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たとえノンフィクションでも、フィクションでも、「人の心は、変わらない」。架空の国の、架空の人々のお話だけれど、人間の深さを思い知る。他人は、自分の価値観でははかれないと、思い知る。
互いに憎みあい、殺しあっていた二つの血が、何度困難に踏みつけられても、運命を呪っても、たった一つの「なすべきこと」に向かっていくお話。
読み終わるのがもったいない、でも読みたい、でも・・・と引きこまれた久々の作品。すごかった。面白かった。本当に良かった!
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ひっさびさに心に沁みる名著と出逢いました。
国を統一した絶対君主の末裔に双子が産まれてしまったことで、醜い政権争いが続く時代。忠信の裏切りによって謀反が成功した王は、宿敵を殺さず共存する事で恒久的な平和を勝ち取ろうと画策するが……。オリエンタルな雰囲気を醸し出す世界観は、上橋菜穂子さんを髣髴とさせますが、人物描写が精緻で、答えの無い哲学的な問題に立ち向かう姿に、時を忘れてのめり込んでしまいます。
文句なく星五つです。
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タイトルが気になって購入。
「為すべきことをなす。」この一言に尽きる話。
こんなに強い意思を持って生きられることはちょっと尊敬。
でも、私には出来ないな~
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和製ファンタジーと表紙に釣られて購入。トントンと話が進んでいき、特別面白い!とは感じなかったけど、気づかぬ間にストーリーにのめり込みとまらなくなって一気読みしてしまった。すごい。主人公がえらく達観していて無駄にドラマチックにならないところが良かった。 そのため終盤近くになってからやっと見せる人間臭さ、家族との情が際立ってより主人公を好きになれた。本作の二人の主人公は協力関係にありながらも、ずっと各々で考え葛藤し、自分の正しいと思うことを選んでやってきた。けど最後に薫衣が「ヒヅチ一人が自分のことを理解してくれたからやってこれた」と言ったのには感動した。最後の主人公の潔さは天晴れです!清々しく寂しい!わりかし淡々と話が進むけど、主人公をすごく好きになれる、司馬先生の歴史小説みたいだった。つまり面白かった!私情を抑え小事に囚われず、自分が為すべきことを為す。私には無理だなー(笑)
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連綿と続いてきた闘争の歴史に終止符を打つべく、恩讐を超えて手を携えた二人の王の物語。著者によるファンタジーでありながら、「道」を説く姿勢など現実に通じるテーマを突きつける。某放送局の大河ドラマも、歴史上の人物にこだわらずにこういったもので作ってみたら面白いんじゃない?
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二人は仇同士であった。二人は義兄弟であった。そして、二人は囚われの王と統べる王であった。翠の国は百数十年、鳳穐と旺廈という二つの氏族が覇権を争い、現在は鳳穐の頭領・櫓が治めていた。ある日、櫓は幽閉してきた旺廈の頭領・薫衣と対面する。生まれた時から「敵を殺したい」という欲求を植えつけられた二人の王。彼らが選んだのは最も困難な道、「共闘」だった。日本ファンタジーの最高峰作品!
***
はじめは漢字が難しいし馴染みがないので、読みにくかったけど、だんたんと物語が進むにつれて入り込んで読んだ。
すごく悲しい物語だった。
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王の血統に双子が生まれたときからこの国の不幸が始まった。
二つの部族に分かれて国の覇権を争い続ける。ある時代、二人の頭領が争いのない国にするための道を探り始める
批判の視線を受けながら、反対者と戦いながら、「なすべきことをせよ」という言葉を胸に。そこまで”私”を抑えて置けるものかと言う気がするけれど彼らには当然のことかもしれない。
今の日本の舵取りをしている方々に未来を見据えて「なすべきこと」をしている人はいるのだろうかと思ってしまった。
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これはかなりよかった!!
