紙の本
偶然に込められた作為
2015/09/30 15:55
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
システムエンジニアである渡辺拓海の妻の佳代子は、非常に嫉妬深い。結婚してから知った事実によると、彼女には二度の結婚歴があり、夫の一人は死亡、もうひとりは失踪したらしい。その原因は彼らの浮気だという。
四年前にも浮気を疑われた拓海は、妻が雇った謎の男に拉致され、腕を骨折した。そして今、残業から帰宅した彼の前にいる髭の男、岡本猛も、妻に雇われたらしい。彼に生爪を質に取られ、浮気相手の桜井ゆかりの名前を漏らしてしまう。それは、拓海がネットの占いに基づいて勧めた海外旅行で、彼女が日本にいないのを見越してのことだった。
帰国までの一週間の猶予を得た拓海に降りかかってきたのは、先輩の五反田正臣の投げ出した、出会い系サイトの改修案件だった。後輩の大石倉之助と共に開発場所に向かった拓海は、その案件におかしなことがあることに気づく。
そして、五反田の残したヒントに基づき、システムの不審点を暴くことに成功した拓海は、そのサイトが、とある単語の組み合わせでアクセスした相手を調べる機能を持っていることに気づくのだった。やがて、その単語の組み合わせを検索した後輩や上司に、不幸が襲いかかる。
友人の作家、井坂好太郎らと共に、その情報を調べていく拓海は、国会議員の永嶋丈や、元首相の犬飼舜二、大富豪の安藤潤也という名前に突き当たっていく。
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ラジオを聴いているとMISIAが『スマイル』をカバーして歌ってたけど、これって、チャップリンの『モダン・タイムス』で流れる曲でしたよね。
オートメーションの工場でチャップリンが壊れていくシーンが有名なこの映画にあって、最後に流れるこの音楽が、現代社会の冷たさと束縛に囚われない自由な生活への旅立ちのラストシーンに重なる…。
その映画のタイトルを頂くこの物語。だけどもここで鳴り続けるのは流麗な音楽の代わりに人の心を不安にする不気味なノイズで、『モダン・タイムス』というよりは『独裁者』を思わす雰囲気。
浮気を監視する妻、妻が雇った謎の男、突然消えた浮気相手、謎めいた仕事と行方不明の先輩、その先輩を探す3人組、上司の自殺、同僚の誤認逮捕、播磨崎中学校事件と永嶋丈…、どこに焦点を絞ったら良いのか、どよ~んとした不安感を漂わせながら展開する話に手探りのまま読み進める。
奇妙な3者会談で出てくる『モダン・タイムス』の話から漸く物語が動き出すかと思いきや、井坂好太郎の「苺畑さようなら」に再び陥る戸惑いの世界。
果たしてこれからどこへ行くの?疑心暗鬼のまま下巻へ。
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「魔王」の続編の今回の作品。
私的に会話のテンポがものすごく好き~♪言葉遊びも多くて読んでてクスクス笑ってしまいます♪☆
伊坂さん作品で唯一「魔王」があまり好きではない私ですが今読むと好きになれそうな気がしてきた!
とりあえずこれを読み終えたら再読しようっと☆
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「魔王」の続編的な感じ。 結構、文庫化を待っていただけに、期待値は上がっていたが、それを裏切らない内容に満足し、楽しく読んだ。
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安藤が出てきたときにようやく、「あ、魔王きたーーー!」と思った。少しぼんやりと進んでいたストーリー後半から加速していく感じは好き。
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2011/10/14 Amazonより届く。
2023/11/6〜11/9
恐妻家のSE渡辺拓海は妻の雇った男に脅されつつ、仕事で請け負った出会い系サイトの仕様変更を行う。プログラムには謎も多く、悪戦苦闘するが、あるキーワードを3つ同時検索すると何かが起こるらしいことがわかる。試しに検索した人間たちに次々と不幸が訪れる。伊坂作品らしいとんでもない人々がわちゃわちゃする展開。作者である伊坂さんらしき井坂好太郎も登場。下巻へ。
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『魔王』の続編てことで、ずっと文庫化されるのを待ってました!
