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絵本作家の五味さんのエッセイが文庫になっていました。しばらく前に対談を聞きに行ったことがあって、しごくどっしりしっかりした、まっとうな人、という印象があり、興味を持って購入。大変面白かったです。少年の日のあれこれの想い出を、独特の雰囲気の文章で綴っています。自分が子どもだった頃の気持ちにひょいと戻ってしまうような、簡単な、でもスルドイ描写がもりだくさん。解説が椎名誠さんでした。繰り返し読みたい本です。
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帯に自伝的エッセイとある。戦後すぐの少年時代の思い出をエピソード毎につづっている。氷屋、映画エキストラ、紅梅キャラメル、鉱石ラジオ等取り上げられている事柄は、著者と世代的に近いので懐かしいが、それを巡るストーリーは、作りすぎで嘘っぽい。自伝云々などと謳わなければ、もう少し素直にたのしめたのに。
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言葉の端の、助詞の一つ一つにまで、
これ以上無い程の心配りがなされているのは、
このひとの作品にすべて通じるこの上ない魅力であることは
もはや間違いないのではなかろうか。
決して過剰に演出することのない、その描写。
これを書いたのは果して「大人」か「少年」か、
そこがわからなくて何度も読み返してしまう。
「ハンカチ」、が特に気に入っている。
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この本は、
子どものこころを持ったまま大人になった人の本。
日々少しずつ動いていくから、
だんだんと自分が子どものときどう考えていたか、いつの間にか思い出せなくなってしまうものだけど、
この人の目線は、それを少し思い出させてくれる。
殺人事件が起きるでもない、
重い病気にかかっているわけでもないしスーパーヒーローがでてくるわけでもない。
でも淡々と過ぎていく内容をずっと読んでいられるし、おもしろがっていられる。
本当はみんながやりたくてできないことが、ここにある。
それが、この本の良さです。
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エッセイ集とよぶにはもったいないような、ひとつの文学作品。
大手SNSサイトの景品表示法問題のようなことは、昔からあったんですよね。
子供の頃から現在に至るまで、そのてのものにはまったことのないわたしには、野球カードをかっぱらう少年の心理など興味深く読めました。
田島征彦さん、灰谷健次郎さん、今江祥智さんなど、絵本とか児童文学の作家さんたちのエッセイは秀逸です。
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帯の言葉にある「自伝的エッセイ」、この自伝“的”をどう捉えるか?それほど幼少の想い出を語ったにしてはデキスギタ話が多い。実際の子供時代の出来事を、オトナの文章力で表現し、オトナのオチを付けた“作品”ということか。
そのあたりの作為は度外視するとして、実にいい話が多い。文末解説で椎名誠が「これは立派な短編小説だ」「短編映画で見たいくらいだ」と絶賛するほど。
自分の世代とは20年もへダリはあるものの、田舎の町で過ごした分、著者の時代の昭和の名残りは十分に共有でき、“似たような”体験をしているなぁと、当時の自分のエピソードを思い出しながら読み進むことができた。
珠玉の児童書を世に送り出す純粋な<こどもの心>を持った絵本作家なのに、文中、子供たちを“このガキ”呼ばわりするところも面白い。大人ぶってないというか、目線が同レベル? やはり、子供の心を持っているんだろうな、と思った。
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中学校の教科書(確か二年生の時)に採用されていた「クロス・プレー」が収録されている。
教科担任の先生が、笑いをこらえながら読んでくれたのをよく覚えている。
硬派なようでいて、読むほどにおかしくもあり、そして切なくもあり。
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とある人が勧めてたのでちょっと読んだ。子供の頃の郷愁とか心の機敏のようなものを綴った本なんだけど、今の自分にはフィットしなくて途中で挫折。もっとジジイになった時に読み返すと味わえそうな気がする。
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絵本作家の五味太郎さんの仕事ですが、子どもたちへというよりは、大人たちへというべきエッセイ集です。
表紙に男の子がいますが、あの子が少年時代の太郎君で、その風景の中から「奇天烈」な五味ワールドが生まれたことを実感しました。今や「セレブ」化して紹介されるパターンが多いのですが、この本で五味さんは素直に(?)少年時代に戻っていて、まあ、その頃からそういうやつだったことに納得しました。
感想はブログでどうぞ。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202008180000/
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「少年は見るのが仕事です。それしか仕事がありません。」(あとがき)
おおらかだった時代の思い出。さくらももこと同じく、とても冷静な視線。
「カーテンの向こう側」「砂の感触」「おじいさんの石鹸」「ぼくたちの収穫」「野球カード」「低速進行」「お山の大将」「蝉」が印象的。
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子供ながらの視点から見た日常の機微。
梶井基次郎のレモンに出てくる色の表現とかに似ててちょっと好きかも。