紙の本
「文壇きっての紳士」と呼ばれた吉行淳之介氏が「ダンディズム」、「紳士の条件」、「品」ということについて教えてくれる一冊です!
2020/09/17 09:36
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『星の降る夜の物語』、『驟雨』、『漂う部屋』、『原色の街』などの名作を次々に発表してこられた昭和期に活躍された吉行淳之介氏の作品です。同書は、「紳士とは何ぞや」から始まる、不作法と紳士の関連性を著者独自の視点から語られたエッセイです。文壇きっての紳士すとまで呼ばれた吉行氏ですが、彼がダンディズム、紳士の条件、そして品とは何かについて教えてくれます。著者自身の酒場におけるポーズの変遷から、金の使い方に至るまで、アソビを通して、「人間らしい人間」を指南する洒脱なエッセイ集となっています。
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戦前戦中の、筆者の吉原通いの回想録。
紳士たるとは一体なんぞや。
今は無い吉原の空気が伝わってくる。
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軽妙でおもしろい。20代の頃ならこんなに面白くは感じなかっただろう。いつの時代も男はこうなのだ。それにしても第三の新人はどの作家もとてもしっくりくる。僕の前世は意外と戦後あたりにあるのかもしれない。
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いつもの倫理観は捨てて読む。場の雰囲気や相手の立場を広く広くわきまえた振る舞いが、オトナのコミュニケーション。それぞれが各々の役割を演じるということ。
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同郷の人、女優である娘のファン、というものの著書は1冊も読んだことがなかったので、この惹かれるタイトルの本から読んだ。
戦後の赤線の話が多いのだが、こういう世界があったのかという思いしかない。現在もこの手の世界はあるが、当時のような雰囲気ではなく、違法そのものでもあるためか(抜け道だらけかもしれないが)あんまし味のあるルポ?にはありつけない。その点このような文学者の文章でつづられる下世話な話は、古いながらも味があるし、妙な憧れすら覚える・・
という「雰囲気」の本だった。
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こちらも、時代の流行だったのかな…と感じる書。
おしゃれ(?)で粋なエッセイでこの人女性にモテたんだろうなというのがわかります。
戦後の混沌とした時代の吉原、新宿の風俗の様子。
平和な時代にあって…ベタベタした空気と比べて当時のやむを得ない諦念が伝わってくるけれどそれは作者だからなのかな…。
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“他人に親切にしようとおもうときは、それが二倍の大きさになって手痛くハネ返ってくる覚悟が必要だ” やっぱりお節介になったり、お返しを考えちゃうしね。 しかし、腹を立ててはいけない。それが紳士というものだ。 現代では(不適切な関係)とされる、アソビからの生きた教訓。 不作法でも寛容性のある紳士。やがてなりたし。
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孔子曰く、
心ノ欲スルトコロニシタガッテ矩(のり)ヲコエズ
この方はやっぱり、男から見てかっこいい方だと思う。