うん、待ってかいがあった!ミステリー!
続きが気になるー!!
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家にいて、久し振りに一気に何時間も最後まで読んだ本。軽快なテンポで国家的な秘密に立ち向かっていく主人公達が良い感じ。あとがきにもあるが、どこかゴールデンスランバーとも似た感じはあるかな。でも面白い作品です。
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舞台となるのは「魔王」から50年後の世界。
そもそも「魔王」を読んだのが3年前なのでもはや記憶は曖昧ですが、上下巻を読んでいくうちに甦ってくる、民衆のカリスマによって独裁化への道を進み始めたあの世界から50年。
「人は知らないことにぶち当たると何をするか。」
「検索するんだよ。」
その検索内容によって自分が誰かに監視されていたとしたら?
ネット社会の急速な発達はその匿名性に起因するところが大きいが、だからこそ情報漏洩の危険性と常に隣り合わせになっているのだと考えさせられました。
拷問シーンが度々登場するのと、理不尽ながらやたら頼りになる妻、結局はSF頼みの展開などなどご都合主義な部分はあるものの、文章やテーマは分かりやすく読みやすいです。
3つのキーワードで検索したくなる!笑
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魔王とゴールデンスランバーは先に読んでおかないと
下巻での展開が楽しみ。
10/19 夕方から読み始め
10/14 17:00 Amazonから予約品が届く
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本屋さんで伊坂幸太郎の文庫はないかなぁって立ち寄ったら、新刊本のところにあった~
久しぶりに小躍りして買って帰りました。
いきなりの拷問のような場面に閉口。
アクションものとか映画大好きだけど、こういうシーンは苦手。
でも、映像は目をつぶればいい、手で目を隠せばいい。
どういう形でも観なくてもすむけど、文字はねぇ~
そうはいかない、一文字一文字追って行かないと内容がわからない。
文字の方が想像力が働くからより怖く感じるんだろうなぁなんてことを考えながら読んでいった。
なんともこの主人公の気の毒としか言いようのない人生。
ちょっと笑ってしまうけれどね。
確かに勇気はおいてきちゃったのかな?って・・
奥さんは最高に怖いし、わけわからない奴らに痛い目にあわされるし・・・
でも、占いとか運命を信じるとか、ひょっとして私と同類なのかもと親近感さえ覚えたり。
やっぱり伊坂幸太郎は面白いわ~・・
読みながらお顔を想像してニンマリ。
下巻が楽しみです。
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「魔王」の続編。
仕事である不可思議なサイトの改修作業を行うことになる。単純に見えるそのサイトは、いざ改修をしていくとおかしなところが多々ありすぐに行き詰る。その前後に同僚の行方がつかめなくなっていく。主人公はサイトの謎や同僚が消えた謎を追いかけていく。
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あってもおかしくないレベルのリアルな小説。上巻と下巻の中盤までは文句なしにおもしろいが漠然とした物を漠然と説明するから下巻の後半で少しだれる。魔王は敵が分かりやすく社会が何となく流れていくが、モダンタイムスは敵が分からない上に社会はシステムによって動かされている。魔王という小説はある一面からみただけの小説ですよといっているような小説。しかもそれが正しいわけではないですよといっているような小説
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「人は知らないものにぶつかった時、何をするか?」
「検索する」
たかだか検索くらいで酷いことにはなるまい、という予想を打ちのめして周囲の関係者に次々と不幸が襲いかかった。
「検索する勇気はあるか?」
システムエンジニアの渡辺はあるサイトの仕様変更の仕事を請け負ったが、そのプログラムには不可解で不明な点ばかりが見受けられた。
『魔王』から50年後の近未来情報社会。あるキーワードを検索するだけでいったい何が起きるのか?
後半に緊迫感を与える展開。怖ろしさや不安を読者が勝手に膨らませてしまう描写はさすが。
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「証拠は?って聞いてくるのはたいがい、犯人なのよ」渡辺佳代子
「人生は要約できない」井坂好太郎
「でも、ネットに書いてあったぞ」おじさん
「悪口はネットで言うのがマナーなんだって」井坂好太郎