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紙の本
失ったものを守るために
2015/09/10 14:56
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
大神黒衣という妖と契約したことで、神咲十夜の日常は失われた。幼なじみの来海立夏の抱える問題を文字通り消し去ったことで、彼女の精神を守るために、彼自身の存在を彼女の中から消さなければならなかった。そうして彼の手元に残ったのは、毎月一人の犠牲を必要とする自称婚約者の大神黒衣と、退魔省との関係だ。
とりあえず、退魔省の判断は静観なので高校生活は継続出来ているのだが、退魔省内部も一枚岩ではない。十夜と黒衣の即刻排除を主張する因幡朱音が現れ、十夜の心を少しずつ削っていく。
とにかく、退魔省との関係悪化を避けるべく、彼らの外部委託先として心霊事件の捜査を行うことにした十夜は、妖刀で同級生を切った疑いのかかる少女・黒峰真白に接することになる。彼女は黒衣と出会う前の十夜と同様に、同級生からいじめを受けていた。
自分が生きるためには何かを犠牲にしなければならない。それは生物としての業ではあるのだが、黒衣の場合はその犠牲が人間であるということが、人間の日常からは乖離している。そして彼女の力を十夜は使わざるを得ない。使わないということは、彼と彼の大切な者の破滅を意味しているからだ。
その彼の前に現れるのが、正義の味方を標榜する朱音だ。彼女は徹底的に十夜を糾弾し、彼は即刻死ぬべきであるという。その精神攻撃に苛まれながら、少しでも役に立つ害悪として、日常の中に居場所を見つけようとしていく様は、せつない。
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