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自分の母の話だなーと読み進める度に思えた。
おいていく母の狡猾さと、哀れさ
介護をする側の複雑な思いと
リアルな内容だった。
自分の人生を納得しながら進められるのは今だからなのかな
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かなり共感をもつ部分があり、ずんずん読めた。ハッピーエンドではないと思う。でもこれで良いのだという終わり方。
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気の重いテーマで誰もが避けて通れない問題を細やかな心理描写で描くいて、長編ながらどんどん読めた。それにつけても、お金は必要だ!ということがよく分かった。
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水村さん初読み。
本を手に取るとその厚みがズシンとくるけれど、読みやすい文章でグイグイ引き込まれてしまった。
共感できる部分が多々あって、母との関係、娘との関係、夫との関係、自分のこれからの生き方…いろいろ思うことがあります。
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主人公がどういう決断を下すのかを知りたくて、なんとか読み終えた作品。
母親からの娘の呪縛は、最近よく取り上げられているテーマではあるし、近めの距離で読んでいたけど、行きつ戻りつする記憶や意識についていけなくなった。
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いいですね。この類で郡を抜いているのは有吉佐和子の「恍惚の人」。 この作品は、それとはまた違うが、介護という面での一つのありかた。 重いということでなく、現実なのだ。誰にでもおこりうる。 百人いれば百通り。
なってみなければわからない、という前に、こういう本はたくさんあるので読むべきと思う。少しは自分がなったときの道標のきっかけがあるかもしれない。
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姉と差別化されて育てられた人が,母の死を通して自分の人生を振り返った作品。
ゆるしは,劇的なconversionのパターンと,この作品みたいに「振り返ってみると・・・」というパターンがあるのかもしれない。後者の場合はゆるしの定義が難しくなるけど。
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自分の20年後を見ているようだった。
親の遺産なんて期待できない以上、ひたすら老後のために貯金していくしかない。
生きてるだけで幸せだと確かに震災直後は思ったけれど、その気持ちを持ち続けるのは難しい。
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衝撃的な帯に驚きながらも、親の介護、姉妹の確執、夫婦間のずれと並べてみたら何かと私の対角にある話ではないから読めるのかと不安があった。ところが親、きょうだい、夫婦と身近だからこそややこしい話ではないか。読了感は、向田邦子を読んだときのようで自分が歳を重ねただけ現実味があった。
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道中で読んだら、夜眠れなかった(読むのが止まらなくて)。
お気楽な旅だったけれど、帰りの飛行機で読み終えたら、自分が逗留に行っていたような気がした。
最近とみに増えた「母モノ」の中でも、そうとううまい。何度か読み返すと思う。
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長くて暗くて気持ちが落ちる本。自分の中年、あんな風にならないためにどうしたらいいのか考えさせられた。
最後少しだけ光が見えた主人公が少しでも幸せな生活になれたらいいなぁと切に願った。
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主人公には母の介護や夫婦関係、この世代特有の体の不調等が底辺にあり、この小説で自分のルーツを振り返り、辛い現実とも向き合いその中から新しい一歩を踏み出していく姿を描く。新聞小説として書かれたもので、こうして一冊の本として読むとなんとなくまとまりがないように感じるが、これを毎日の新聞で読むときっと短い単位で読んでいくので、主人公や物語に魅力を感じるのだろう。
母と娘という関係はとかく端から見ると、うらやましい(母と息子、父と息子、娘という関係に比べ)関係のように思われるが、この小説でも著されているように娘側からみると同性だけに冷徹な目で母を見ていたり、あるときは仲良くしていても煩わしく感じることも多々ある。「確執」とはよくいったものだ。その母娘関係ーー愛憎両面があることーーをこの小説は端的に表現している。私自身、共感と自分自身の嫌な面もみるようで読みすすめていくのが辛くなる部分もあった。
全体に暗い印象で話が進んでいくが、最後に明るい未来を感じさせる終わり方をしているのが救いだ。
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物語全体の構成は作為的というか理屈っぽい。(よくできているとは思うが・・・)。しかし、その枠組みの中で展開される語りは、女性ならではの皮膚感覚に近い思考の流れで満たされていて、思わず読みふけってしまう。、生きることそれ自体の業の深さを描き、しかも500頁を超える作品でありながら、苦もなく読める。あえて難を言えば、最終章(最終回)あたり、それまでのシビアな展開に比べ、ぬるい幕引きになっていることだろうか。
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母娘の物語。著者は『日本語が亡びるとき』が話題となった水村美苗氏。
介護、夫の不倫、経済的不安、自身の老いと体の衰えといった現代に生きる女性の不幸を描いた一冊とも言えるが、祖母・母・そして主人公の娘の三代に渡る大河小説とも言える。
タイトルの「遺産」。母親の死により大金を手にすることにはなるが、この「遺産」が示すのは金銭的なものだけではない。
周囲の人を振り回し続けた母、そして長年の介護の末、訪れた母の死。常に母の行動に対するリアクションの積み重ねで成長してきた主人公自身が母の遺産と言ってもよい。母亡き後、人生をどのように送るのか、母の呪縛から解き放たれた女の自由とは何なのか。
500ページを超えるが読み辛さは全く感じることなく読み進められる。
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誰でもが直面する、親との相克、水村早苗の言葉はとても丁寧だ。母をきずかいながら、そして疎んじながら、自分を見つめている。最終章の地震の後の言葉に、”生きている。ーーー私は幸せだ。ーーーそう思わねば、罰が当たる。”にホッとしてしまう。