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自分の身にも起こりうる(もしくは起こった事のある)出来事が綴られていて、くすっと笑えたり、わかるわかる!と共感したりで楽しく読み進められました。
表題作「とにかくうちに帰ります」は実際に台風や大雪の時ってなぜかどんなに遅くなっても家に帰りたくなる心境が面白いくらい分かって、読みながら応援したくなりました。
【うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい――。職場のおじさんに文房具を返してもらえない人。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する人。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう人――。それぞれの日々の悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に描く、芥川賞作家の最新小説集。働き、悩み、歩き続ける人たちのための六篇。 】
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ハラとオニキリ,ミツグとサカキが雨の中を駅まで歩く.ミツグは途中でバスに乗れたが.. 目的は「とにかくうちに帰ります」だ.それぞの人物の気持ちが面白く描写されており,なかなか駅に着かないので読んでいてイライラしてきたが,そういう気持ちにさせるうまい書き方をしているのだろう.
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天災や事故、その他もろもろ・・・。色々な理由で「帰宅難民」に簡単になってしまう昨今。テレビに写る帰宅難民達を観てると「何をそんなに躍起になって帰らなきゃいけないのよ」「会社とかどこでもいいから泊まれば??」って思っちゃうけど、意外とみんなちっちゃい理由で、「とにかくうちに帰りたい」って思って、その衝動に突き動かされているんだよなあ、って感じた。
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面白かったです。分かる人にはわかる的なニッチでマニアックな感じも良かったです。イヨッ、つっこみ(文)芸!
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・眈々としてしみじみ面白かった。ただ津村記久子の特徴だと思ってる、社会と微妙にうまく折り合えないけど芯が強くて激しいような人々は出てこない。本当に眈々としててさくっと読んだ。
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津村節健在。
観察眼、というか現役会社員でもある津村さんの社内描写はリアルの一言に尽きる。エッセイを読んだばかりだったからか、日常かと見まがうほどだった。
淡々と、でも面白い言い回しや主人公の突っ込みに笑ってしまう。
そして、読了後には人との関わりもまぁ悪かないよねって毎回思わせてくれるから良い。
津村さんの書く学生ものも独特で好きなので、こっちもそろそろ読みたいなぁ。
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職場に生息する奇妙な人間たちのなんやかやと、悪天候のなかとにかくうちに帰る話。とくべつな事件が起こるわけではないけれど、とにかく随所にちりばめられた一言や小ネタが秀逸。超マイナーフィギュアスケーターを応援する話とか、にやにやがとまりませんでした。
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連作と短編。
おそらくどの作品も規模は大きくない営業所?
登場人物のちょっとした生活の楽しみが共感できるわー。お茶とか、海外のマイナー選手の追っかけとかが、ディテール細かくて、リアル。仕事が地味で退屈なのは当然なのだ。
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働いている人の、あそこやここらに転がっていそうな話。いえ、褒めているんです。なんだか日常感がたっぷりで自然なのだ。
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OL鳥飼の社内日々が綴られた連作短編集と、
大雨の日に必死でうちに帰ろうとする人たちの話。
「とにかくうちに帰りたい」うちに何かある訳じゃないけど分かる。分かるわー。
作者の働く人の話はリアルで楽しくて好きだ。
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会社勤めの女性の身の回りで起きるリアルで、ちょっとおかしな出来事が面白く描かれています。
現在も会社勤務を続けているという芥川賞作家の作品。
短編集ですが、前半は同じ職場でのエピソード。
後半は表題作で、豪雨で電車が止まり、バスも満員で行ってしまうという状況になり、なんとか家に帰ろうとする人の話。
「職場の作法」は、「ブラックボックス」「ハラスメント、ネグレクト」「ブラックホール」「小規模なパンデミック」の4編。
事務の女性・鳥飼の視点で。
「ブラックボックス」
田上は子どものいる穏やかな女性。いつも静かに仕事をしていて、男性は仕事を頼む段になるまでその存在を思い出しもしない。だが実は、頼む態度が悪い場合は、ギリギリになるまで渡して貰えないのだ。
事務の女性に気をつかわないでいる男性は、読んで反省した方が良いかも!
