サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

「e-hon」キャンペーン 本の購入でe-honポイントが4%もらえる ~7/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

スウィート・ヒアアフター みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー165件

みんなの評価4.0

評価内訳

164 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

そっとそばに

2012/01/05 08:28

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かつて開高健は「小説家というのは、小さい説を書くから小説家なのだ」といったことをたびたび書いていた。開高らしいはにかみを感じる言葉だが、うまいことをいうものだといたく感心したものだ。
 よしもとばななのこの小説も「小さな説」なのかもしれない。

 2011年3月11日に起こった東日本大震災を経て、多くの作家たちが重いペンを走らせた。あれだけの大きな震災を経験して、そしてその多くは実際に自身が体験したというより、情報によって知りえた惨状ではあるが、作家たちはそれでも書くことを良しとした。
 「あとがき」によれば、よしもとばななもこの小説を「今回の大震災をあらゆる場所で経験した人、生きている人死んだ人、全てに向けて書いたもの」だという。
 しかし、「多くのいろんな人に納得してもらうようなでっかいことではなく、私は、私の小説でなぜか救われる、なぜか大丈夫になる、そういう数少ない読者に向けて、小さくしっかり書くしかできない」と思ったそうだ。
 小説とは、確かに開高のいうとおり「小さな説」かもしれないが、人の心を揺さぶり、癒し、慰めることができる力を持っている。「小さな説」だからこそ、生きることの真髄に迫ることができる。おそらく、開高自身、そう信じていたにちがいない。
 よしもとばななのこの小説もそうだ。
 どこにも震災のことにはふれていないが、愛する人を喪ったものたちがどうその悲しみと立ち向かい、これからの日々を歩んでいくかを静かに指ししめしてくれる。
 いや、指ししめしもしない。
 そっとそばにいるだけだ。それだけで心が静かになる。

 主人公の小夜は突然の交通事故で恋人の洋一を喪った。その時同乗していた彼女は、大きな怪我をしながらも一命をとりとめた。
 死んだもの、生き残ったもの。愛したもの、愛されたもの。
 小夜はそんな喪失感の中でけっしてがんばろうとはしない。
 「親しい人が死んだことにすっきりする解決策はない。会えないままでしばらく元気なくどんよりと、泥沼の中でもがくように、ただ静かに生きていくだけだ。世界に色彩が戻るまで」。
 事故のあと小夜は死んでいったものたちの姿が見えるようになった。そのさまようものたちを介在にして出逢う人たち。その誰もが、小夜にいそぐことを求めない。彼女もいそがない。

 人は悲しみにどんなに傷ついても、いま、生きている、そのことだけで、人としてありつづける。
 そのことを、よしもとばななのこの「小さな説」は、しずかに語りかけている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

前を向いて、いなくなった人の分まで生きること。

2012/01/27 14:40

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:チヒロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

深く内容もチェックせずに読んだ。
ただ事故でお腹に鉄の棒が刺さって生還したってことだけ知ってはいたけど。

臨死体験をして生き帰った時、同乗していた恋人は即死と知らされる。
悲劇なのにそうは受け取らずにたんたんと、再び与えられた人生を、感謝しながら生きて行こうとする主人公。

そして臨死体験のおまけは、時折幽霊が見えるようになったこと。

これは文中でも触れてあるけど、「まるで『花田少年史』だ」と。
あの「ピアノの森」の作者の代表作「花田少年史」のこと。
少年・花田一路は事故で生死をさまよい、その後霊が見えるようになる、というストーリー。
やんちゃな少年の生活が面白おかしく描かれているけど、実は私が読むのを封印したとてもとても哀しいお話でもある。

今回のこの「スウィート・ヒアアフター」は、終始一貫スピリチュアルな雰囲気が漂う。
死と生のはざまを体験した女性が、嘆き悲しむよりも自然でスッキリと前向きに生きて行く自分を見出す。

ばななさんがなぜこれほど「生」にこだわった作品を書いたのかと思っていたら、
これは3・11への彼女なりのメッセージ作品であったとあとがきにあった。

歌を歌う人は歌で、お話を書く人はお話で、自分の出来ることでメッセージやシグナルを出す。
もうすぐ3月がくる。人々は1年を振り返る。
歌もお話も作りだせない私達は忘れてしまわないように、ただきちんと心に刻むしかないのだけど。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2012/05/27 16:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/09 01:15

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/21 19:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/02/05 16:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/04/19 22:32

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/27 09:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/05 17:42

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/11/30 11:56

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/02/03 21:21

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/04 09:56

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/03 20:26

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/01/16 11:29

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/12/16 22:53

投稿元:ブクログ

レビューを見る

164 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。