紙の本
青春ですね
2023/11/19 18:57
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投稿者:再び本の虜に - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めの部分は何となく読みづらい感じでしたが、兄と弟の話が交互に出てくるような書き方に慣れてからはすんなり頭に入ってきました。ラスト近くになって兄と弟の立ち位置が逆みたいな雰囲気になっていくところが興味深かったですね。
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なんともベタなタイトルやねぇ。
大阪下町の中華料理店の2人息子、要領も見た目もいい兄ヘイスケとボケがうまく単純明朗な弟コウスケ。交互に2人の視点から描かれるお話は、要領よく見える兄も実は不器用で、弟もやっぱりそのまま不器用で、互いに互いのことが見えずに、もとより自分のことも分からずに、何となく波長が合わない中で、兄が卒業・上京して初めて別々に暮らすのをきっかけに見えていなかったものが見え出す…。
こう書いてしまうと、確かにお話もベタやねぇ。でも、これで悪くない。
この歳になってこういうお話読むと、話の如何に拘わらず、自分のこと、自分と父のこと、自分と弟とのこと、自分の息子たちのこと、息子同士のこと…、図らずもそういう家族構成なんで、何となく身につまされるところが多々あって、ある種の感慨に浸っちゃうんだよねぇ。
うちも店をやってて誰も継がずにそれっきりになっちゃったんだけど、今になれば、まあそれで良かったという感じで、息子二人も自分の好きなところに就職してくれりゃあ、それもまたそれで良いんだろうと思える。
上手く言えないけどそういった男同士の親子や兄弟の機微が、関西をネタにしながら(まあ、関西の人がみんなああだと思われるのはなんだけど)、巧いこと描かれてると思う。
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大阪の兄弟の心温まる良いお話。
自分は関西出身ではないので、きっと話の面白さを十二分には理解していないかもしれない。だけど、男兄弟の微妙な距離感と信頼関係っていうかそんなあえて言うのも恥ずかしいものにちょっと心が温まった。
コウスケもヘイスケも性格は全然違うかもしれないけど、それぞれの場所で悩んでそれぞれの場所でしっかり生きている。
終盤の手紙のエピソードにはほろりときました。
ちょっと兄弟に会いたくなりますね。もちろん、そんなこと誰かに言ったりはしないけど。笑
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少々ネタバレ
目的もなく東京でバイト生活って、無謀だなぁ、若くなきゃできないわなぁ。収まる所に収まって良かったけど、人の暖かみを感じる物語で読んでて楽しかったけど、現実はこんなに優しくないよなぁ…と。
上手く生きてそうに見える兄が実は結構傷付いてきたことが描かれていて、最後に報われるのが救われる思いがしました。
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「先に出て行けるのって長男の特権やん。一つくらい特権あらへんと長男なんてやってられへん」「そやったら次男の特権はどこにあんねん」「なんでや大きな特権があるやん。先を見て学べる。それこそが次男の特権や」
「『みんなに優しいのは本当に優しいのとは違う』。ドラマでよく聞く台詞は寒いけど,時々すごく当たっている」
「誰が店継いでええって言うた?勝手に甘えんな。他の家の飯食わな,人間は大きくならへんわ。…うぬぼれんな。親のためとか,店のためとか,偉そうにぬかすな。…都合のええようにうちの店を使うな」
「ま,進路はみんなが悩むもんやからさ,気にせずなやめばええやん」
「お前は,人の思いを裏切れんやつや。だから,その分あの店で好かれとるし,必要とされとる。俺とはちゃうやん」
「人生って厳しいだろう?…恵まれてるやつは小さなことですぐに弱音吐くし,根性あるやつはあれこれぶつかりに行って結局弱っちまうし。金なんかでは足しにならないことだらけだし,愛だけでは解決できないことの方が多いし,勇気や健康があったところで人生楽しくならないし。…とりあえず,ウルトラマンほどの力はなくても,何かちょっとでも光を生み出せるようなことしたいなって思って,で,思いつくのが今は小説書くことぐらいなんだ。今は思いついたことをやっておく。また,変わったら,そのとき,それを必死でやればいいかなって」
「違うよ。私はどうでもいいんじゃなくて,本当にどこでもいいんだよ」
「俺がええのは要領だけや。ほんまはお前の方が賢いねん。お前みたいなやつが,ほんまは賢い」
「ここでのバイトは負担がゼロだった。…それは,俺が品村さんを信用していて,同じように品村さんに信用されているのを感じることができていたからだ。それが何よりの安心感を与えてくれた。一緒にいる人に,共に働く人に,認められていると思えるのはとてもとても貴重なことだ」
「そんなことはない。一年前の俺は,自分があの場所に帰るなんてまったく思っていなかった。アリさんのことを適当に思ったことなんて一度もない。だけど,遊ばれているのかもと思っても焦らなかったのも,もっともっと俺のものにしたいって思えなかったのも,本当だ」