「ブラックホール」は同僚の男性・間宮が人の物をすぐ借りて返さない話。
逆に人に持って行かれても怒らないというか気づかないので、本気で怒る人もいないのだが。
すぐ連絡しなければならない相手先がわからなくなり、間宮のデスクを捜し回ると…
「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」も、同じ会社仲間での話。
鳥飼はフィギュアスケートのテレビ録画を整理するために見ていて、アルゼンチンの選手フアン・カルロス・モリーナのことがふと気になりだす。
アルゼンチンのサイトをネットでチェックし、英語に訳して大体の所だけ情報を得たりする。
同僚で先輩の女性・浄之内に話を振ると、何と彼のことについて詳しい。
実は浄之内がファンになった選手は怪我や成績不振に苦しむというジンクスのような現象を感じていたので、内緒にしたかったのだが。
…こんな選手いたっけ?と思わず検索。いや、アルゼンチンでフィギュアスケートの男子選手はいないみたい。
世界大会上位なら知ってるはずだしね…とはいってもグランプリ・ファイナルに出られないぐらいというと、たくさんいる…
ブラジル生まれのフローラン・アモディオとか?でも早くからフランス来てるし。一人でピッタリのモデルもいないと思うけど、でも何となく…すっごく、妙にいそうな感じがあるのよ~(笑)
「とにかくうちに帰ります」
この題、良いですよね。
埋立州にある営業部事務所。
豪雨の日、1年後輩のオニキリに頼まれて、スクーター用の厚いレインコートを探し出してやるハラ。
ハラも早めに帰社することにしたが、もう少し後のほうがむしろ良いんじゃないかと話している人の言葉を聞いて思い直し、会社に戻る。
いざというとき用に用意してある食品を食べるのは今だと思ったのだ。
備品管理はハラの担当なので、高級防災食の美味しそうなのがあるのを知っていて、そのことで頭がいっぱいに。
ところが、備品室では、残っている二人が何と男女の関係に…
入るに入れず、帰途につく。
コンビニでは、オニキリがお弁当を買い占めていた。
ハラもレインコートを2枚買い、重ねて着て、温かい飲み物が冷めないように何本も買っ���、一緒に歩き出す。
雨に打たれながら歩くうちに、うちに帰りたい気持ちは、たまらなく募っていく。
一方、明日は早くから息子に会えると楽しみにしていた男性サカキ。
離婚して妻の元にいる幼い息子に会う貴重な機会なので、どうしても今日中に帰らなくてはならない。
途中、バスに乗り遅れて一人でいる小学生の男の子ミツグに会い、同行することに。
寒さがつのって来たため、レインコートを貸し、満員のバスに頼み込んで男の子だけを乗せる。
豪雨の中のふとした出会い、ちょっとした運の悪さや何気ない人助けが微苦笑を誘い、あたたかい読後感。
震災や豪雨で、帰宅困難は何度かありましたね。
作者自身、体験したのでしょう。
私もここまで大変じゃなかったけど、予想以上っていう経験はありました。
確かに、どうしても、うちに帰りたくなります!
切れ味が鋭くて、恋愛でも事件でもないのに、映画に出来そう。
海外の人に読ませても、面白いんじゃないかな。
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あ、この人の文章好きだな と思った。難しくもなく言葉遊びが多いわけでもなく、すーっと馴染んでくるような印象でした。他の作品も読んでみたい。
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面白かった。日々の、一瞬思い浮かべるツッコミとかも表記したような語りが、かなり面白い。
『職場の作法』が私のお気に入り。あぁ、あるよなぁ、という感じ(笑)。
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『職場の作法』がおもしろかった。近い橘だからか共感出来るところがたくさんあった。『とにかくうちに帰ります』は期待し過ぎたかもだけど少し物足りなさを感じた。フィギュアスケートの話は興味がなさ過ぎて途中で飛ばしてしまった。。
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ニヤニヤしてしまうので人前で読むのは要注意。
タイトルがすごく気に入ってます。
機会があれば言ってみたいタイトルです。