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投稿者:キャシー - この投稿者のレビュー一覧を見る
親鸞がこれほど世俗的だとは思わなかった。五木寛之の世界に入り、これからさらに親鸞などについて読み進めていきたい。
すいすい読めます
2015/02/06 21:48
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投稿者:ruru15 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの字面からしてとっつきにくそうで小難しそうな印象でしたが、読み始めると引き込まれてあっという間に読み終わりました。伝記のようなものを想像していましたが、ユニークなキャラクターが沢山登場し、ファンタジーを読んだような感じがしました。とても読みやすく、物語の先が気になり、一気に完結編まで読破しました。
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投稿者:よしんば - この投稿者のレビュー一覧を見る
親鸞について色々書いてある
まあまあ面白い
文章は好き
親鸞周辺の登場人物が
2022/11/14 17:26
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は浄土真宗の開祖ということで大変に有名な親鸞であるが、高名な宗教家を扱っているのしては、あまり抹香臭くない作品である。創作であるとは思うが、親鸞周辺の登場人物が大変に生き生きと魅力的に描き出されている。
しかし、現代と比べて人の命が門灯に軽かった時代だったんだなと感じた。
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仏教の教義とか出てきて難しい本かと思いきや、ユニークな人物たちが脇を固めていて、十分楽しめる本だ。
作者が五木寛之なので、親鸞の思想を分かりやすく、解いてくれるだろうと期待する。
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正直この小説で涙するとは想像していなかった。仏教界が、世俗にまみれた時代に生きた親鸞の少年時代を描いたこの上巻では始終若き親鸞は、悩みに悩む。仏とはなにか?信仰する主に対して悩む姿は、他の坊さん達には理解されず、狂ったのではないかと思われる。仏教界と世俗との間で、常に悩みながら生きる姿は、数百年前の話とは思えないリアリティがある。これが五木寛之の力かと唖然とさせられる。
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読み始めてすぐに思い浮かんだのが、陰陽師だった。
なんだかワクワクしてきた。
忠範がなんとも可愛い。
河原坊浄寛
ツブテの弥七
法螺房
この三人がまた魅力的
昔観たことがある漫画が浮かぶのだけど、なんて漫画だったかなぁ・・
牛若丸と弁慶も思い出した。
仏の世界のことはわからないけど、厳しい修行にあえて挑んで行く忠範、まだ小さいのに切なくなる。
そして、この三人の関わりが面白い。
病室にて読了
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久しぶりに『小説』とちゃんといえるような本を読んでる気がする。
今週末、家族総出で祖母の納骨に京都の大谷祖廟にゆくのです。
そこに、この『親鸞』の文庫化。
歴史物は苦手故、読めるか不安だったが、どんどん読める。はまる。
範宴の苦悩が、なんだか心に染みます。
つぶての弥七が、範宴に渡した小石に添えた言葉、この世も地獄、あの世も地獄と覚悟する者たち、罪を犯していると自認し、そうでなければ生きていけない身で、だけど、それでも地獄には行きとうない、と嘆く人。
んー。それぞれのエピソード、言葉が素直に入ってくるのは、さすが五木寛之か。
親鸞が近くに感じる。
週末までに、下巻読み終えたい。
大谷祖廟に行く前に。
「身分や職業の高下などない。この世に生きることは苦しい。心と体が痛む者を助けなければならぬ。よりよく生きる道をさがそう。そしてよろこびをもって生きよう。それ意外になにがある?」
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親鸞の幼少期から比叡山での修行時代を描く。
初めて五木寛之の本を読んだが、さすがに読みやすくて引き込まれる。
いろんな仲間に出会ったり、悪い奴をやっつけたり、女性に誘惑されたり。。。。。
もう少し堅めで説教じみていて、読むだけで仏教の教えを多少勉強できるようなことも期待しつつ読み始めたが、予想に反して単純に面白い小説。
下巻ではこの面白さを維持しつつ、もう少し仏教的な内容にも触れたい。
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お坊さまは、じっと忠範の顔をみつめて、ため息をついた。
「この子の目にやどる光は、ただごとではない。なにものをもおそれず、人の世の真実(まこと)を深くみつめようとするおそろしい目じゃ。こういう目をした子に、わしはこれまで一度だけ会うたことがあった。京の六角堂に詣でるために紀州から上京してきたという母子じゃったが、その幼い子が、やはりこのような思いつめた深い目をしておった。いま、そのことをふと思い出していたところじゃ。たしか、法師、とかいう名前であった。母親が六角堂に万度詣でをして授かった子だとか。その子の目が、忘れられずに心に残っていたのじゃが、同じ目をした子にふたたび会うとはのう。このような目に見つめられると、悟りすましたわが身の愚かさ、煩悩の深さがまざまざとあぶりだされるようで、おそろしゅうなる。一歩まちがえれば大悪人、よき師にめぐり会えば世を救う善智識ともなる相と見た。心して育てなされ」
この言葉は忠範(のちの親鸞)の心にずっと残る。或いは「自分には放埓の血が流れている」という意識をずっともっていたということになっている。
