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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
正直言ってあまり印象に残らない作品だった。田中さんは蘭陵王を気に入っているぶん 人物の造形が上手くいかなかったように思った。
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中国南北朝時代・北斉の皇族のひとり蘭陵王の物語。美貌ゆえに戦場で仮面を着けて戦ったと言われる武将の悲劇。
中国史は物語の宝庫ですね。日本に於いてマイナーな時代でも華々しい物語の種が散らばっています。その種を拾い萌芽させるのが作家の技量なのでしょう。田中芳樹はエピソードの使い方が巧いですね。史料を元にエピソードを重ねることで、各登場人物に肉付けしていくのでただ単なる歴史人物でなくキャラクターとして動いていくのです。またヒロインの設定も物語に華やぎと温かみを与えてくれます。何せ無能な皇帝の悪辣三昧の描写がえげつないですからねえ。傾国の皇帝の描かれ方なんてそんなものだと判りつつも、余りの酷さに辟易します。だからこそ蘭陵王の魅力が際立つこともあるのですが。
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余りに殺伐とした中国歴史ものであり、その残忍さは、かの国が如何に過酷な簒奪の歴史を経てきたのかが、今さらながわ分かり、如何にその地位を守るために支配者が神をも恐れない所業を繰り広げてきたのかということから、今の世のかの国の在り様が透けて見える。支配者が変わり、歴史が如何様にも都合よく書き換えられることは良くあることであり、そのための悪辣非道な支配者ぶりが強調されていることを差し引いたとしても、まあ、確かに酷い歴史であることは否めないだろう。あまりに酷いので仙人となるヒロインを配しているが、正直、話から浮いている。また、そもそも誰が誰だか分からない姓名の中国人の固有名詞が多々多岐にわたり登場し、その逸話までおって語るため、話が分かりにくいこと甚だしいのが、物語としての興を殺いでいる。また、京劇で有名な蘭稜王は名は仮面の王子として名は知られ、主人公としてたっていただけに残念である。
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表紙に目を留めて、作家名で即決。
他の歴史ものを読んで面白いと思ったことが決め手でした。
まださわりしか読んでいませんが、キャラクターの魅力はありそうです。
戦闘などの動きも想像しやすく、現時点ではワクワクしながら読んでいます。
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おもしろかった。
中国史の中ではマイナーな南北朝時代の北斉が舞台ということで初めて知る物語や人物が多く、非常に興味深く読める。
また、変わり者のヒロインが登場することで、蘭陵王という悲劇の人を扱っているにも関わらず、思わずクスリと笑ってしまう楽しさがある。
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雅楽の陵王が好きなので購入。
ヒロインは魅力的だったけど、歴史沿いに書かれたこの小説からは浮いて見えた。陵王はかっこよかった。
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中国、北斉の時代、蘭陵王という実在の人物が主人公。
史実に沿った話なので、好きか嫌いかは意見が分かれると思いますが(人物関係が色々と複雑ですし)、個人的には歴史物として読みやすかったと思います。
血族争い、権力闘争、他国との戦争など血なまぐさい話の中、ヒロイン月琴嬢の突き抜けた明るさが救いです。
しかし、最後にそこに話を持って行くとは、ちょっと思いもよりませんでした。ふーん、なるほどねえ。
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南北朝時代はどの王朝も殺人鬼みたいな皇帝がいて、やになるんだけど、よくここまでエンタメ性の高い作品に仕上げたものです。
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中国南北朝の北西の蘭陵王の勇ましくも悲しい物語。
あまりのハンサムっぷりに鬼面を被って戦場にでたという人物。
朝廷のだめっぷりを戦場での驍勇で心を癒す彼の姿が
最前線で踏ん張るサラリーマンと駄目な管理職の姿に重なって
哀愁を誘った。
脚色はあるにせよ、田中芳樹の描く蘭陵王は非常にカッコいい。
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田中芳樹さんの歴史小説、ということで購入。
中身は田中節炸裂。
嬉々として読みました。
が、普段慣れない中国歴史や中国文引用、名前に少し苦戦。
とはいえ、やっぱり「人」なので誰もが魅力的。田中芳樹さんが描く人はそこにいる(いた)「人」だと思わせてくれるので歴史という取っつきにくさ(?)を乗り越えて、のめり込みました。
それにしても血生臭い(笑)
その中に人が生きていた、と小説を通して歴史に興味が出ました。
ちょっとファンタジーちっく(?)もあり、
多角的に楽しめました。
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一気読みです。田中先生らしく(苦笑)登場人物は次々と亡くなっていきますが、これは、もう事実なんだからしょうがない。
史書をもとに書かれているので、もうちょっと遊えいびや書き込んでほしかったり、ストーリー展開してほしいところもありましたが、異色の英雄、かっこいいです。この設定をもとにもっと小説にしちゃってくれ~って感じでした。
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あまり馴染みのない時代のお話でしたが楽しんで読む事ができました。悲劇であるのに、あざとさがなく、最後の最後までどうか報われて欲しいと願わずにはいられない内容で、本当に引き込まれるお話です。読みやすい文章なのでお勧めです。
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中国斉の時代の武将のお話。
あまりに美しい故に、仮面をつけて戦場に出たという逸話を持つ人です。
多少小難しく書いてはありますが、話自体は面白いです。
ら延べ
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昨日読了、久々の田中芳樹作品。
エンターテイメントとして、歴史小説としてそれなりに楽しめたけど、別に歴史知識以外の何物かが心に残った感じはしないなぁ。
そしてその歴史知識も、すぐ忘れてしまうんだろうなぁ…。
覚えてれば歴史に詳しくなれるんろうに、もったいない(笑)
主人公は、顔が良くて武勇も卓絶して清廉潔白で、デキスギなので、私としてはあまり魅力を感じない…。
ヒロイン?も、道士として修行した大飯喰らいのユニークな少女で、物語の良いアクセントにはなってるけど、そんなに魅力を感じない…。
文庫本一冊で短かったから、そんなに思い入れできないのかな~。
それにしても、中国史って、日本では聞いたこともないような残虐非道な為政者がわんさか出てきますね。
犬を連れて狩りに出掛け、たまたま通りかかった赤ちゃん連れの女性に、犬をけしかけて2人とも生きたまま食い殺させるとかってどうよ…。
あと、巨大水槽に裸の罪人を入れて、そこに蠍の大群を放り込んで、笑いながら見物するとかって…。
そうかと思えば清冽な人もけっこういるので、さすが歴史も古く人数も多いだけに、色んな人がいるなぁと思います。
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女顔イケメンのために、戦場に立つ時は鬼面をつけたという、どんな人だったのか知りたくてワクワクする題材である。
でも、やっぱり田中芳樹の中国ものだった。
実在した人物を題材に物語を描く、作者は膨大な資料の中からそれぞれの人物像を作ってゆくわけだが、切り貼り感が否めない。中国史ほど、勝者の言い訳である史書はなく、そこに100%の真実を求めることはないし、こんな言葉が遺っているだの、あんな逸話がどこどこに記されていただのが知りたいのではないのだ。沢山の資料の中から作者が見い出した人物像が、どう動き何を言うかが物語の醍醐味だと思うのだが。
切り貼りも一つの手法と言ってしまえばこの作品の出来が悪いわけではないが、序盤でいつ死ぬかネタバレ、主要人物が10年後に何をしたかなどは興ざめだった。