紙の本
『悲しみにある者』と合わせて読みたい
2023/12/27 14:01
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョーン・ディディオンは養子を迎えた。それがクィンターナである。クィンターナの人生は困難なものとなった。親としても辛かったであろうこの経験を綴るものである。『悲しみにある者』と合わせて読みたい。
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内容以前に、翻訳がひどすぎ。
そういえば、前作の「悲しみにある者」も同じ翻訳者だったのに・・・確認せずに購入したことを、後悔しました。
★ひとつは原作ではなく翻訳のひどさに対する評価です。
原作者にも亡きクィンターナにも失礼です。
日本語になっていません。
まさか翻訳ソフトにお任せでは?と疑うほど、読みにくくわかりにくい日本語。
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子どもが出来なかっため、産まれたばかりのクィンターナを養女として迎えた著者・ディディオンと夫・ジョン。二人は、クィンターナに養女である事を隠さず育てた。
親が育てられない赤ん坊が、今病院で産まれたが養子にするか?という電話で、クィンターナと出会い、養子縁組審査のハードルを飛び越え、晴れて親子になれた三人。養女である事は隠しておくべきだというアドバイスもあったが、二人はあえて隠さず接してきた。それゆえ、幼いクィンターナから発せられる「もしその電話(養子に出したい赤ちゃんがいる)がかかってきたときに、ママたちがいなかったら私はどうなったの?」という素朴な不安にも立ち向かう。
また、作家であるディディオンが自著で養女である事を公表したために、私が産みの親であるという数々の手紙や電話にも対峙する。
そうした状況や、かわいらしい(表紙は本人の写真)クィンターナを溺愛する二人や、クィンターナの幸せな結婚式がつづられる。
しかし、結婚式の後、夫のジョンは、夕食後突然倒れ亡くなる。そして、クィンターナも続けて亡くす。幸せな花嫁の両親から、1年あまりのうちに娘を失った未亡人になってしまう。その後の、自分の老いをも冷静に見つめる。
その強い精神と、鋭い感性に感心してしまう。強い女、という一言が似合うが、決して冷たい感じではなく、抱きしめてもらいたいような暖かさと大きさを感じた。
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「きれいな女の赤ちゃん」を養子にした著者のジョーン•ディディオンと夫。クィンターナと名付けられたその女の子は小説家、脚本家の両親の下で不自由無くすくすくと育つ。でも家族の幸せな日々は永遠に続くわけではありません‥。
クィンターナや夫の回想の間に、老いた現在の自分の状況を織り交ぜて書いたジョーン•ディディオンのこの本は悲しげで、愛する人を亡くした悲しみがひしひしと伝わってくる。
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原題はBlue Nights. 完全に日が落ちる前の青い空の時間帯を指すそうです。確かに、この題名では手にとって読むことはなかったけれども、邦題と作者の書きぶりがあいまって、ひどくセンチメンタルで読みにくい作品に感じた。
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思い出の品なんてくだらない。そんな品物は、かつて目の前で過ぎていった時間をいかに理解していなかったかの証明にしかならない。
目の前の時間に我を忘れる代わりに、つまらないガラクタをせっせと積み上げ続けるなんて。
思い出の品など、二度とは戻らない日々がどれだけ貴重だったか、その価値を理解できていなかった証だ。
目の前にあったのに気づかなかったこと、答えられなかった問いかけ、届かなかった手。失われた何もかもを悼んでいる。でも、何が失われたのだろう。
本当に大切なことは、瞼の裏に焼き付いている。耳の底に残っている。その香りを覚えている。
一日だけでも、生きるということは本当に危険なこと。
永遠に続く哀悼と一緒に生き続けることもできる。