この坊さんの言葉に出てくる母子はおそらく法然とその母親のことだろう。この前私は岡山県美咲町の誕生寺に行った時、「旅立ちの法然像」を見た。上巻では、親鸞(この時はまだ比叡山修行僧の範宴)は法然の説教を聴いているが、まだピンときていない。本当の出会いは、おそらく範宴が世の様々な「罪」「煩悩」に出会って以降になるのだろう。
「親鸞」に初めて出会ったのは、中学二年のときだったと思う。吉川英治を読み始めて、初めて自分で買った文庫本だった(文庫本の吉川英治全集が出始めて直ぐだったと思う)。それ以降、その本は擦り切れるほど読んだ。何か自分に引っかかったのだと思う。
今回の五木版はどうやらその「親鸞」の数倍はある長さになるようだ。視点も、吉川版よりもずっとずっと庶民の視点に近づいている。私が何に引っかかったのか、暫らく付き合って行きたい。
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「もし運良く物事が運んで,自分がなにか偉い者であるかのように驕り高ぶった気持ちになったときは,この石を見て思い出すことだ。自分は割れた瓦,河原の小石,つぶてのごとき者たちの一人にすぎないではないか,と。そしてまた,苦労が続いて自分はひとりぼっちだと感じたときは,この河原の小石のようにたくさんの仲間が世間に生きていることを考えて欲しい,と。」
「浄土をひたすら恋う気持ちが分からなければ,念仏は分からない。頭で浄土を思い描いている限り,法然房のもとに集う人びとの心は理解できないだろう。そのこころは心ではなく情なのだ。浄土は情土なのだ。唯識で心はとけるが,情はとかすことはできぬ」
「仏の道を国の教えとして確立されたから尊敬しているわけでもない。立派な憲法をつくられた偉い方だからでもない。身分というものをこえて,世間の人びとにわけへだてなく生きる技を教えてくれたおかただからこそ太子を慕う者たちがいる。人びとが法然棒を慕うのも,同じであろう」
「真実の仏に会おうとすれば,当然,なみの覚悟では出来ぬ。狂うところまでつきつめてこそ,真実が掴めるのじゃ。しかし…狂うてしもうてはだめなのだ。その寸前で引き返す勇気が必要なのじゃ。命をかけるのは良い。だが,命を捨ててはならぬ。」
「法然房はのう,こういわれたそうな。酒は飲まぬ2こしたことはない。しかしそこは,世のならいなれば,と」
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いや、面白い。
つってもお坊さんの話でしょ?
と、説教臭い地味目な内容を予想してたら
どっこい序盤からドラマチックな展開で飽きさせません。
むしろエンターテイメントに徹しながら、
折々で仏教の考えや、現代にも通じる人の内面、社会の有り様を
嫌味なく置いていく感じ。
スーパー草食系の主人公が、
持ち前の内向性と空気の読めなさを発揮しつつ、
あっちに行ったりこっちに行ったり。
しかしまっすぐな姿勢が周囲に好かれるもんだから、とにかく世話になりっぱなしで。
ええい、しっかりしろ。
とつい感情移入してしまう。
基本的に読者の目線を一手に引き受ける主人公は、
「で、仏って結局なんなの?」「なんでみんな念仏唱えるの?」「それで誰が救われるの?」
と、こちらが気になる所にちゃんと引っ掛かってくれます。
まあそうなると坊さんとしては異端の道をゆくことになるんだろうなあ。
巨大なものを相手にしても自分で考え、理解しようとする姿は美しいです。
上巻は幼少期から青年になるまでのどこか青臭さの残るお話でした。
厳しい修行を重ねても女子と話すと途端に舞い上がる普通の青年。
分かる分かる。
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五木寛之の本はだいぶ前に「戒厳令の夜」を読んで以来、たいへん面白いものの、壮大な物語の結末が非現実的になり過ぎてあっという間に終わってしまうという展開に物足りなさを感じていました。しかし、「大河の一滴」で作者の違う面に触れ、仏教との関わりという視点から興味を持っていました。この本は、まさに仏教を題材にしてたいへん面白いという話は聞いていましたが、単行本を買う気にはなれずにいました。単行本になったのを知り、すぐに買って読みましたが、あっという間に引き込まれてたいへん面白く興味深く読みました。ただし、かなり史料に基づいて書かれているのだとは思いますが、やはりちょっとリアリティに欠ける部分もあります。
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親鸞のことは名前しか知らなかったけれど、浄土真宗をいう仏教の中でも大きな宗派を開いた偉人が、悩み多きふつうの人だったというのはすごく親しみが湧く。
最初からいろんな災いが降りかかり、ハラハラドキドキ。
まだまだいろんな苦難が待ち受けてそうで、目が離せない!!
下巻も一気に読んでしまいそう!
ちなみに大河ドラマ「平清盛」を観てたので、だいたい時代背景がわかりやすかった。
後白河法皇や六波羅王子や今様のことなど。
史実をだいぶ脚色してあるだろうけど。
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非常に読みやすい。流れるように読め、それでいて歴史の変遷を随所に感じられる良作。本当に歴史を知りたい!という人には物足りないが、ちょっと歴史的な雰囲気を味わいながらの暇つぶし本としてはおススメだ(といったら失礼なのだろうが)。
親鸞といえば浄土真宗および「悪人正機説」。何となく奇抜な人なのかなあというイメージを持っている人は多いと思う。だからこんなにひたむきでまじめな少年・青年だったのか!と驚いた。叡山に入ったのか、などいろんな発見がある。
現代日本において仏教のなんたるかなど答えられる人など少数だと思うが、平安時代・鎌倉時代の人々は違う。死体が転がる日常で求めたのは浄土への扉だった。だが仏教の門は開かれていなかった。そんな中で求道者となる範宴(親鸞の比叡山での名前)がこれからどうなって行くのか楽しみだ。