部分が結構あった為に☆4。
政治家がみんなしっかりとした信念をもって政治を運営してくれたらもっといいせかいになるよねぇ。。
本書の中でサンデル教授は正義とは何かを結論付けてはいないが,幸福の最大化,自由の尊重,美徳の促進が正義の要素であると語っている。
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これからの「正義」の話のレビューをしようww完全に哲学本で久しぶりに読み応えがあり、出張中には読みたくなくなる程のヘビーな内容であった。しかし、具体例がところどころ出てくるのでそこから知的好奇心を高めて読んでいけた。例えば、路面電車の前に5人作業員がいてブレーキが聞かない状態。右側へ電車をそらせば5人は助かるが、1人別の作業員がいてその作業員は死んでしまう。あなたならどうする?5人を助ける事は正しいように思える。ただし、死ぬ必要のない1人を殺すことは正しいか?右にそらさなくても5人は死なない可能性もある。などなど道徳的な問いが続いて面白い。表面的ではなくて、自分の生き方に通ずる思考力が養われた気がする。
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著者の講義の動画が見たいのでも、著者の発言をただ延々と聞くのでもなく、著者と議論がしたいと思った。彼も議論したい、あるいは沢山の人に「正義」について議論してもらいたいと考えていると読み取って、翻訳家の方もこのようなタイトルにしたのではないだろうか?
彼はこの本の中では「正義」とはこうあるべきだとは言っていない。おそらく「正義」に普遍的な正解はなく、各々が持っているものなのではないか。
理性的に話をしようとしても、話題によって感情的になってしまうことがある。確かに他人を納得させたり、論文というものを書くのには感情ではなく理性的に論を展開しないとうまくいかない。
ただそれは手段にすぎないのではないだろうか。