紙の本
秀頼の父親は誰かというのは永遠のなぞ
2019/01/28 18:14
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本では秀吉が河原ノ者や非人の出身者であるということを証明して見せたわけではなくて、義父とおりあいの悪かった少年期にそういった人たちと交わる機会が多かったであろうと推測している。また、河原ノ者(エタ)や非人の中世での位置づけも詳しく述べられているので面白い。確かな技量を持って高い身分の人に仕えていながら平民との結婚が許されていなかったことなども知ることができた。秀頼は秀吉の実子でないことは当時の傍に仕えた人たちの間では当たり前のように考えられていたことなのだろう、誰もがおかしいと思いながら口にできなかったこと。確かに福島のような子飼いの武将が積極的に秀頼に仕えなかったところに本当はどうだたんだろうと今更結論の出ない話ではあるが思ってしまう
紙の本
面白い発想
2017/05/02 20:05
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
秀頼非実子説、意見のひとつとしてかなり面白いものでした。資料のチョイス・検証などに強引な点もありますがかなり興味深く読めました。
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第一部は中世に賤民とされた人々や遊女などの被差別民衆史。第二部は豊臣秀吉を扱ってるんだけど、鶴松・秀頼非実子説と秀次妻子殺害を秀頼非実子が原因とするあたり、論理が飛躍してやしないかと……
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▼内容紹介 差別に耐えながらも社会の重要な役割を担う人びと。その世界に身を置きながら、関白にまで昇りつめた秀吉。フィールド調査と史料の読み直しから、中世の被差別民を対象に差別の歴史を叙述し、彼らの新たな活動を明らかにする。
▼著者紹介 1949年名古屋市生まれ。東京大学大学院修士課程修了。九州大学大学院比較社会文化研究院教授、研究院長。著書に「武士と荘園支配」など。
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秀吉のネタは少なくて、むしろサンカなど民俗学的要素の本。これは立ち読みではもったいないし、すごい厚み!中世もやらにゃいと‼
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社会の不可欠な機能として存在していた賤。その構造は複雑であり、表面的な差別という理解では捉えきれない。本書はそのダイナミズムをよく描いていると思う。が、一方では、中上健二の指摘の通り天皇制を座標軸とした連関も包含する必要があるのではなかろうかという印象を持った。秀吉に関する推論は知的冒険として大変興味深い。
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さて・・・どういう繋がりがあるのでしょう~犬追物を演出した河原ノ者たち:武士の訓練と見せ物的要素を持つ犬追い物は犬の馬場(いんのばば)で行われたが,それには犬を集め,逃げた犬を追い掛け捕らえ,騎乗の武士を支える河原者の存在が欠かせず,絵からも帯刀していたことが判り,多くの報酬を得ていた。時に武装集団としても活躍する。大和北山非人宿をめぐる東大寺と興福寺:京から東大寺の大仏をお参りする人は多く,参詣人が慈悲の心から哀れなライ患者に施しを与えるため,発症したために家から出され,集落を作ったのが北山の坂で,その世話をするのが非人の役目だった。当然,仏教の精神から救貧所を作ったが,病に冒された人の唯一の楽しみであった入浴施設も作られた。京の清水坂も参詣客が多かったので,宿が作られたが,東大寺系と興福寺,八坂神社の利権争いに巻き込まれるケースが多かった。都鄙の療病寺と非田寺・清目(カワタ):救ライ活動の展開と地方の差別構造。信濃善光寺も参詣客が集まるから,乞食も多く,利権も絡む。全国に善光寺は勧請され,療病寺も造られる。越後国荒河保の「入出非人所」と奥山庄の「ひにんかう屋」:どこにあったのか。重源上人と「乞?非人」:東大寺の再建に非人が動員されたのは,土に触ると土神に祟る土用にも工事を継続する必要があったからで,大きな収入を得ていた。作庭や井戸掘りも同様で危険を伴い,特殊技術を要したため,穢多ならそのタブーを超越できたのだ。サンカ考:三角寛のフィクションはよくできているが,そもそも「サンカ」とは「サカノモノ」を強調して「サンカモノ」となり縮めて「サンカ」だ。太鼓作成と中世筥崎宮散所:神事に太鼓は欠かせず,太鼓は皮の高度な加工技術が必要だ。カワタはそれゆえに免役された。人身売買史断章・現代と中世を交錯する遊び女像:遊女は賤視されなかったが,かといって貴顕を産む白拍子ばかりではなかった。豊臣秀吉:父のない子として生まれた秀吉は継父と折り合いが悪く,家出して乞食の暮らしを玄海でした。猿まねで針を売り歩き,義兄は鷹の餌場管理の小役人だったから,賤視される餌差しとも繋がりがあった。母は連雀商人の一家に生まれ,新興商人で賤しい身分とされたが楽市などの市場の開発で利権も存在していた。淀の方は,子種のない秀吉のために,淀城内におこもり場を作り,非配偶者間受精で鶴松は授かったのだろう。陰陽師が絡む。夭折したのちに生まれた拾(秀頼)については,名護屋対陣中に淀が奧女中と僧侶・陰陽師と乱脈に走った結果で,関係者は多数処分されたが,自分の子とせざるを得なかった。陰陽師は各地に開墾に狩り出され,秀吉の死後,帰京したが,各地に痕跡は残る~ライ患者の施設として非人村はあったのかぁ。差別される立場にありながら,脱賤して大名になるものもあった。農民の目からすると,タブーを恐れない者達に恐怖を覚えたのだが,権力を持つ者はうまく利用した。農民からの視点だけじゃ,差別問題は語れないなぁ・・・為になったが,退屈な部分(多分に学術的な箇所)は眠くなって困った
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ちょうど週刊朝日で被差別部落にフォーカスがあたった。関西出身者なので、教育や実体験でもこの問題と向き合った経験があるが、この問題は日本が持つ歴史から紐解かないと、解らないと感じる。そういう意味で、本書は真正面から歴史と向き合った本。差別の中でも、社会の重要な役割を担って貢献してきた人々の歴史を理解することで、差別のない社会の実現を目指そうとする著者の意欲を感じます。
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もっと もっと
中世の「歴史」と「史実」を語る
「本」が出てきて欲しいと
いつも 思ってしまう
むろん この一冊も
とても興味深いものである
権力者の歴史ではない
われわれのような
ほぼ なんの力もない庶民の側から
とらえた視点がうれしい
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日本における被差別民の問題を中心に、画期的な論を組み立てた歴史の専門書。被差別民に関するところはなかなか良かったけど、ただ、秀吉に関する論はちょっと強引というか、資料の扱い方が恣意的な気がするなあ。
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秀頼が秀吉の実子でなかったという説、それに伴い、陰陽師が追放、処刑された話がなんとも興味深い。
全体的にかなり専門的な内容が多く、読み終わるのに随分時間がかかった。犬追物の実態とか、中世のハンセン氏病患者のこと、時宗と被差別民との関わりなど、改めて知ることも大変多かった。
この本を読んでから洛中洛外図をみると、だいぶ見方が変わると思う。
随分歴史の研究も進んでいるのだなぁと改めて感じた。
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非常におもしろい。豊臣秀吉の謎の多い出自、秀頼の出生の謎。なぜ関ヶ原の合戦で加藤清正、福島正則ら子飼いの大名たちが西軍に味方せずに東軍を味方したかが判明。
歴史の謎が明らかななった。