久しぶりにスケールの大きいファンタジーを読んだ気がする。
個人的には時間の進みがはやいのは好きじゃないけど、これは他の部分で十分に補えるほど良かった。
歴史を紐解いていくようで読みだしたら止まらない。
(もっとも、語りが淡々としているから最初は少し読みづらく感じましたが…でもこれがまたいい味を出してます)
2つの部族の憎しみ合いを題材にしている小説って他にもあると思うけど、たいていはなんだかんだ言いつつすぐに解決してしまう…というか互いに許してはい、ハッピーエンド!みたいなところがあるけど、この本はちゃんと双方の心によりそっていると思う。
ファンタジーが好きな人には是非とも勧めたくなりました><
でも、やっぱり2冊くらいにして欲しかったなー
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私が読みたかった(血湧き肉躍る)ファンタジーではありませんでしたが、とても涼しい文章で読みやすかったです。
ただ、登場人物の名前が似通っていて覚えづらい!
登場人物一覧があるといいのにな~と思っていたら、巻末に出てきて呆然(笑)
だから★3つです
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とっても面白かったです。国を統一するのって大変なことですよね。どんなに王様が善い人で、良い考えを持ってても、一国を統べるのは苦労だらけ。人々はそれぞれの思惑があって、しかもどの人も真剣に考えてる。主人公達は、自分がすべきことをするために、心情を曲げたり、死にたいくらい悔しい思いばかりします。最後はなんだか知らないけど、いつのまにかみんな幸せになってる…的なファンタジーじゃないのが魅力です。ぜひじっくり読んで下さい。オススメです。
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読み出したら止まらない、止められない。
この様な作品に出会えたのはいつ以来だろう…
展開が早く、一気に読んでしまったので、次はゆっくりじっくり読みたい。
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主人公の一生を駆け抜けるのでテンポは速いはずだが、その速度をあまり感じさせない読み応えがある。王格としての信念は硬く、難い。
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お勧め。いにしえの中国や日本を彷彿とさせる、架空の島国を舞台にした伝記ものファンタジー。
互いに相手の一族を根絶やしにし、玉座を我が手にする義務を背負った、二人の若き王。今は片や玉座にあり、片やその囚われの身となっている。憎しみの先にある、翠(すい)の国のために「為すべきこと」とは一体何か。そのために二人が下した苦渋に満ちた決断と、その歩みから目が離せない。
ファンタジーだけれど、魔法や妖獣のたぐいは一切なし。国のまつりごとが淡々と描かれていく。迪学(じゃくがく、みちびく学)という学問がこの国では重要な位置づけとなっており、ここで何度も突き詰められる「為すべきこと」が全体を通すキーワードだ。これを二人が見出すまでの苦悩、そして為していくために払う犠牲に胸が締め付けられる。しかし、随所に二人の王自身や周囲の者たちの温かみも描かれ、辛いだけではないバランス。
ところで王とは、家臣を誉めこそすれ、自身を誉めてくれるものはいない孤独な戦いだ。しかし、王が二人いればどうか?支え合うことはできるのか?そんなことも思った。まつりごとの物語であると同時に、志を同じくする友の物語でもある。
"静かに熱い"物語が読みたくなったらコレお勧め。
こんな奴いねえよ、でもいてほしい。
(陽子が景王になるあの話が好きな方には特にオススメ。)
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部族同士の戦乱に明け暮れる国の、二人の若き王の物語。どこか、小野不由美の十二国記を思わせるシチュエーションションに、まずはまりました。
たまたま座れた通勤電車の中で読みはじめて、思わず乗り過ごしたほど
引き込まれました。
もっと長編で読みたいな
こんなに、立派な人間がいるのか(それも、同時にふたりも)
とかいう疑問はさて置き、今の日本の政治家たちに、ほんのちょっとでいいから、見習って欲しい
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読み始めてすぐに、あ、これは面白い話だ、とわかりました。
日本ともどこともつかぬ、架空の島国の話ですが、壮大なといってもいいファンタジー。二人の人間に極度にフォーカスした話でもあり、深さもあります。
登場人物の名前が漢字表記(しかも読み方難しい)ではありますが、十二国記や彩雲国のように何かしらの下敷き(山海経や中国的な)があるものではなく、独特の世界となっています。
守り人シリーズっぽいところもあり。
ちょっと弱いなーと言うところもあるんですが、全編を通して一本筋が太く通ってるのがいい感じです。
これはお芝居でも見ているみたいな。
二人芝居だな。多分。
面白かったです。