「ごめんください。どなたですか?戸村飯店の長男,戸村ヘイスケです。長い間,勝手して迷惑かけました。ほんま,すんません,お帰りなさい。ありがとう」
やっぱり瀬尾まいこはいい。タイトルと表紙からもっとばかばかしいのを想像してたけど,ちょっと違った。
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やっぱり瀬尾さんの作品ってどことなく独特というか。
「ああ、この人の作品だな」と思える空気があると思う。
それは会話の仕方だったり、登場人物の性格だったり、他にもどうにも言葉にして説明しづらい部分だったりで、うまくは言えないのですが。この人にしか書けない、独特さがある。
この作品のタイトルを見た当初は「なんだこのタイトル!?」と思ったのですが(瀬尾作品のタイトルっぽくないと感じました)、でも結構良いタイトルかも知れません。そして中身はやっぱり、瀬尾作品でした。
なかなかに素敵な兄弟だなと感じました。
特にお兄ちゃんが愛おしい。
どうにも家族から本質を理解されていなかったらしいヘイスケが、それでも私から見れば良い性格に育っているあたり、この子は色々なことを考えてきたのだろうなあと。
物語は弟コウスケの一人称から始まり、そこではヘイスケはかなりいい加減そうな印象を受けるのですが、次の章では視点が兄ヘイスケのものへと変わり、そこでヘイスケへの印象ががらりと変わる。コウスケに、もっとお兄ちゃんをきちんと見てやりなよと言いたくなる。
そこから視点が交互に切り替わり進んでいく物語は、少しずつ兄弟の関係を近づけていき、最後にはきれいに終わる。
元気をもらえる作品だったと、思います。
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好きな作家は?というときに思い出したりしないんだけど、
結構読んでて、はずれが無くて、
そういえばかなり好きな作家の部類に入るんじゃないか??
実は一回よみ始めてすぐに「長男、どうよ?」って、
こういう分からん人って、周りにいたら一番苦手なので、
自分の気分と相まって、途中挫折。
再度手を伸ばしてみたところ、一日で一気読み。
そして長男良い。
なんというか、この本が発している匂い的なもの
と内容は全然違うよ~ということを言いたい。
瀬尾まいこ知っている人は間違わないだろうけれど。
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大阪の下町にある中華料理屋、戸村飯店。
クールで器用な兄ヘイスケと、単純明快・愛嬌たっぷりの弟コウスケ。
地元を離れて自分の居場所を探す兄弟の姿は、The青春。
兄弟っていいなと心から思える、瀬尾さんらしい作品。
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戸村飯店の兄弟の話。要領が良くてなんてそつなくこなす、なおかつ女の人にモテる。だけど案外まじめで不器用な兄。要領は良くないけど、場を明るくする天性の才能がある。そして一つのことに全力で取り組めて、皆から愛される弟。
この二人が自分なりに目の前のことに取り組み、様々な人と出会い、成長していく姿を見て素直に「面白い」って思えた。弟の進路決定には驚いたけど、「自分はこう生きなきゃいけないんだろうな」と思い込まずに、幅広い視野を持って生きることが大切だなと感じた。
映画とかドラマになったら、面白くなると思う。
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戸村飯店の兄ヘイスケと弟コウスケの話。
高校卒業とともに東京へ出て行くヘイスケ。店を継ぐべく残りわずかな高校生活を思い切り満喫するコウスケ。
離れてから気付く自分や家族のこと。
たくさん笑えてほろりと泣ける、一気に読んでしまった本。
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最近こういう可愛いハートフルな話に弱い。
10年後読んでおもしろいと思えるかどうかはわかんないけど、今の俺にとってすごい素敵な本でした。
家族って本当にいいよねー。ぐふ。
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ハートフルってこういうことさ、って感じの青春コミカル兄弟小説。
兄弟姉妹のいる人は笑いの中にも考えるところがあるのでは。一人っ子に感想をきいてみたいな。
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たった今読了。
あー、泣いた。
序盤ではあまり期待していなかっただけに、終盤おもしろくなってきてからはグイグイ読んだ。満足。
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男兄弟ってこんな感じなのかな?
不器用だけどなんかいいなぁ。青春だなぁ。しかし大阪人だなぁ!
離れてわかる故郷のあったかさ。知らない土地での人のあったかさ。人間ていいな。とても優しいお話。
映画化したらおもしろそうかも!
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THE関西の独特の雰囲気がすごく好き。
弟の兄に対する気持ちとか、継ぐ継がんとかって
境遇は全然違うけど、自分にも身に覚えがあるなぁ。
あととにかく表紙がツボ!